ケアネットは12日、同社が運営する医師・医療従事者向け専門サイト「CareNet.com」の医師会員に対して実施した、「医療における"ヒヤリハット"に関する調査」の結果を発表した。
"ヒヤリハット"とは、医療事故には至らないが、場合により事故に繋がった可能性があるエピソードのこと。今回の調査は、12月2〜6日の期間にインターネット上で行われ、同社医師会員1,000人から有効回答を得た。
まず、日々の診療における"ヒヤリハット"の経験について、過去1年間で最も近い頻度を尋ねたところ、「週に一度程度」が7%、「月に一度程度」が26%となり、これら2つを合わせると、3人に1人が月に1度は"ヒヤリハット"を経験していることが判明。一方、「なし」との答えは13%にとどまった。
次に、どんな場面で"ヒヤリハット"を経験したかを質問すると、最も多かったのは「薬剤の処方・投与」で56.5%。具体的な内容については、「小児に成人量を処方しかけた」「散在の含有量(%)計算を一桁間違えた」などの回答が寄せられた。また、「前の患者のカルテ画面のまま入力した」「目的のボタンを押したつもりがずれていた」など、電子カルテに関するエピソードも多く見られた。
2位は「治療・処置の誤り」(25.7%)で、ある医師からは「手術終了時にガーゼカウントが合わず最終的には術中X-Pにて体内にガーゼがあることが判明 回収して事なきを得た」といった告白も。以下、3位「転倒・転落」24.2%、4位「検査」12.0%、5位「ドレーン・チューブ類の使用」6.6%と続いた。
「転倒・転落」に関しては、入院患者の転倒や夜間のベッド転落が頻繁にあるとの声が多く寄せられた。
このほか医師からは、「報告の物理的手間・心理的負担を減らす工夫があれば、まだまだ("ヒヤリハット")件数は増える」との声や、「件数が増えたのは報告するという認識が医療関係者に定着しつつある証拠」といった意見が寄せらえた。一方、「報告数が少ないからもっと出すよう言われる」などの声もあり、施設での取り組み姿勢に左右される場合あることが推察される。 (マイナビニュース 2011年12月13日(火))
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しかし、重大な事故が発生した際には、その前に多くのヒヤリ・ハットが潜んでいる可能性があり、ヒヤリ・ハットの事例を集めることで重大な災害や事故を予防することができる。そこで、職場や作業現場などではあえて各個人が経験したヒヤリ・ハットの情報を公開し蓄積または共有することによって、重大な災害や事故の発生を未然に防止する活動が行われている。
このような活動は、ヒヤリ・ハット・キガカリ活動とも呼ばれる。ハインリッヒの法則は、「重大事故の陰に29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」ということを示したもので、この活動の根拠となっている。
医療におけるヒヤリ・ハット(英語ではMedical incidentと呼ばれる)は、医療的準則に従った医療行為が行われなかった(人的なエラーが発生した)が結果として被害(不利益)が生じなかった事例に使われる。看護学においても、普及した言葉である。また、厚生労働省が発表する「リスクマネージメントマニュアル作成指針」にも定義されている。また、近年医療事故が社会問題に発展する中、「ヒヤリ・ハット」をマスコミ等で「医療ミス」と表現する場合があるが、これは完全な誤用である。
ヒヤリ・ハットの典型例
ある医療行為が実際には実施されなかったけれども、仮に実施したら、患者に被害が発生したと予想される場合。
(例)間違った内服薬を患者に渡したが、患者がいつもの薬と違うことに気づき、実際には内服しなかった。
ある医療行為が実際に実施されたけれども、結果的に患者に被害は無かった場合。
(例)患者は間違った薬を渡されたため渡された内服薬をそのまま内服してしまったが、実際にはそれによって健康被害を起こさなかった。患者からのクレームもなかった。
ヒヤリ・ハット事例の活用
ニアミスが続くと医療事故にもつながる可能性があるため「ヒヤリ・ハット」の事例を記録し蓄積または共有することによって、医療事故の防止・医療安全に役立てられている。
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