思いがけず時間の突端に立っていることに気づかされる瞬間がある。
風が吹きつける。風はぼくの輪郭を浮き上がらせてくれているのだと思っていたが、今日は違う。どうしようもなく逃れ難いものでないものが、あたかも逃れ難いものの一部のような顔をしてこんなにもまとわりついていたんだよ、ほら、と片っ端から吹き飛ばして見せてくれたのだ。そうしてみると、逃れ難い自分の一部と思えていた自分自身の輪郭の内側である肉体や精神ですら、ほんとうに逃れ難いのかが揺らいでくる。脱ぎ捨てることはできない。だがこれは変転するのではないか。可塑性があるのではないか。改造して可用性を高められるのではないか。肉体の機動性は上げられる。心の透明度もきっと上げられるのではないか。それよりも何よりも、今この場所はここより少しでもとおくへ行くための最前線なのではないか。最前線だということを、輪郭で知る。見回すと池の周りの水性植物群と水鳥たちとそれを囲む照葉樹林が、それぞれ別の道をとおって同じように時間の突端に立っていることが突然了解される。
風が吹きつける。風はぼくの輪郭を浮き上がらせてくれているのだと思っていたが、今日は違う。どうしようもなく逃れ難いものでないものが、あたかも逃れ難いものの一部のような顔をしてこんなにもまとわりついていたんだよ、ほら、と片っ端から吹き飛ばして見せてくれたのだ。そうしてみると、逃れ難い自分の一部と思えていた自分自身の輪郭の内側である肉体や精神ですら、ほんとうに逃れ難いのかが揺らいでくる。脱ぎ捨てることはできない。だがこれは変転するのではないか。可塑性があるのではないか。改造して可用性を高められるのではないか。肉体の機動性は上げられる。心の透明度もきっと上げられるのではないか。それよりも何よりも、今この場所はここより少しでもとおくへ行くための最前線なのではないか。最前線だということを、輪郭で知る。見回すと池の周りの水性植物群と水鳥たちとそれを囲む照葉樹林が、それぞれ別の道をとおって同じように時間の突端に立っていることが突然了解される。









