ジュリアード音楽院の公開講座が7月29日,30日と2日間に渡って第一生命ホールで開催されました.たまたまインターネットで見つけて,どういう内容か分からなくて電話をしたら,公開レッスンでどうぞおいで下さいと大変好意的だったので,参加してみました.29日(月)は自分の歌のレッスンもあるし,昨年書いた拙著に感動したという人と夜に食事の予定があったので,30日のみの参加になりました.第一生命ホールは初めて行きましたが,700人くらいの規模の真新しいホールでほぼ一杯の人でした.
レッスンは8名で午後2時から始まって夜7時まで,途中休憩はありましたが一人30分強の大変充実したレッスンでした.生徒はどの人も大変歌がうまくコンクールに出ても皆上位に入賞するのではないかと思われる人ばかりでした.男の生徒が,米国でレッスンを受けていると壇上で発言がありましたが,皆そう言ったレベルのような感じでプロの卵のような印象を受けました.
それにも係わらずレッスンは,とても厳しく様々な指摘がありました.私は大変参考になりました.先生はボイストレーナーではなく,発声に関する指摘はありませんでした.ブレスしてどこまで続けるのか明確に意識していないとか繰り返しをどのような抑揚で唱うのか,それをちゃんと意識しているかとか,なかにはピアノとピアニッシモを明確に区別できていると褒められた生徒もいました.リズムは常に自分でとっているかという指摘もありました.母音を続けて唱う方法もありました.イーアーイーアーとアリアの歌詞の代わりに母音だけで唱い,ビブラートをずっとスピン,口の形を変えず舌だけで音を明確に変え,滑らかにつなげて唱う練習でした.大変面白いと思いました.大きなポイントは,先生は“プラン”という言い方をされましたが,楽譜をしっかり頭に入れたうえで何処をどのように唱うのか“設計”するのです.これは参考になりました!参加してとても良かったです.
最後のご挨拶も面白かったし,とても有用でした.自分の考えている歌のイメージとピッタリあって,大変有意義でした.9月9日,10日の本選は,時間が取れれば是非聴きにいきたいと思います.
第一回オーディションで優勝された大西宇宙という人は,私はよく記憶していました.というのは,私は声楽を始めてまだ1年半くらいなのですが,日本歌曲の“落葉松”という曲が大変好きで,この曲は男女を問わず様々の人が唱っていて,YouTubeに沢山あります.習い出した頃に,この落葉松の様々な人の歌を聴き比べて,もちろん私の好みですがこの大西氏の歌唱は特に強く印象に残りました.まだ20歳代で米国で頑張っているとの話がありましたが,今後もさらに成長して人類の芸術,文化に多いに貢献してもらいたいと思います.
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