中国分がんこなパン屋

食い物について思うこと、趣味の音楽、山のこと。

無計画停電あるいは原発存続作戦計画停電 1

2011-03-31 | Weblog
私の住む千葉県市川市は計画停電の第2グループでけっこう停電している。朝6時台と9時台に停電の予定があるときは怖くて店を開けられない。3時間停電するかもしれないからだ。それで、今まで一週でひとまわりだった営業を計画停電に合わせ5日でひとまわりにしたがそうすると休みが5日周期になってしまい、今までの何曜日が定休日というふうに行かなくなってしまう。いままで休みだった日、月、木に店を開けてもお客さんにはなかなか浸透しにくいらしく開けるのがばかばかしく思えるのと生活のリズムが狂うためか体の調子も今ひとつだ。そんなことでやはり一週単位で営業し、午前に停電がありそうなときはもう休んでしまうことにした。東電に振り回されることはやめるのだ。と、家はもう家賃も学費もないからこんなこと言えるのであって、そうでない自営業の人は大変だろうと察する。そんなの被災した人に比べたらたいしたことない、わがままだとか言う声があることは知っているし、非常時であるので不便も仕方ないと覚悟はしているが、被災者に言われるならともかく停電しないオール電化の家に住んでる人に言われるとむかつく。今回の停電で23区が除外になっているのは東電はじめ電力会社が推進してきたオール電化の家が多いからではないのかと勘ぐりたくなる。


犠牲になるのはいつも下請だ

2011-03-24 | Weblog
3号機で3人被ばく、2人搬送…水が付着か(読売新聞) - goo ニュース

協力会社なんて言い方してるけど下請、孫請でしょ。卑怯者。
メディアも腰抜けだ。
安全な場所から号令かけるだけで自分では危険なところには行かない。
戦争をすると決めるやつと戦場に行かされる兵士の関係と同じだ。
自分で行け!

放射能漏れに対する個人対策

2011-03-21 | Weblog
山内正敏
スウェーデン国立スペース物理研究所(IRF)
放射能漏れに対する個人対策

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放射能漏れに対する個人対策

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放射能に関して、 放射線医学総合研究所(事故対策本部に加わった組織)を始めとして、多くのメディアや研究者が
『現在の放射能の値は安全なレベルである』
という談話を発表していますが、残念ながら、どの組織も
『どこまで放射線レベルが上がったら行動を起こすべきか(赤信号と黄信号)』
を発表していません。これでは近隣地域の人々の不安を払拭する事は出来ないと思います。行動を必要とする危険値や警戒値を語らずに『安全です』と言ってそれは情報とは全く言えないからです。これは我々が取り扱っている宇宙飛翔体での管理についても言える事です(その為に宇宙天気予報があります)。
 そこで、少々荒っぽいですが、行動指針を概算してみました。科学的に厳密な予測は気象シミュレーションや拡散条件など多分野に渡る計算を必要として、短い時間にはとても出来ないので、多少の間違いもあるかも知れませんが、緊急時ですので概算をここに公表します(3月19日現在)。


先ず第一に、刻々と変化する放射能に対してどう判断するかです。色々な研究所が上限値を出していますが、これが総量である事が問題です。というのも測定値は1時間当たりの値だからです。とりあえず、総量100ミリSv(Svはシーベルト)という数字で考えてみます。この数字は原子力関係者が平時に受けて良いとされる政府基準・東電基準で(国際基準は500ミリSv)、更に妊婦を除く大人が受けても大丈夫と科学的に示されている値でもあります( R.L. Brent の2009年のレビュー論文を参照)
 気がついてから脱出まで半日かかるとして、かつ状況が刻々と悪くなる事を考慮すれば、危険値は100時間で割るのが妥当ですから、
(1) 1000マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
という事になります。しかしながら、この値になって行動すると云う事はパニックを意味します。現在の値の変動幅を見るに、一桁の余裕を見れば数日の余裕があると考えられます。逆に言えば、1割以下の量を超えた段階で行動を開始するのが妥当で、
(2) 100マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
という事になります。


第2に、妊婦に関する特別な考慮です。事故対策本部の放射線医学総合研究所に100ミリSv(総量)で大丈夫とありますが、これは正確ではありません。上にあげた R.L. Brent のレビュー論文(2009年)によると、100ミリSv(総量)というのは、1%以上の人が影響を受ける値です。つまり、安全値というより、むしろ、これを越えると有為な差があるという危険値です。論文のTable 5 や Figure 4 論文を見ると、安全と言い切れるのは5ミりSv(総量)以下で、そこから100ミリSv(総量)まではグレイゾーンです。現に、大人の場合、同様に『1%以上の人に明らかに影響がある』と言われる1000ミリSv(総量)に対して、原子力従事者の安全基準は1割の100ミリSv(総量)です。普通の人が毎年放射能を受ける訳でない事を考えても、3割以下で安全と考えるのが妥当で、その事は上記論文の Figure 4 からも見て取れます。ということは、
(3) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、300マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、30マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
となります。
逆に言えば、(2)や(4)の1割以下(普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時)なら安心して良い事になります。


第3に、距離との関係です。チェルノブイリで問題になったのは事故現場からの直接放射でなく、そこで発生した高濃度の放射性噴煙が移動しながら出す放射線でした。福島原発の場合。燃料棒が壊れているという事ですから、焚き火での焼けぼっくいと同じく、マイクロスケールでの爆発を繰り返して、それが放射能の濃淡を作っています。現に現場付近では、初期の値は大きく変動していました(今は飽和しているから一定値になっている)。この手のマイクロスケールの高濃度放出は自然界では普通に起きている事で、それ故に科学者でなくても多くの人が『そんなものだ』と感じています。このリスク計算がありません。
 地表と違って上空100mを越えると風は安定的にかなりの速さで吹いています。その場合、だいたい10m/秒という見積もりが良く(10km上空は50~100m/秒です)、この速度だと、高濃度の放射性ダストは(サイズにもよりけりだけど)数時間は拡散せずに放射能を出し続けます。10m/秒とは時速約40kmに相当します。そのようなダストは原発現場でも高濃度の放射能を出しますから、現場で非常に高い値を記録したら、その風下の人間は緊急に室内に退避しなければなりません。その警報が届くまでに2時間見積もる必要があり、そこから80km圏という数字が簡単に出て来ます。ちなみに、こういう警報は日本語で出されますから、日本人(現状では1時間以内で対応すると思われる)と外国人とでは避難の速さが違い、その為に日米での退避半径が違うと考えられます(もちろん、避難範囲を広げると国が後日保証しなければならない人が多くなる、という事情もあるかも知れませんが、そういう政治的・裁判手管的考察はここではしません)。
 さて、では福島原発での放射能の値がどれだけ上がったら室内退避をすべきでしょうか? この場合、原発での測定が一ヶ所であることを考慮しなければなりません。局所的な高放射能雲なので、一桁の誤差を見積もる必要があります。雲が居住圏にジグザグしながら浮遊するとして(例えば朝凪夕凪)、2時間を想定すれば50ミリSv/時が危険値であって、その1割が警報発令の値という事になります。即ち
(5) もしも原発の場所で5ミリSv/時を越えたら風下100km以内(左右60度の扇形)の人は至急屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する。
となります。

written 2011-3-18 (revised 3-19)
山内正敏
スウェーデン国立スペース物理研究所(IRF)
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単位について(Gy と Sv)

Sv = Q x Gy

で大抵は Q=1 です。但し、ソースの近く(原子炉の近くとか、放射性ダストの近く)では中性子の事があり、その場合はQ=10です。