電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
ぶらぶら店さがし
2017年3月21日
僕の寄り道――ぶらぶら店さがし
昼食営業の飲食店が休憩に入ってしまう午後ニ時から、夜の営業のため店をあける午後五時までのあいだ、その空白の三時間に酒を飲ませる店を探して友人夫婦と足を棒にしてたいへんな距離を歩いた。
この夫婦と昼間飲み歩くと、たいがいさまぁ〜ずの街歩き風になってモヤモヤしてしまう。今回もああでもない、こうでもないと話しながらモヤモヤと路地裏を歩いたら、妙に目についたのが寿司屋の店頭風景で、こざっぱりした店の表情が懐かしく心惹かれることが多かった。
今回歩いた町には飾りを削ぎ落として端正な表情の寿司屋が多い。昔の寿司屋はこうだった。この町が朝鮮半島の料理店が集まった色鮮やかな町であることも、その原因のひとつかもしれない。
「寿司屋も大変だよなあ」
とカメラマンの友人が地味な寿司屋を見ながらしみじみと言う。こう景気が悪いとどんな業種も利潤を削って安売りの生き残り競争になるので、昔ながらの商売はたいへんだろうと言いたいのだろう。だけど昔ながらの商売をつづけて、いまこうして食えているだけでたいしたもんだという見方もある。
店の前で立ち話していたおばちゃんが
「あら、きたない店を撮られちゃった。なんかの取材かしら」
と言うのが背中の方で聞こえ、後ろからのんびり追いついたカメラマン氏が
「いや、きれいだなぁって思って撮ったのよ」
と上手なフォローをしていた。(2017/03/18)
●
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
« 保蟹寺山モク... | 竜爪と竜南街道 » |
大変、恐縮しています。
で、目星はおつきになったのでしょうか?