崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

『雀様の学問と人生(참새님의 학문과 인생)』

2014年03月28日 05時16分05秒 | エッセイ
 ある大学で韓国語を教えている教員が私の韓国語の拙著『雀様の学問と人生(참새님의 학문과 인생)』(民俗苑)をテキストにしたいとの連絡を受けた。教材や読み物として評価されたことが嬉しい。その本は私の成功物語りではない。むしろ数多くの失敗談や苦労話である。特に韓国と日本での失敗と反省の話が多い。ただその事実を綴ったものではない。考え、思索したエッセイ集である。昔の有名な詩人の友人が出版社を経営した時エッセイ集を出して以来のものであった。そのタイトルを拝借して『雀様が語る日本』(新典社、2013)の出版の機会にもなった。
 いま書き下ろしが終わったばかりの原稿がある。「私が生きてきた朴正熙時代とセマウル運動」に関するものである。私の経験と思索したものに基づいて書いた。それは記憶によるものであり、記事などをモザイクしたものではない。しかしメッセージ性はあるかと思う。近現代史において日韓は歴史、政治、経済などでいかに密着していたかを客観的に把握すること、特に韓国において稲の品種改良、セマウル運動は日本起源ということを明らかにしたい。客観的という私の姿勢は冷静という「冷えた」状況だけを意味するものではない。偏頗や味方とは異なる深い愛情をもつ「暖かさ」が横たわっていることを読みとってほしいと思っている。

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