OYAMA CROSSROAD BLUES

mimi-tab.社長の妄想迷走奔走日記

日本人製作家(ルシアー)のポテンシャルにしびれる(中編)

2016-10-29 12:53:02 | ギター
東京ハンドクラフトギターフェスで知り合った富山県の製作家の荻野さんとはその後FBでやり取りをしていましたが、今年の7月末、綾戸智恵の仕事(モントレージャズフェスティバルイン能登)で金沢に行くことになったおりに、高岡市の工房を訪ねることができました。ちょうど新作が出来上がるということでタイミングもバッチリです。しかもそれは僕の好きなトーンウッド、ジャーマン・スプルースとココボロを使ったものだということで期待も自然と膨らみます。彼の工房は金沢から新幹線でひと駅の新高岡にあります。話には聞いていましたが工房は1人でやっているとは思えないほどの大きな建物でした。高岡市創業者支援センターの支援でその場所を借りているとのことです。中に入ると大型の工作機械と一緒に漆職人の弟さんから置く場所がないということで預かっている大きな木造彫刻などが置いてあります。その中に作業ブースを別個にたてていました。この容積だと空調代もばかにならないので作業場をたてたそうです。作業ブースの中には整然と並んだ工作器具、木材、スプレーブースがあります。

さっそく前の晩に完成したばかりのという ジャーマン・スプルース&ココボロのギターを弾かせていただきました。これはもうどっしりもりもりと抱えきれないくらいの低音とツヤツヤでピカピカの中域、全体にコーーーーンという深淵で透明なリバーブ感が感じられるサウンドを持った素晴らしいギターでした。そしてあいかわらず反応が速い。どっしり重量感と反応の速さはダブルレイヤーのサイドがもたらす彼のギターの特徴のひとつなのかもしれません。工房を説明してもらい、ギターをさんざん弾かせていただいてから近くの回転寿司屋で昼飯(回転寿司でも高岡(富山)の寿司はネタが新鮮でうまい!そして安い!!因みにそれでも新幹線が通るようになって魚が高くなったと地元の方がぼやいていました。)、その後、コメダ珈琲でお茶をしながらギター談義、ギター業界談義から始まり将来や私生活に至るまで様々な会話の花を咲かせました。彼は一人のルシアー(製作家)として自分の個性を世界中に表現したい、確立させてたいという野心と、そこで得たノウハウを注入し複数の制作者による高品質なギターを量産して価格で販売するろいう野心を同時に持ち合わせていました。それもあり、とやま起業未来塾という自治体が主催する勉強会に通い、支援センターにビジネスプランを持ち込み理解と支援を得て現在の工房を設立して量産を視野に入れて大きな工作機械を用意するなどしているそうです。いわゆる”職人”というカテゴリーに収まらないルシアーです。

実に凛としたたたずまいの新作。いい音でした。
周波数データを元にした音作りや起業家としての振る舞いなどは従来の伝統的な製作家・職人の価値観とは考えを異にします。僕も周波数の話を聞いた時は”今時はそんなか、浪漫がないなあ”と思いました。トップ板をタッピング(叩く)してそれを耳で聞いて感性と経験値と熟練の磨かれた技術で作っていく、そんな作業工程と職人的な仕事は、崇高で求道者的なイメージがあり惹かれます。 荻野くんの話を聞いているとホリエモンの”修行なんかしなくても寿司学校に行けばすぐに寿司は握れる”とか”お金なんか無ければ貯めるとか借りるとかじゃなくて出資者を集めれば良いんだ”という考え方を思い出します。好き嫌いが出る考え方です。ただ、方法やスタイルがどうであれ、彼のギターは音が良かった。重要なのはそこです。彼の考え方は従来のギター製作家の枠に当てはまらないと思うのですが、彼の作品も僕が今まで弾いてきた楽器の枠を超えていくような可能性を感じました。もちろん、未来のことはわかりませんけれど。なにしろ彼は今まで19本しか作っていないですから(2016年10月6日現在)。


*写真のきれいなblogを始めたので写真は主にそちらにアップします。今後はOYAMA CROSSROAD BLUES@g.o.a.t.もよろしくお願いします。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 日本人製作家(ルシアー)の... | トップ | 日本人製作家(ルシアー)の... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ギター」カテゴリの最新記事