A-note

移転しました→ http://dekubar.blogspot.com/

The Black Mages III は来年3月に予定

2007年12月13日 19時53分22秒 | Game Music
先週のDistant Worldsで植松氏がコメント。
http://www.altpop.com/stc/forums/viewtopic.php?id=3193


前作『The Skies Above』から3年(来年だから4年か)経つあいだに
ロストオデッセイ・ブルードラゴンが発売されたり
福井氏がスクエニ退社したり、DSでFF3,4がリメイクされたりと
TBMの周辺でもいろいろと動きがあるわけですが、IIIの収録曲はどうなるんでしょ。

スラド本家でゲームミュージック談義が

2007年12月10日 17時06分07秒 | Game Music
Slashdot.org:  Twelve Game Music Tracks Worth Keeping
http://games.slashdot.org/article.pl?sid=07/12/06/1621204

Games RaderのGame music worth putting on your iPod(iPodに入れる価値のあるゲームミュージック)
という記事を肴にゲームミュージック談義が盛り上がっているんですが、
その中でもゲーム作曲家に対するコメントのネストが面白いので、幾つかピックアップ。

―光田康典
彼を嫌いな人もいるかもれませんが、彼のスコアにはリスナーを引き付ける確かなスタイルが宿っています。
『Xenosaga』のオーケストラスコアは非常に野心的です。
注目すべきスコア:Chrono Cross, Xenosaga Episode 1

―下村陽子
彼女の欠点は、ときどきクオリティの低いサンプルを使用するところです。KH2では顕著でした。
しかしそれを除けば申し分ないクオリティで、特にLegend of Manaのエンディングはファンタスティックです。
注目すべきスコア:Legend of Mana, Kingdom Hearts 1&2, Mario RPG

―Jeremy Soule
全ての誇りあるゲーマーたちは、ここに彼の名前を入れる事を認めなければならないでしょう。
この英国人のコンポーザーはオーケストラスコアのスペシャリストです。
注目すべきスコア: Morrowind, Oblivion, Guild Wars

―近藤浩治
オリジナルのマリオとゼルダを作曲し、ゲーム産業で最も尊敬を集める人物です。
しかし、彼はまだ現代的なハイクオリティなサウンドに適応し切れていません。

―崎元仁
『FFXII』の素晴らしいスコアを作曲しました。
それまでの植松版FFと違うのは、「メロディ」ではなく「テーマ」に着目している点です。
彼の楽曲は、複雑な構成とオーケストラのバランスという点でジョン・ウイリアムズを思い起こさせます。

―植松伸夫
多くのFinal Fantasyスコアを書いた偉大な作曲家です。
彼もまたこの産業で最も尊敬されている人物の一人でしょう。
注目すべきスコア: FFVII, FFVIII

―David Wise
名前はそれほど知られていないかもしれませんが、間違いなく重要な作曲家です。
任天堂時代のレア社で数多のゲームミュージックを書きました。
『Jet Force Gemini(スターツインズ)』のTawfretという曲では、
RPGの臨場感を高める最高の働きをしています。彼は天才です。
注目すべきスコア:Donkey Kong Country(スーパードンキーコング) 1&2, Jet Force Gemini

―すぎやまこういち
Dragon Questシリーズの作曲家です。
人々がゲームミュージックを正当に評価するようになった事への、彼の功績は計り知れません。

―Sound Team JDK
Ysシリーズの音楽を手掛けた音楽集団です。
残念ながら、ここ米国でYsの人気は高くありませんが、もしあなたがYsの曲を聴いたら
素晴らしいサウンドトラックだという私の意見に同意してくれるでしょう。

―Martin O'Donnel & Michael Salvatori
彼らはHALOシリーズに、オーケストラ、コーラス、ギター、
そしてSci-Fi シンセサイザーを用いた印象的な楽曲をもたらしました。
それらは素晴らしい楽曲というだけではなく、プレイヤーの意識を導く役割をも果たします。

―大谷幸
なんといっても『ワンダと巨像』、そして数多くのアニメ作品を手掛ける作曲家です。
機会があればワンダと巨像のサウンドトラックを聴いてみて下さい、
ゲームが強烈な印象を残した理由の半分は、彼の音楽によるものです。

―桜庭統
上に挙げられた名前からは若干劣りますが、
桜庭もまた『ヴァルキリープロファイル』『スターオーシャン』『テイルズオブ~』などに幾つか良い楽曲を残しています。


見落としがあるかも知れませんが大体こんなところ。
他にも梶浦由記、目黒将司、弘田佳孝、山岡晃、Chris Huelsbeck、Jesper Kydの名前や
ロックマン、塊魂、I.Q、LUNAR、逆転裁判、Civ4、デビルメイクライといった
タイトルが挙げられています。スラド住人、意外と詳しい?

光田×崎元×EminenceのコンサートCDが

2007年11月23日 22時36分31秒 | Game Music
Hopeful Weedsプロキオンスタジオのメルマガ)が届いたので読んでたら
今年の夏に横浜でやったコンサートがCD化されたとの告知が。
日本からも買えるみたいです。

http://www.eminenceonline.com/merchandise-cd/store.html
(支払いはPaypalのみ)

送料含めると40豪ドル≒4000円と結構なお値段ですが
光田・崎元氏公認のCDだし、アレンジはベイスケイプメンバーで
元曲も好きな&珍しい曲が多かったので購入決定。

光田康典氏、海外MMORPGに楽曲提供

2007年11月09日 17時02分15秒 | Game Music
Gamingforce より)

http://www.gaiaonline.com/

欧米で展開しているオンラインゲーム&コミュニティサイト(ハンゲームとかセカンドライフみたいなもんらしい)
Gaia Online(→Wikipedia)が開発しているMMORPG
『Gaia Battle』の音楽に光田康典氏が参加してるみたいです。

Gamingforceにサンプルがポストされてますが、何か光田氏っぽくない曲調。

PortalのED曲がステキすぎる! とか思ってたら作者の人がこれまたステキだった

2007年10月31日 18時30分16秒 | Game Music
FPSあまりやらないので、だいぶ話題に乗り遅れてますが
今月発売されたHalf-Life2のボーナスパック「The Orange Box」におまけ的なゲームとして収録された
Portal』のエンディングテーマ「Still Alive」が、ちょいとしたネットミームになってるみたいです。

とりあえず目に付いただけでも、Slashdot、Kotaku、Rock Paper Shotgun、Wired Game|Lifeといった
有名どころのブログ/ニュースサイトがこぞって「Still Alive」を取り上げていて
それぞれのコメント欄も「Best game song ever!」みたい感じの賞賛コメントで溢れていたり
Youtubeにアップされたエンディング動画も総計500,000回以上再生されて、
既にピアノやアコースティックギターでの演奏、逆再生バージョンなんかもアップされ始めています。

自分はOCReMixで知ったんですが、そこでも
「聴いた瞬間ピンと来た、恋に落ちたっていうのかな...こんなことは初めてだよ」とか
「誰かRemixしろよ」「オレやるかも」「オレもオレも」と、何人かのRemixerさんが食い付いていました。


こんだけ評判良いなら、と聴いてみたら・・・やられた


// 以下、一応ネタバレなのでプレイ予定の人は注意




Still Alive
http://www.youtube.com/watch?v=Y6ljFaKRTrI
http://www.destroyed-beauty.com/Portal.mp3

寂寥感のあるメロディと、機械的な女声ボーカル。
暗い日曜日じゃないけど、自殺したくなるような、ネガティブな・・・

・・・って、ん? "機械的な女声ボーカル"?
と思ってニコニコ動画見に行ったら、やっぱり初音ミク絡みのコメント&市場が(笑)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1250166

まぁ初音ミクは置いといて (この歌は当然音声合成じゃなくて、それっぽく歌って欲しいと指定されてこういう歌い方になってます)
動画に貼られた歌詞の対訳と感想コメントのおかげで、やっと歌の意味が理解できました。
「Still Alive」の詞って、Portalに登場する人工知能(AI)の独白になっているんですね。

歌詞の全訳は、Portal Wiki(http://wikiwiki.jp/portal/)にも載っているので
同Wiki内の「ストーリー考察」も合わせて読むと・・・いやホント面白い。大好きです、こういうの。




さて、この「Still Alive
歌っているのは例のAIを演じたEllen McLainという女優さんなのですが
作曲したのは、Jonathan Coultonというミュージシャン。

この人、ちょっとトンがったオタクの間ではよく知られた人物だそうで
過去にGeekなページOn Off and Beyondで紹介されています。

Wiredにもちょうど「The Orange Box」の発売に合わせる形で彼の特集が載っていて、これがまた面白い。

Wired News: Pop Geek Jonathan Coulton Succeeds by Giving Music Away

http://www.wired.com/entertainment/music/news/2007/10/coulton

要するに、「音楽を無料配布することにより、巨大なファンベースを獲得した >Scceeds by Giving Music Away」
というお話なんですが、それだけならまぁ最近よくあるパターン(My Chemical RomanceとかArctic Monkeysとか色々)

彼が特殊だったのは、Geekで、プログラマーで、先見の明があるミュージシャンだったことで
レーベルを通さず、自らの手で音楽販売を始めてしまうのでした。

http://www.jonathancoulton.com/store/

試聴はフルサイズで聴けて、無料配布曲も沢山。歌詞やギター譜などの情報も充実。
// 話それますが、ここで試聴に使われているのはdel.icio.usのPlayer。
//
BookmarkletGreasemonkey版もあって、アレンジサイトとか音系サイト回るときに滅茶苦茶便利です。愛用中。

フィジカルなCD販売はAmazonやCD Baby  (Dale Northzircon,SGX氏ら、アレンジコミュニティの面々も使ってるサービスですね)
ダウンロード販売はiTunes Storeなどでも取り扱ってるみたいですが、
本人のサイトから直接購入すれば、DRMフリーで、
尚且つMP3(FhG 192kbps CBR) or FLACを選択できるので(Ogg Vorbisも検討中)
iTunes Storeで買うのが馬鹿らしくなるような仕様になっています。

さらに彼、自分の楽曲ライセンスにCreative Commons(CC-by nc)を採用し、
ファンがライブで演奏しようが、ラジオで流そうが、BGMに使おうが
P2Pで共有しようが、Youtubeに上げようが、CCのライセンスに従えば自由というスタンスを取っていて
逆にユーザーがマッシュアップした動画を、彼の楽曲ページに投稿できる仕組みまで用意してくれてます。

彼本人もCCでパブリックになっているFlickrの画像をコラージュした、
その名もまんま「Flickr」という曲を作ったりして、CCを有効活用しているみたいです。




そんなCoultonさんが「Still Alive」について、こちらのインタビューで答えているので、
最後簡単に引用しときましょう。

―Portalに「Still Alive」を提供した経緯について
「昨年、シアトルでライブをしたんだけど、その会場にVolveのスタッフが何人か見に来てくれていたんだ
ライブが終わって挨拶をしたあと、彼等はこう切り出した
『もし興味があればの話だけど、Volveの為に何か曲を書いてくれない?』ってね。
僕は根っからのHalf-Lifeファンだったから、もちろんその場ですぐにYesと答えたよ。」

―Half-Lifeファンだったとのことですが、作曲の上で改めてリサーチした事は?
「Half-Lifeはやり込んでいたから、Portalのストーリーもスッと理解できた。
詳細なバックストーリーも、シナリオのErik Wolpawから教えてもらって
彼等Volveのスタッフと議論しながら、開発中のバージョンを触らせてもらっているうちに
この曲は彼女(AI)に歌ってもらうのが一番だと決まったんだ。」

―レコーディングはどのように進行しましたか?
「まずブルックリンの僕のスタジオで僕自身の声で録音して、
シアトルのスタジオでElen McLainと一緒にセッションしていった。
彼女の声を聴いて驚いたね、僕等が思い描いていたデジタルな歌声にぴったりだったから。」

―「Still Alive」に対してこれほど大きな反応がある事をを予想していましたか?
「僕自身、良い曲ができたなと思っていたけど、こんなに反応が返ってくるとは想像もしなかった。
Volveスタッフたちの頑張りに感謝したいと思う、エンディングに至るPortalの素晴らしい内容と
エンドクレジットの印象的な演出が、この曲を盛り上げてくれた。」

―最後にこれを聞いておかなければなりません。あなたの好きなケーキは?
「チョコレートケーキ。母の作るケーキは泣けるくらい旨いんだ。」

VGMdb ゲームサントラ データベース

2007年10月05日 18時57分21秒 | Game Music


VGMdb
http://www.vgmdb.net/

カタログNo.、リリース年月日、トラックリストはもちろん
サントラのジャケット、ブックレット、ライナーの画像や、
作曲者や編曲者、生楽器を使っているものでは演奏者、CDによってはプロダクションスタッフの名前まで、
サントラに付随する情報は何でも集積してしまおうという野心的なデータベースプロジェクト。

元々は大手ゲームミュージック系ForumのGamingforceから派生した
Gamingforce Audioというプロジェクトで、その時はあまりチェックしていなかったんですが
今回改めて見てみて、その機能と情報の充実ぶりに驚きました。

登録タイトル数も既に4000件を越え、ある程度メジャーなサントラを探すのには十分な数だし
アルバムの検索も日本語対応(日本語で登録されているものだけですが)
検索オプションからゲーム名や曲名、作曲、編曲、レーベル名ごとに検索できるので
ぼんやりと「あのゲームの曲」とか「あの作曲家の仕事」という風に調べたいときにも便利です。

公式サントラ(Official Release)、プロモCD(Enclosure / Promo)、同人音楽(Doujin)といったカテゴリ分けされているのも特徴で
同人音楽の場合、検索してみると今のところ141アルバムが登録されています。
(OneUp StudiosやMinibossesもDoujinカテゴリ)


他のユーザーのコレクションが見れたり、アルバムレーティングが共有出来たりと
ちょっとソーシャル的な味付けもあったりするので、
これらが上手く機能すれば隠れた良作を発見する助けになるかもしれないですね。

北米でリリースされたスクウェア系サントラの話

2007年08月02日 15時45分19秒 | Game Music
先日、CoverDownloaderMABを使って手持ちのCDのカバーアートを検索していたら
Amazon.comでちょっと珍しいCDを見つけました。



それぞれ、クロノクロスとデュープリズム(海外版タイトルThreads of Fate)のプロモーション用CD。
収録内容は本家サントラから数曲セレクトしただけなので、音源的な価値は無いものの
日本では手に入らない非売品CDですし、デュープリズムはタイトルロゴからして
日本版とは別モノなので、そういう意味では貴重なCDです。
(元は非売品とはいえ、普通にAmazonのUsed枠で売られているのプレミアは付いてなさそう)

スクウェアは一時期、北米版タイトルのプロモーション用として
サントラを配布したり特典としてサントラを付属することをしていたらしく
聖剣伝説 LOM、PS版フロントミッション1st、PS版FF5&FF6にもプロモ用CDが制作されています。





※ココからが本題
上のカバーアートを探すついでに、北米のみで発売された
スクウェア系サントラのレビュー記事とかをチェックして回ってたんですが、そうして見ていくと
結構な数のサントラが北米独自のデザインやパッケージで発売されているようです。
以下にスクウェアが北米でリリースしたサントラ情報をまとめたので
ここから先は日本盤と北米盤の違いを検証していくとしましょう。





・Secret of Mana (聖剣伝説2:1993)
・Final Fantasy III Kefka's Domain (FF6:1994)
(多分)初めて日本以外で発売されたスクウェア系サントラ。
収録曲は国内版の聖剣2・FF6サントラと全く同じですが
当時は(今も?)ゲームのサウンドトラックを買うというのが海外では一般的では無かった為、
流通枚数に極端に少なく、今となっては非常に入手が困難なCDになっているそうです。



Final Fantasy VIII Music Collection
SFC時代からだいぶ経って、2000年に発売されたFF8のサウンドトラック。
こちらも収録曲は日本版と同じで、Liberi Fatali(元はラテン語)やEyes on Meの英語詞や
植松氏インタビューの英訳も収録されているとのこと。
ちなみにこのCDは当時のスクウェアとEAとの合弁会社 Square Electronic Arts から発売されたので
「EASQUARE-0001」というカタログNo.が付けられています。



上記3枚のサントラは米国スクウェアへ直接注文するという販売形式だったために
一般のCDショップへ並ばず、非常に限られたファンしか購入できないという問題がありました。
この問題を解消するため、当時のスクウェアがパートナーとして選んだのが
アニメショップや一般CDショップへの流通経路を持っていた
Tokyopopという、北米でアニメ・マンガの翻訳・刊行を行っている出版社です。

ここ数年、日本でも新聞・雑誌等の「世界へ広がる日本アニメ!」みたいなしゃらくせー特集で
取り上げられることの多くなったTokyopopですが
当時はまだ前身であるMixx Entertainmentの1レーベルだったようです。


Mixxが立ち上げたTokyopop Soundtraxは、
2000~2002年の間、日本で発売されたスクウェア関連CDを精力的にリリースしていたんですが
その際に、元々複数枚組みだったサントラを一枚組みにしたり、
その為に曲のカットや編集を行うなど収録内容の大幅な修正を行いました。

これらの修正は、一般のCDショップに流通させるため、
そして、ゲームサウンドトラックという北米では未開拓の商材を売るためには仕方の無い行為だったとはいえ
北米のゲームミュージックファンにとっては納得できないものだったようで、
各サイトのレビューもかなり辛辣な内容になっています。




・Chrono Trigger Official Soundtrack
PS版クロノトリガーOSTと同じ内容
・Final Fantasy IV Official Soundtrack
PS版FFIVの発売に合わせ、2001年になってようやく北米でリリースされたFFIVサントラ
FFIV OSTの全曲+『愛のテーマ』のアレンジバージョンを収録
・The Bouncer Original Video Game Soundtrack
元々2枚組みだったのを1枚のディスクに収めたため、10曲程度未収録曲があるものの
日本盤に入っていないボーナストラックもあり。どちらを重視するかで評価が分かれる
・Final Fantasy IX Uematsu's Best Selection
1枚組みで未収録&1ループ化が酷いCD
日本盤には無いボーナストラック『FU-RU-SA-TO Original Version』を収録
・Final Fantasy X Official Soundtrack
日本盤OST(4枚組み)を1枚に収束し、その1枚のCDに17曲しか入ってないというやる気のなさっぷり。選曲自体は良好。

Tokyopop系のサントラレビューには「未収録曲が多すぎ!」とか「日本盤に比べて音質悪いぞ」とか
「1ループとかマジ勘弁、せめて2ループ欲しい」というTokyopopの改悪に対する不満の声が数多く見受けられます。
とはいえ、クロノトリガーのCDは日本でも未収録曲の多さからあまり評判のよろしくないOSTだし(買うならOSVというのが定説)
FFIVが全曲1ループなのも元からなので、その辺を指摘するのは気の毒な気もします。

あとまあ、未収録曲とかループ処理にうるさいレビューを見ていると
「あぁ、ゲーム音楽ヲタがこだわる所は万国共通なんだなぁ・・・」と思ったり(笑)




・Final Fantasy N Generation Official Best Collection
・Final Fantasy S Generation Official Best Collection
Tokyopopがリリースした中でも比較的評価が高いのがこの2枚。
NSはそれぞれNintendo/Sonyを表しており、任天堂ハード時代のFF1~6、PS時代のFF7~9の中から
オリジナル・アレンジ問わず選曲したベストセレクション的なアルバムとしてリリースされました。
N Generationは日本で『Final Fantasy 1987-1994』として発売されたCDのパッケージを変えただけですが
S GenerationはTokyopopが独自に編纂したCDで、両アルバムとも
「選曲が良く、FFサントラの入門編として友人に聴かせるのにも最適」とレビューでも好印象だったようです。



CD売り上げが芳しくなかったのか(上記レビューを見る限り、幅広く受け入れられたとは考え難いですが)
それともENIXとの合併のおかげで、外部の出版社と提携する必要性が薄れた為か
Tokyopopからのスクウェア系サントラのリリースは2002年を最後に途絶えます。

ただ上辺だけを掬って読んでいるだけなので
Tokyopopとスクウェアの提携がどの程度の成果を上げたのかは判断できませんが、
「サントラCDの流通を改善する」という当初の目的は、
ゲームサントラ専門の通販サイトやeBayの登場で、
2002年ごろには殆ど解決されていたというのは確かなようです。

海外の主なゲームサントラ専門通販としてはCocoeBiz,GameMusic.com
欧州ではドイツのSynsoniq Records(Chris Huelsbeck氏の個人レーベル)があり
アジア系のPlay Asiaや、昨年ソニーに潰されたLik-sang(力生)もゲームサントラを取り扱っていました。
これらのサイトではドル建てで(Synsoniq Recordsはユーロ建てで)購入できるため欧米のファンにとっては敷居も低く
製造枚数の少ないTokyopopのCDより、なんだかんだで数多く製造されている
日本盤のサントラの方がこれらのサイトで容易に確保できるというのが、海外ゲームサントラ流通の実態らしいです。


今現在のTokyopopサイトにはSoundtraxのサの字も無いですが
最近でも、Play! A Video Game SymphonyやVideo Games Liveといったゲームコンサートの
協賛企業として、間接的にゲーム音楽との関わりは続いているようです。

崎元仁氏や下村陽子氏がゲストだった昨年のPlay!デトロイトコンサートでは
キングダムハーツの下村氏がゲストだということもあって
Tokyopopが北米で出版している、天野シロ作「Kingdom Hearts」の英訳コミックを
コンサート来場者に無料配布するというプロモーションを行ったりもしていました。




・Selections from Final Fantasy XII Original Soundtrack
Tokyopop撤退からしばらく空白期間があったスクウェア系サウンドトラックで
今のところ最新のタイトルが、トーフレコーズから昨年10月に発売されたこのFFXIIサントラ。

これもアルバムタイトルの通り、OSTからセレクトした曲を1枚のCDに収録したアルバムで
濃いファンが多いゲーム音楽系コミュニティでは殆ど話題にも上りませんでした。


※番外編:一応スクウェア関連ってことで



・Secret of Evermore Soundtrack
日本でもつい最近Xbox360版が発売された
『The Elder Scrolls IV: OBLIVION』のコンポーザー、Jeremy Soule氏のプロ作曲家デビュー作。
Secret of Evermoreはスクウェア米国スタジオが開発したSNESタイトルで、ゲーム本編もサントラも日本未発売。

・SQUARE DANCE Unlimited
Amazon.comを"Yasunori Mitsuda"で検索してたら引っかかった
KFSS Studiosのスクウェア系アレンジCD。
米Amazonでは同人CDも取り扱うのか!?とちょっとビックリしたんですが
KFSS StudiosのCDは適切に権利処理された「完全に合法的なファンアレンジCD」らしいので問題無いのかも知れません。




※最後に
紹介したカバーアートや各CDのレビュー、収録曲などの情報は
Square Enix Music OnlineChudah's CornerRPG Fan
それぞれのレビューページと、Chris Kohlerさんの著書
Power+Up ~米国オタクゲーマーの記したニッポンTVゲーム興隆の軌跡~を参考にしました。
特に北米盤サントラを取り巻く状況や、Tokyopopとスクウェアの提携のくだりは
『Power+Up』に詳しく書いてあるので、興味がある方は是非読んでみる事をオススメします。
Secret of EvermoreやKFSS Studiosについても本書で軽く触れられています。

// 日本版Wired(Wired Vision)が復活して、またChris Kohlerさんのコラムが日本語で読めるようになったので
// この機会に『Power+Up』をガッツリ紹介したいと思ってるんですが、これがなかなか・・・

最近買ったアレンジCD

2007年07月16日 20時37分39秒 | Game Music
紹介するだけしておいて放置ってのもなんなので
最近ここで取り上げたCDの感想でも書いときます。



Best of the Best A Tribute To Game Music
http://www.gamemusiccentral.com/music/




Video Games LiveのTommy Tallarico、Jack Wall両氏や、
Jesper Kydのような有名な作曲家が参加していたので
それなりに期待してたんですが、正直期待はずれでした。

Tommy Tallaricoのトラックなんて、OCRemixのEarthworm Jim Remix
そのまま収録しただけだし (Remixerの名前はライナーに載ってるので、無断使用したわけでは無さそうですが)
Jack WallのMyst IIIセルフアレンジも、別のサウンドトラックに収録されたものの再録らしくがっかり。
Jesper Kyd氏の曲も微妙で、良かったのは公式のプロモ動画でも聴ける男女混声スキャットの『クロノトリガー』
SFモノのFPSっぽい妙にサイバーな雰囲気の『ザナルカンドにて』ぐらい。

まぁ個人的には期待はずれだったといっても
海外のコンポーザーが別の(&日本の)作曲家の曲をアレンジするってのは面白い試みだし
ゲーム作曲家が集まって何かイベントしたり
コンピレーションCDを作ったりする動きが海外でも始まってきたのは
良い傾向だと思うので、こういう企画はこれからも続けて欲しいですね。






Piano Squall - GAME -Game & Anime Music Emotions-
http://www.pianosquall.com/cd


トラックリスト
01) 時の傷跡 (クロノクロス)
02) TANK! (カウボーイビバップ)
03) アスレチックBGM (スーパーマリオワールド)
04) 残酷な天使のテーゼ (新世紀エヴァンゲリオン)
05) カエルのテーマ (クロノトリガー)
06) 魔王決戦 (クロノトリガー)
07) 哀と悲 (NARUTO)
08) Vamo' alla Flamenco (FF IX)
09) Korobeiniki (テトリス)
10) Bratja (鋼の錬金術師)
11) Dr.ワイリーステージ1 (ロックマン2)
12) Every Heart-ミンナノキモチ (犬夜叉)
13) 1000の言葉 (FF X-2)
14) Kiss Me Goodbye (FF XII)
15) プレリュード (FF)
16) エンディングテーマ/ファイナルファンタジー (FF)
17) ファイナルファンタジー・バトルメドレー
18) ボスバトル (オリジナル)

最初、1,2曲目の『時の傷跡』『TANK!』は、演奏が難しそうな箇所をアレンジで誤魔化すようなきらいがあって
「どうかな?」と思ったんですが、3曲目の『アスレチックBGM』辺りから良い感じになってきて
個人的に好きな『1000の言葉』『カエルのテーマ』
『Dr.ワイリーステージ1(aka おっくせんまん)みたいに偶然にもタイムリーな曲もありながら
最後は、『プレリュード』『ファイナルファンタジー』ときて『FFバトルメドレー』で締めるというあたり
色々な意味で"分かってる"選曲に感心してしまいました。
やっぱりアニメコンヴェンションとか、客前に出て演奏している人ですから
「客ウケの良い曲」というのを熟知してるんでしょうね。

最終トラックのオリジナル曲はピアノ曲ではなく
エストポリス伝記@塩生康範氏のようなコテコテのバトルBGMで、これまた良い感じ。

いつもピアノアレンジのCD聴いてると、似たような曲ばかりになって途中で飽きてしまうんですが
このCDはメリハリが利いていて、その辺もあまり気にならなかったです。