読む日々

テーマばらばらの読書日記

ヨハネスブルクへの旅

2016-10-19 | 絵本
「ヨハネスブルクへの旅」ビヴァリー・ナイドゥー作  もりうちすみこ訳  橋本礼奈画



妹が病気で弱っていく姿を見た少女が、弟と共に300キロ離れたヨハネスブルクで住み込みで働く母のもとへ向かう。
途中、オレンジ農園で働く少年に助けられたり、ヨハネスブルクへ似網を運ぶトラックに乗せてもらったり、バスで知り合った女性は母を知っていたり。

白人の家庭で働く母と共に妹が待つ家へ戻ることに。前日はバスの女性のところへ泊めて貰い、そこでアパルトヘイトについて初めて見聞きする。

なんの疑問も持たずにいた虐げられた生活が疑問に思えてきた少女。彼女は1歩を踏み出そうとする。



色々考えさせられる1冊。
人間は決して生まれつき平等ではない。
私が学校に通ってた頃はまだアパルトヘイトがまかり通っていて試験問題に出た記憶も。
今はこの子のような人のが大人になって国は変わったのかな?
ちょっと調べてみたいな。

妹はぎりぎりのところで助かったけど、病院で出会った若い女の人の赤ちゃんは残念なことに。

ブルース

2016-10-19 | 小説・現代
桜木紫乃「ブルース」

指を6本持って、娼婦の母のもとに産まれた博人。様々な女性と関わりながら釧路の裏社会を牛耳る人になる。

いろんな女性と関わるけど、結婚したのはスナックをしくじった不細工な女、まち子。
その娘の莉菜が、写真家として羽ばたこうとするところで物語は終わる。莉菜のフランス人の元恋人に刺されるんだけど。  
長いスパンを描いた連作の中で、一番博人を理解できてたのは、実は身体の関係のない、娘の莉菜だったのかな。母のまち子も素敵だけど。

読んでいて明るい気分には決してなれないけど、読後感は悪くない。読み終えるのに珍しく10日くらいかかったかな。

満足度90