とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「沈黙-サイレンス-」 (ねたばれ注意)

2017-02-03 23:59:00 | 映画
マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の原作と出会って28年、ようやく映画化を実現した作品。
考える要素が沢山、詰まった素晴らしい作品だった。

「生きる」とはどういうことかという意味で、自分が信じていたものが揺らぐことはあるだろう。
そのときに様々な苦しさがあっても、キチジローのように「生きる」ことを最優先する強さが欲しいと思った。

また、江戸時代の長崎の人にとってのキリスト教が本来のキリスト教とは違ったものになっていたとしても、
生きるために必要な形に変化していったということだろう。
それが宗教であったとしても、情報は受け取る人が解釈するものであり、発信者の意図はきっかけに過ぎないことを意識すべきだ。
宗教の教えに普遍性はあっても、教えの解釈には地域や時代によって、違いが生じるということだ。
更に言うと、個人によっても、その瞬間瞬間で解釈が異なることさえあり得るだろう。

人間の弱さに向き合ったうえで、結局は「生きる」ための道具でないとどんな思想も、救いにならないのではないか。
「生きる」ということが、時として、自分を犠牲にしてでも、他人に「生きて欲しい」ということになることもあるかもしれない。

題材として、宗教を扱ってはいるものの、「自分が信じること」と置き換えると、非常に普遍性のある作品である。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:沈黙-サイレンス-
原題:SILENCE
製作年:2016年
製作国:アメリカ
配給:KADOKAWA
監督:Martin Scorsese
主演:Andrew Garfield
他出演者:Liam Neeson、Adam Driver、Ciaran Hinds、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松奈菜、加瀬亮
上映時間:165分


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