2013年「憲法記念日のつどい」は、5月11日(土)午後7時より、下丸子の大田区民プラザ小ホールで開催されました。当日は朝から雨の降るあいにくの天気で、足元も悪く、夜間ということもあって心配されましたが、会場は140人余の参加者で、ほぼ満席に近い盛会となりました。
つどいは、東京南部地区で55年に渡り歌声運動を展開してこられた「南部合唱団」の、歴史と伝統に裏打ちされた、美しいハーモニーと歌声でスタートしました。曲目は、復興支援の「花は咲く」と「憲法9条」「憲法前文」の3曲でしたが、どの曲も心に響く素晴らしいもので、会場は大きな拍手と感動につつまれました。
この盛り上がりの中、講演に立たれた一橋大学名誉教授の渡辺冶さんは、実証的で緻密な論理構成と速射砲の如きその語り口で、いかにも大学人らしい側面をのぞかせると共に、随所にユーモアを交える話術の巧みさを発揮して、聞き手をとりこにされました。
その中で、自民党は結党以来、9条改憲を党是としてきたが、冷戦終結の1990年以降、アメリカも日本の財界も共に、9条改憲強く求めるようになり、安部政権に大いなる期待と圧力をかけてくる中、今日、憲法は戦後最大の危機に直面しており、今これと戦わねば、平和憲法は守り切れないという、おおきな分岐点にあること。9条こそが戦争の危機をなくす「てこ」になりうるのであって、9条に基ずくアジアの非核化、軍縮を推進することこそ、北朝鮮の脅威や尖閣問題の正しい対応の仕方であること。さらには、①9条を守るとの1点で、保守の人々とも共同し、多数派の形成を行うこと。②地域に根付いた運動を展開すること。③新しい社会層の、この運動への参加を求めること。これを実現出来れば、必ず憲法は守れるということに確信を持ってもらいたい。と、あつく、熱く語られました。
最後に、著書のサイン会に長い列ができる中、熱気にあふれ、充実したつどいは、幕を閉じました。
憲法学の渡辺治先生(一ツ橋大学名誉教授).「九条の会」の事務局次長です。会場は下丸子の区民プラザ小ホール(定員180 人)を確保しました。日時は5月11 日(土曜日)午後7時ー9時の予定です。アトラクションに南部合唱団の出演も決定しました。
昨年末の総選挙の結果、改憲を主張する安倍晋三氏が総理大臣になり、改憲派が大半の内閣が発足しました。7月の参議院選挙で改憲を主張する議員が3分の2を超ええれば、たちまち憲法改定のを発議し、国民投票に付されることになるでしょう。
いま中国、韓国、ロシアとの間での領土問題や北朝鮮の核開発強行など、重大な国際問題があります。軍備を増強し力で対抗するが最も愚かなことだと、多くの日本人は身にしみて知っています。憲法九条によって戦後一人の人もも殺し殺されていません。世界の平和にも積極的な役割を果たしてきました。。「築いたら戦争への道をまっしぐら」という事態の再来に、ストップをかけるのは、今です。
(わたなべ・おさむ氏の紹介)東京都生まれ。東京大学社会科学研究所助手・助教授を経て。1990 年からは一橋大学社会学部教授、現在一橋大学名誉教授。
東大社研時代は治安維持法を研究。その後も現代警察研究など治安政策をもっぱら研究していた。80年代にはフィールドを広げ、憲法研究と国家論研究を専攻。憲法9 条を日本の政治経済過程に位置づけて論じた『日本国憲法「改正」史』は憲法学の古典になっている。90 年代に入ってからはグローバル化・新自由主義化・帝国主義化をキーワードに、その日本政治へのインパクトを同時代的に論じている。
「九条の会」の事務局次長を務めている。著作は多数。『日本国憲法「改正」史』(日本評論社)・『憲法「改正」は何をめざすか』([岩波ブックレット])・『構造改革政治の時代__小泉政権論』・『安倍政権論新自由主義から新保守主義へ』・『憲法9 条と25 条・その力と可能性』・『政治学入門』〔新日本出版社〕などがあります。
豊富な資料で身近な戦中戦後の生活を語る
隣接する多摩川台公園の桜も満開となり、多くの方がお花見に繰り出した3月24日午後、「第8回戦争を語りつぐ会」が、せせらぎ公園多目的室で、熱く開催されました。会場には50人近くの方が参加され、満席状態となりました。今回は、スライドやビデオを積極的に用いるという、新しい手法も取り入れて視聴覚資料も充実し、感動に包まれた時間を得ることとなりました。
第一部では、「田園調布の今昔」を、田園調布の生き字引的存在であられる宮門一興さん(戦前から田園調布で建築資材業「宮門商店」を営んでこられました)が書き下ろしてくださいました長文の手記の一部を、当会事務局の小笠原敬子が代読しました。また、宮門さんがお持ちの多くの、戦前からの資料や記録写真を当会事務局の山梨牧子が映像化し、説明に当たりました。そこへ病を押して、ご夫婦で出席下さいました。宮門さん御自身がマイクを取つてコメントされ、質問にも誠に明快にお答え下さったことは、生き生きと語られた手記ともに宮門さんの来し方と田園調布の今昔を鮮やかに伝えて、驚きを通り越して、正に感動でした。
NHKのビデオとお話しで
第二部では、「東京満蒙開拓団」(ゆまに書房)の共同著者の一人であられる藤村妙子さんが、お話下さいました。お話しに先立って、NHKで放映された、シリーズ証言記録「市民たちの戦争」を上映されました。その中では、品川区内の武蔵小山商店街の商店主とその家族1000人余が、国策で開拓団として満州に送り込まれ、戦後帰国できたのは一割に満たなかったという、衝撃的な事実が明かされていました。 お話は、調査、研究をはじめた理由、大田区には、多摩川農民訓練所、多摩川女子拓務訓練所等の開拓団関連施設があったこと等々を、実に淡々と客観的になされましたが、その掘り起こした事実のすさまじさが深く心に残りました。(M)
<参加者アンケート「話を聞いて」>
〇宮門商店は以前からよく知つているが、当主が出てこられて発言されたのには驚いた。文書での発言も素晴らしく戦前戦後の様子がよく分かった。
〇直接、戦争火を浴びた方々の悲惨と苦労は今になって聞いても口惜しく悲しい。私たちは、しっかり日本国憲法(第9条)を守り続ける努力をしなければならないと思います。
〇こんなに身近かなところでものすごいドラマがあったのですね。私の先輩に「父に殴られても反対して中国に行かなかった母に感謝している」とう方がいます。逆に「中国に家族そろって行って父を失い命からがら引き揚げてきた」という方もいます。その現場が…こんなに近くにあったということに驚きました。
〇残念ながら今も福島で棄民が行われています。
〇私は昭和16年徴用され終戦をソ連国境での要塞工事中に迎えた。終戦後3年半抑留された。そのため東京の様子は知る由もなかった。本日の会で日本内地のことを、特に東京のことを初めて知ることができた。満蒙開拓団のDVDは、現地を知っているので強い思いとなった。憲法九条本文をよく理解させ、改憲を唱える政党に対応することをPRすべきだ。
〇九条の危機を心配している人が多い。九条がどうなるのか?本日もそれを聞きたくて来たのですが…アテはずれでした。5月11日(渡辺治先生の講演)に期待します。
第7回
戦争を語りつぐ会
を開きます
忘れまい、あの悲惨な日々、繰り返すまい、
あの愚かな殺し合い
戦時下の小学校生活と学童疎開、そして
戦後の学校教育を振り返って、
貴重な体験をお話しいただきます。
日 時:17日(月・祝日)午後2時~午後4時 (午後1時30分開場)会 場:田園調布せせらぎ公園集会室(多摩川駅出口直ぐ) 資料代:300円
(お話してくださる方) 植島 幹四郎さん略歴 1932年(昭和7年)東京上野に生まれる。 1996年(平成8年) 最高裁判所職員を退職 現在 戦争体験を語りつぐ千束の会会長 最高裁判所退職者の会 会長
(お話してくださる方)大坪 庄吾さん略歴 1934年(昭和9年) 久が原に生まれる1994年(平成6年) 小学校教師を退職 現在 大田平和のための戦争資料展 代表 教科書大田区民の会 代表
2012年憲法記念日のつどいは、5月20日午後1時半から4時まで、嶺町文化セ ンター3階集会室で行われました。
今回は、「講演会」と共に、東日本大震災で被災 した子供たちの支援のため、皆さんから御献品頂いた品々のバザーも行い、子供連れ のお母さんのための保育室も用意するなど、田園調布九条の会としては初めての取り 組みも含め、楽しく、実施されました。
「講演会」は、今年度から、東京23区で唯 1区、大田区だけが採用した、歴史、公民の教科書(育鵬社版)の問題点について、 俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21事務局長)にお話し頂きました。私達が良 く知らない教育委員会と教科書選定のシステム、育鵬社版の新教科書の具体的内容と 問題点、教育の在り方を巡る様々な勢力の動向等、事実を詳らかに話される、その語 り口は、極めて温厚で淡々としたものでしたが、その内容は重く、深みのあるもので した。
そして、お話を伺っていくなかで、教科書問題は単に子どもたちの問題だけに 留まらず、憲法九条の存続そのものに直接かかわる問題であることを、はっきりと認 識することができ、正に、「目からうろこ」の思いの素晴らしい講演でした。
5月6日(日曜日 ) 、正午から田園調布駅頭で宣伝行動を行いました。
「憲法記念日のつどい」(5月20日)の チラシ配りです。参加は12名でした
「教科書問題です」と声をかけると、「大田区だけ?なぜですか」「小学校ですか、中学校ですか」と質問が返ってくるなど、多くの方が関心を示していました。(写真)
チラシは昼の1時間で260余枚を配りました。カンパと署名(9条の会への賛同署名)が集まりました。
駅頭宣伝と並行して行われいる他の宣伝行動も順調に進んでいます。
田園調布近辺の各戸のポストへのチラシ投函(10000枚)は、この日までに、半数以上を配り終えました。
ポスターは、現在までに町会掲示板(5町会)に掲出させていただいているほか、駅前の商店や個人宅にもご協力いただいております。
東急駅(4駅)構内への掲出もスタートしています(掲出期間は1週間)。
大田区報、地域のミニコミ、大手新聞のイベント情報欄にも紹介記事掲載も順次始まっています。
つどいの日(5月20日)に開催のバザーへの献品の反応も上々です。
「チラシを見た。取りに来てほしい」との電話が事務局に何件も届いています。受け取りに行く作業も順次進んでいます。
このバザーでの収益は、「宮城九条の会」を通じて被災者の皆さんにお届けすることになっています。
ポスターをクリックすると大きい画像になります。
バザー用品募集! |
憲法記念の日のつどい(5月20日)の会場で、田園調布9条の会が多摩川マルシェでお馴染みの子ども支援CHILSOの協力を得て楽しいバザーを開催します。
★ ご協力ください★ 対象品:ベビー用品、タオル、おもちゃ、絵本、学習教材、文具、手さげ袋、ママに嬉しいカジュアルなアクセサリー類や日用品など。
★ 献品受付★ 03-3759-5521(駒木根) 電話・ファックス兼用です。。