長寿県として有名な沖縄、一方で“肥満県”!? 厚生労働省の国民健康・栄養調査の5年分(平成18〜22年)の分析から地域の「健康格差」が明らかになった。ただ、若い世代の食生活の乱れは全国共通の課題のようだ。(戸谷真美)
◆理由は「不明」
「健康や太ることを気にしない人が、特に男性は多いかもしれない。移動はほぼ車。自転車に乗る人も大人では少ない」。沖縄県糸満市の調理師、東江真輝(あがりえ・まさき)さん(29)の印象だ。
厚労省の分析によると、男性の肥満者(20〜69歳、BMI=25以上)の割合が45・2%(全国平均31・1%)の同県。脂質エネルギーの摂取比率の目安(成人)は20〜25%だが、沖縄では3人に2人がこの基準を超え、30%超が4割近い。
同県健康増進課は「脂肪分を取り過ぎるのは以前から認識しているが、正確な理由は分からない」。考えられるのは、(1)気温が高く食材が傷みやすいため、油で揚げる調理が多い(2)煮物、蒸し物といった料理が家庭で一般的でない(3)米国の食文化がいち早く流入した−ことなどがあるという。
長寿県として知られるが「昔はイモを主食に食べたり、肉を煮るにも何度もゆでこぼすなど手間をかけたりする人が多かったが、若い人はそこまでする人は少ないのでは」(同課)。県では飲食店に情報提供を行うほか、幼児期から食育に力を入れるなど改善に向けた施策を展開している。
◆野菜が身近に
同じく長寿県の長野県。1日の野菜摂取量は20歳以上の男性で379グラム(全国平均301グラム)、女性も353グラム(同285グラム)で全国トップだ。男性の肥満者の割合も全国で8番目に低い。「農業県なので家で作ったものを食べ、直売所も多い。野菜を身近に感じている人は他県に比べて多いかもしれない」と県健康長寿課。お茶のお供にも煮物や漬物など野菜が出される。ただ、塩分が過剰なのに加え、「野菜がたくさんとれているのは50代以上」。県の19年の調査では、60代が1日450グラム以上の野菜を食べていたのに対し、20〜40代では約260〜310グラムにとどまる。
肥満者の割合は22・1%と全国一低い山口県。県では食生活が乱れがちな20、30代向けに事業所でセミナーを開くなどしているが「生活習慣に特徴は思い当たらない。少し意外な結果でした」(同県健康増進課)。
ただ、県の22年の調査では「自分の適正体重を知っている」人が76%、「質・量ともにバランスの取れた食事をとるよう心掛けている」人も65%と、食生活に対する意識は高かった。
■地域差は縮小傾向
青森県立保健大学の吉池信男教授(栄養学)は「今回の厚労省の分析結果は標本調査であり、サンプル数も限られているのであくまで目安」としたうえで、「20年前に同じ比較をやっていたら、もっと地域差は大きかったはず。特に若い世代では地域差は縮小傾向にある」とみる。沖縄県の肥満者の割合の高さについては「遺伝的な背景が違い、BMIが高いから即不健康とは言いきれない」と指摘。グラフの値を中心に示した横軸はサンプル数の違いなどによる誤差範囲(短いほど値の精度が高い)。「誤差を含めて考えれば、現時点で上位には入っていない地域も順位が上がる可能性は高い」と注意を呼び掛けている。
【用語解説】BMI…体格指数。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値。日本肥満学会の判定基準では22を標準とし、25以上を肥満としている。(産経新聞 2012年2月14日(火))
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120214-00000523-san-soci










