大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

9月県議会報告Ⅱ

2016年10月10日 | 記事
■討論①…上関原発問題
 10月7日、9月県議会最終日。6常任委員長の報告を受けて、河合議員(共産・山口)が藤生土木建設委員長(自民・山口)に対する質疑を行った後、各党の討論に入りました。
 8月3日に山口県が行った、中電による公有水面埋立免許の延長申請を「許可」するという暴挙を受けて、今議会は基地問題とともに上関原発建設推進問題が最大の焦点となりました。討論はこの問題を中心に、反対の佐々木( 社民・宇部)、賛成・林(自民・下関)、反対の木佐木(共産・下関)、賛成・先城(公明・下関)、一部反対の合志(保守系一人会派・山口)の5県議が登壇。多くの傍聴団が見守る中、拍手や時には怒号も飛ぶ、緊迫した雰囲気の中での討論と採決が行われました。
 私の「原発問題」での討論は、以下の通りです。

▼再稼働と新増設…全く別次元
 請願第3号及び5号は、上関原発の新設計画に係るものです。
 この問題では、先程の河合議員による土木建設委員長への質疑の中で、重要な問題がほとんど審議されていないことが明らかになりました。これも踏まえて討論を続けます。
 上関原発計画に係る「公有水面埋立免許の延長申請」を、山口県が許可したことについては、今議会で喧々諤々、質疑が行われました。
 突き詰めて整理すれば、「原発新設のため、埋立を続行する必要があるか、ないか」が問われているのです。
 情報公開で入手した審査資料によると、山口県が「必要あり」と判断した理由は、「処分時点においても、また、処分時点の将来の見通しにおいても、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけがあると評価できる」という論立て・理屈であります。
 その根拠として…
①国の文書により、上関原発に係る重要電源開発
 地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの見解が示されたこと。
②現行のエネルギー基本計画に、原発の新増設は
 明記されていないが、原子力は「重要なベースロード電源」と位置付けられている。
③二〇三〇年における電源構成に占める原発の比率が22~20%とされていること。
 この3点をあげています。
 まず、「重要なベースロード電源」と原発比率の2点については、上関原発の必要性の論拠とは全くなりません。

 この2点は、財界など原発推進を悲願とする「原子力村」の圧力に屈した国が、「再稼働」を合理化するために必要だっただけです。
 だからこそ、エネルギー政策の責任者である経産大臣も、行政府のトップであるあの安倍首相でさえも、「現時点で新増設は想定していない」と言明していることは、何よりの証左であります。

▼「新規」に踏み込む…政治判断
 残るのは、上関原発が重要電源開発地点に指定されているという事実だけです。
 山口県は、この1点で、「国のエネルギー政策上の位置づけがある」と強弁され、開き直っておられますが、「地点指定」制度は、元々、指定された地点の電源開発に必要な手続きを、円滑化する目的でつくられた単なる「規程」にしかすぎません。
 同僚議員の一般質問に対し県は、「地点指定」制度は、「エネルギー基本計画に定められたエネルギー政策を具体的に進めていくための仕組み」と答弁されました。
 両者は同列でなく、「基本計画」が上位にあることを、認めたわけであります。
 単なる「規程」にしかすぎない「地点指定」制度の上位にあり、国のエネルギー政策を律するエネルギー基本計画から「原発の新増設」の記述・文言が消滅した事実を直視すれば、少なくとも処分時点で、原発新設のため、埋立を続行する必要性は全く「ない」ことは明瞭です。
 「ない」ものを「ある」としたのは、山口県のトップである知事による、許されざる政治判断にほかなりません。
 よって、請願第3号及び5号は採択されるのが当然であり、不採択とした委員長報告には怒りをもって反対します。

▼原発回帰…安全神話の復活
 次に意見書第2号、原子力政策に関する意見書は、上関原発に係る公有水面埋立免許の延長申請を許可し、「原発推進」に舵を切った山口県の取り組みを後押しすることに、狙いがあることは明らかです。
 みなさん。お忘れでしょうか。
 歴代政府と電力事業者は「日本の原発は安全」、「5重の安全システムで過酷事故は起こりえない」という「安全神話」を振りまき、全国各地に54基もの原発をつくってきました。
 少なくない専門家・技術者が地震・津波によって、全電源が喪失し、過酷事故が起こり得ると警鐘乱打しても、何の手立ても打たず、「安全神話」にドップリ浸かり、あぐらをかいてきました。
 そして、五年半前の二〇一一年三月、東日本大震災による大地震と津波により、東京電力・福島第一原子力発電所で、「全電源喪失」による「メルトダウン・炉心溶融」という過酷事故が引き起こされました。まさに「安全神話」が招いた政治災害、人災であります。
 いまなお福島原発の周辺は帰還困難区域が広がり、10万人近い住民が故郷を追われ、地域の復興の目途さえ、立たないままです。
 「炉心溶融」を起こした福島原発1、2、3号機では、溶融した核燃料の位置すら不明で、廃炉に向けた作業は困難を極めています。
 放射能を帯びた汚染水処理も、コントロール不能で、一部が海洋に垂れ流しされる始末です。
福島原発事故は、収束の目途も、廃炉の目途もたたず、必要とされる経費は数十兆円規模で膨れ上がりつつあります。
 このように原発事故は、「社会的にも、時間的にも、空間的にも」計り知れない、他の災害と比較にならない被害を及ぼします。
 しかも、世界でも有数の地震国・日本では、そうした事故が発生する危険性を避けることができません。幸運に恵まれ、事故が避けられたとしても、稼働すれば否応なく造り出される「高レベルの核燃料廃棄物」の処理方法が、確立していないという致命的な欠陥があります。
 少なくとも地震国・日本においては、安全な原発はあり得ません。共存することは不可能であります。
 だからこそ国民・県民の多数が「原発ゼロ」の日本を求めているのです。
 意見書の文案・文言は饒舌に、様々な事柄が記されていますが、すべて原発の「安全神話」に立ち、「原発回帰」をめざした絵空事にすぎません。
 この意見書を採択することは、後世に禍根を残すことになります。
 よって、日本共産党は、断固、反対します。
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