崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

丁田隆氏の博士論文

2017年12月19日 06時02分40秒 | 日記

 1960年代末私は若い文化財専門委員として政府のセマウル運動に精神的に葛藤した。済州道庁の伝統的な村祭堂を破壊したという報告を受けて大変困った。ソウルに戻って記者たちに文化財として保護の必要性を訴えて新聞に寄稿した。迷信打破が何か、何を保存すべきか、何を破壊すべきか、悩んだ。民俗総合調査報告にその実態を書いた。しかしその島の地元学者をはじめ反応がなかった。しかしそれに注目した博士論文が出た。現在韓国昌原大学校の丁田隆氏のハングルの博士論文を読んで新鮮な衝撃を受けた。正に彼は私の当時の悩みを理解し、博士論文のヒントとしている。昨日通話した。竹田旦先生のお弟子さんである日本民俗学者であるとのこと。楽しく話した。
 昨日のワンアジアの講義は東亜大学の西澤信善教授によって東南アジア、アセアンを中心に経済学から見たワンアジア共同体が話された。ロシア革命以降、社会主義の影響が強いことを指摘された。国家主導の計画経済の効果、市場経済の影響などが分かって良かった。市場経済をめぐる瀧田准教授のコメントを挟んで私が国家の独裁開発、人間の幸福問題まで引き出し討論する時終わりの鐘が鳴った。来週は北朝鮮問題になる。市民の参加を待っている。