狐・狸・祭

フラメンコの故郷よりマイペースに発信、カンタオーラ小里彩のブログです

ペリーコ・エル・パニェーロ!

2016年11月19日 09時43分34秒 | 日記
アルヘシラスのカンタオール、ペリーコ・エル・パニェーロ氏がドミンゴ・ルビチのギターで歌うと聞き、早速夜の街に繰り出しました。会場となったサンクチュアリ、ペーニャ・ラ・ブレリアは今年でなんと40周年とのこと!

ペリーコ氏のお父様は大変なアフィシオナードでとても歌が上手だったにもかかわらず自身がアーティストとして活躍することは嫌い、数多くのアーティストの友人や身内の輪の中だけで歌っては皆をうならせる存在だったとか。とくにソルデーラやパコ・バルデペーニャと親しくしていたそうです。一体どんな歌を歌ってくれるのか・・・。期待は膨らむばかり。

観客の中には若手からベテランまでヘレス内外からやってきたアーティストの姿も数多く見られました。満席、立ち見でいっぱいの会場を奥へ奥へ進み、高まる胸を抑えて舞台が見える場所まで行き着きました。

遠目に見えるペリーコ氏はひょろりとした長身に黒目がちなやや凹んだ瞳が印象的。神経質そうな繊細さと、どっしりと小気味良い図太さを兼ね添えた堂々たる姿がとてもかっこよかったです。一部ではソレア、タラント、タンゴ、ファンダンゴを歌ってくれました。高音ながら渋く光る声質はどことなく録音で聞いたいにしえのトマス・パボンのカンテを思わせます。熟成した古さのある良質なカンテの数々・・・・これで1974年生まれということは私とたった4歳違いかあ(´Д` )こんな素敵な方がまだいるんですね!心の底からありがたや・・・・。

また、夏の野外コンサートや劇場もよいものですが、秋深まる中このような良い歌をヘレスのペーニャで聴けるということも嬉しかった。なんといっても観客の耳も目も肥えた中で聞くため演者も気合が入ることに加え、周りの反応のツボから学ぶことも多いです。

続く二部では冒頭にソレア・ポル・ブレリア。すでに一部を終え喉が温まったのか、より一層美しさを増した声でコンパスの中を自在に泳ぐ好演技でした。そして「今日会場に来てくれているギタリスト、ニーニョ・ヘロとアントニオ・イゲロに捧げます」と挨拶して歌い始めたシギリージャ!見事な深い深いケヒオに聞く方もすわ呼吸困難に陥りつつ、最後のマヌエルトーレのレトラはまさに圧巻でした!そして、ドミンゴのリクエストがあったとのことで歌ってくれたトナもこれまた素晴らしかった。(古くはアルヘシラスで鍛冶屋を営んでいた家系ということです。)

そして・・・・!ついに待ちに待ったブレリア!座って歌い始めたので「どうかな」と思っていましたが中盤でスックと立ち上がりマイクを縦にした時には「キタ━(゚∀゚)━!」とまさに←このマーク状態でした(きっとみんなもそうだったはず・・・・)。しかしここで焦らず慌てず!ファルセータで場の空気が整うのを待ちます。そして徐々に短いレトラから歌い始めながらまるで一流の闘牛士のように無駄なくコンパスを動くバイレの所作の美しいこと!そしてさらに。。。。後ろにいたパルマ叩いていらっしゃった方のお一人、出てきた時から「もしやそうかな~」とは思っていたのですが「弟(兄?)のホセの歌もお耳に入れましょう」との紹介で小柄な男性がはちきれんばかりのアルテとともに前面に飛び出てきて歌い踊り始め・・・・・ユーモラスでありながら深い、生粋のヒタネリアが発露した瞬間がそこにありました!
そして兄弟二人の息の合った歌と踊り。それぞれの異なる個性が融合して所狭しと舞台から溢れ出るアルテがペーニャ中の会場を満たし、空気を大きく動かしていくのを全身の細胞で感じつつ、皆総立ちで拍手を送りながら最後はアンコールの大合唱となりました。

ペーニャ・ラ・ブレリアのみなさん、ありがとうございました!



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