家具工房に捧ぐ

家具工房treehouse  北野創次郎
福岡県北九州市から家具工房の様子と作者の日常。

突き板について

2016年10月11日 | 日記
私は箱物家具の製作時に「突き板」を使う事があるのですが、この突き板についてお客さんからの質問が多くて、都度説明に苦慮します。なので、今日は写真を交えながらこのブログで突き板について説明してみます。

「突き板」とは、木材の原木を専用の機械でリンゴの皮をむくように薄くスライスしてできた薄板の事です。突き板という呼び名はその薄い木の板をスライサーと言う機械で突くように加工して作る事からついた名前のようです。突き板というより、超薄い木の板と言った方が解り易いと思います。 その厚みは0.2mmから3mmくらい。何故こんなに薄くするのかですが・・木の本来持っている収縮や反りといった性質を無くす事が主な要因だと思います。

私が3年くらい前に訪ねた福岡県大川市の突き板工場で撮った突き板の写真です。

これがスライサーで加工したばかりの突き板、ペラペラです。しかし全て天然の木材。うえのオレンジっぽいのが多分チェリー、その下がウォールナット、その下の白っぽいのは解りません、メープルかな。

このペラペラの天然木材を下地に貼り付けます。

一枚一枚丁寧かつスピーディーに張られていきます。熟練のなせる技。  そして、出来たのが突き板を用いた、突き板合板です。

これがブラックチェリーの突き板合板。突き板の貼り方にはランダムマッチとかスリップマッチとかいろいろあって、家具の仕様によっては突き板屋さんに貼り方を依頼する場合もあります。

この突き板合板に芯材を張り合わせ、家具パーツの一部として使用する訳ですが、解りにくいので完成した家具を例に説明しますと・・・

これはブラックチェリーの茶箪笥ですが、ガラス戸の建具や、引き出し部分は無垢材(原木から切りだした木材)ですが、箪笥本体の内部や側面は突き板を用いた構造です。

本体側面は突き板ですが天板は無垢材です。双方とも表面は木材なので、プロでも見分けるのは難しい。木材・無垢材を主とした展示販売型の家具店に展示されているキャビネット類もこのやり方で作っているお店は多いと思います。

突き板やそれを用いた家具構造についてはある程度御理解いただけたかと思うのですが、ひとつの家具を作るのに、何故こんなややこしい製作方法を取るのかと言う事ですが・・ それは原木から切りだしたままの無垢材でキャビネットなどの箱物家具を作ると木材の収縮や反りなどが発生して、引き出しや、扉などの建具が機能しなくなる事があるからです・・・と、いうのは少しウソで、木材の収縮や反りを各種木工技法で抑えたり矯正しながら、無垢材だけで見事にキャビネットなどを作る事は出来ますし、それをされている職人さんも多くいます。
このあたりは、コストパフォーマンスを含めた極めて技術的な問題なのですが、ただ部分的に突き板を用いた家具の製作技術は決して簡単なものではなくて、また以後の家具の強度や耐久性も十分に担保できる品質のものです。要は適材適所なのです。

お客さんと話していると、無垢材=高品質。 突き板=低品質。のような誤解をされている方が多いように感じます。しかし、上に書いたように突き板は良質な原木を利用して作った高級資材です、更に手間暇かけて加工するので非常にコストの掛る製作手法でもあります。しつこく書きますが、適材適所なのです。
少し技術的な話になりますが、量産家具に多いポリウレタン合板やプリント合板と突き板合板を混同されている方も多くいるようですが、このあたりは更に説明の難しいところです。舌足らずに終わります。


家具工房treehouse  オーダー家具設計・製作
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tel 050-3703-8391   e-mail treehouse@ac.auone-net.jp
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