ひたむきってどっち向き?

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高校生の病院見学会 in 常陸大宮済生会病院

2017-02-25 22:13:46 | 教育
H29.2.25に常陸大宮済生会病院で高校生向けの病院見学会が開催された。

参加者は私立清真学園高等学校(鹿嶋市)の医療ゼミに所属する1年生8名。
同じ医師不足地域とはいえ、県東の鹿行(ろっこう)地域の高校生がなぜ県北地域の病院に?
実は同校卒業医師の永田博之先生が医学部進学を目指す後輩たちに医療の現場を体験してもらおうと招待してくれたもの。

【本日のメニュー】
(1)院内見学
外来、救急室、薬剤部、検査室、放射線科、手術室、病棟、リハビリ室、栄養科、病診連携室、事務局など、患者の迷惑にならない範囲で院内のいたるところを見学。


例えば薬剤部では、①体格により薬剤の量を調整すること、②すり潰したほうが飲みやすい場合と潰してはいけない薬のこと、③抗がん剤を点滴にミキシングする時などは飛散しないよう陰圧室で行うなどなど、各所でたくさんのことを教えてもらった。


放射線技師、検査技師、看護師長、事務など多くの職種の担当職員から説明をしてもらい、医療は医師以外にも様々なプロが補完し合いながら成り立っているということを感じ取ってもらえたと思う。

(2)実習(超音波エコー、内視鏡)

協力してくれた安達伸先生は高校生にエコーの使い方のコツを丁寧に教えてくれた。体の部位によって使う先っちょ(プローブ?)が変わってくることや、どこにどんな臓器があるか解剖学的な知識と何度も練習しての慣れがなければ把握不可であることなど様々なことを教えてもらった。私も模擬患者で参加。脂肪が厚くて見えづらくてゴメン。


内視鏡は永田先生が直々にレクチャー。手元の機器の扱い方や動かし方がなかなか・・・


ちなみにお昼は栄養士から病院食についてのランチョンセミナー。経管栄養(口から食べられない患者に鼻などから管で注入)に用いる高カロリー流動食の試飲も。ほどよく美味しかった。

(3)講演&ケーススタディ

まず、①県北医療センター高萩協同病院の岡崎有香先生から、県北で産婦人科医として働くたいへんさややりがいについて、②永田先生から常陸大宮市や北茨城市での勤務経験を踏まえた県北地域の医療事情、③鈴木看護部長から常陸大宮済生会病院医療提供について説明を受けた。
高校生たちのホームである鹿行地域に匹敵する医師不足や、やたらデカい医療圏、高齢化&経済問題など様々な地域性を教えてもらった。


それらのお話を踏まえ、2チーム(常陸大宮班&北茨城班)に分かれ「勤務医として市民に愛される病院づくりのためにすべきことは?」についてケースワークを行った。
訪問診療に力を入れる」とか「患者のバックグラウンドまで見て密に接する」とか大人顔負けの意見が出てくる。


発表もかなりキツめの質問も出て盛り上がった。まさにサンデル先生じゃなく永田先生の白熱教室。高校1年生からこのような手法でディスカッションする機会があることは末恐ろしくもあり期待もできる。

【まとめ】

自治医大5年の茂木さんも後輩たちのために遠く栃木から駆けつけてくれた。実は茂木さんは高校生の時、自治医大生だった安達先生(写真右)が清真学園高に心肺蘇生のレクチャーに来てくれたときに参加し、それがきっかけで自治医大を目指すようになり、もう少しで現場に出ようとしている。
永田先生はじめご協力いただいたスタッフの皆さんも、子どもたちが我々と同じように地域で活躍する医療従事者になってほしいと願って、忙しい中でも快く協力してくれている。

盛りだくさんの内容だった。今日見て感じたことや新たな発見を、これからの勉強の糧にしてもらいたい。

【参考】
(1)高校生向け病院見学会 in なめがた地域総合病院
http://blog.goo.ne.jp/digital-cube/e/b88392eec7d071f2c5d31f4a2c8e07b6

(2)医師の学校訪問 in 清真学園高校(永田先生編)
http://blog.goo.ne.jp/digital-cube/e/10ae6f01dec3e0821d51fa4e52b6c23d

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