OYAMA CROSSROAD BLUES

mimi-tab.社長の妄想迷走奔走日記

日本人製作家(ルシアー)のポテンシャルにしびれる(最終回)

2016-11-06 22:28:56 | ギター
そんな彼(荻野裕嗣さん)が海外のギターショー(BARBARA ACOUSTIC INSTRUMENT CELEBRATION)の帰りに同じ師匠のもとで修行したルシアー・藤井圭介さんとともにスタジオに寄ってくれました。ふたりとも今回出品された作品を持って!!荻野さんのギターはトップがイングルマン・スプルース、サイドバックがフレームメイプル、デザインはスモールジャンボのノンカッタウエイ仕様です。藤井さんは12フレット接合のOO(ダブルオー)サイズでトップがカルパチアン・スプルース(Carpathian spruce)、サイドバックがキルテッドメイプル。木目は違いますがふたりとも奇しくも同じサイドバック材です。まずは荻野君のギターから弾いてみます。以前、彼と話をしたときに”ノンカッタウエイの方が良い!”と意気投合していたのでワクワクしながじゃらん!相変わらずスパッと反応良く音が飛び出してきます。低音も豊か。でも、いつものズゴン!という感じではなく、中域高域と同じ味わいでスッとでてくる感じです。”今回サイドはダブルレイヤーじゃないんです”。なるほど、Ervin Somogyさんの系列をくむルシアーノ特徴のひとつであるダブルレイヤーではなかったのですね。そしてノンカッタウエイはやはり落ち着きます。音量もそうだし、よりバランス良く自然にサウンドホールから音が出てくる感じがします。喪失感がない。メイプルらしい粘りと腰のあるサウンドで弾いていると”いい音”と自然と言葉が出てしまいます。重量もずいぶん軽く仕上がっています。シングルレイヤーのOGINO GUITARはバランスの良いスポーツカーという感じです。速くバランスが良く素直で運転しやすい。そしてパワーも味わいもあって、ゆっくり流してもタイヤが鳴るほど飛ばしても楽しい。

次は待望のFUJII Guitarを弾かせていただきました。藤井さんのことは荻野さんやお店の方から木工技術の高い細部まで神経の行き届いたギターを作る方だと聞いていたのでとても興味がありました。 ただWebで探しても常にSold Out、”幻のギター”なのです。それが突然目の前に現れたわけすから、ちょっといい感じじゃないですか、この状況は(笑)。小ぶりな12FOO(ダルブオー)シェイプのギターは抱えた瞬間にしっかりと作られていることが分かります。それと素朴な味わいがあります。いかにも手で工作したといった感じとでも言いましょうか、そんな感触(タッチ)です。ヘッドの加工やロゼッタの組木細工などに木工技術へのこだわりがひしひしと感じられます。弾いてみるとシュワーキラキラキラとまるで部屋中に砂金が舞ったような素敵なサウンドが広がりました。この感じは今まで聴いたことがありません。”うっひゃー、はじめてはじめて”と俺のハートが大騒ぎです。低音や中低域はボディサイズから想像されるまとまりの良いサウンド、でも中身はムチッとつまっていて、それでいてちょっとかわいく優しいサウンドです。女性シンガーのバックでこのギターが鳴っていたら瞬間イッてしまいます、トロケてしまいます。いやー、藤井さんにもやられてしまいました。藤井さんのギターには制作にかける彼のエネルギーが凄く入っているように感じました。1本作るのに相当な体力・精神力を使うのではないでしょうか。寡黙な藤井さんでしたが、エネルギーのすべてを制作に注いでいるからかもしれません。

こうやってまったく個性の違うルシアーの最新作品を弾く機会に恵まれ、素敵な時間になりました。その日作業するためスタジオにいた赤工隆(レコーディング・エンジニア)にとっても有意義な時間だったでしょう。限られた時間の中で精一杯話をしました。彼らも僕が持ってきたMerrill C-28(アディロンダック・スプルース&ココボロ)とKevin Ryan Nightingale(シダー&インディアン・ローズウッド )を弾きながら色々と思うところを伝えてくれました。それにしても荻野くんのオープン・マインドな態度には頭が下がります。自分のお客さんを同業者に紹介してしまうわけですからなかなか出来る行為ではありません。そんな荻野さんには是非、自分の理想に向けて進んでいって欲しいです。藤井さんの14Fの作品も是非弾いて感じてみたいです。また彼らの他にも先に名前を出した越前亮平さんや神田丈二さんや僕がまだ弾いたことはないけれど素晴らしい技術と熱い情熱、高い理想を持った日本人ルシアーがここ数年でぞくぞくと作品をリリースしています。海外ルシアーのデザインセンスや付加価値のつけ方、音楽性の高さは認めなくてはいけないところですが、日本人ルシアーたちももう随分良いところまで来ています。すでに秀でている部分もたくさんありますし、ポテンシャルは海外ルシアー以上だと思います。彼らのギターに出会うことがあったら臆することなく弾いてほしいです。きっと新しい発見や気づきがあります。イタリアに行ったときに、日本のイタリア料理のほうが美味しいと思いました。それと同じように西洋楽器のギターも日本人ルシアーの作品が一番美味しくなる日がやって来たのかもしれません。頼もしいかぎりで今後に期待せずにはいられません。

*写真のきれいなblogを始めたので写真は主にそちらにアップします。今後はOYAMA CROSSROAD BLUES@g.o.a.t.もよろしくお願いします。
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日本人製作家(ルシアー)のポテンシャルにしびれる(中編)

2016-10-29 12:53:02 | ギター
東京ハンドクラフトギターフェスで知り合った富山県の製作家の荻野さんとはその後FBでやり取りをしていましたが、今年の7月末、綾戸智恵の仕事(モントレージャズフェスティバルイン能登)で金沢に行くことになったおりに、高岡市の工房を訪ねることができました。ちょうど新作が出来上がるということでタイミングもバッチリです。しかもそれは僕の好きなトーンウッド、ジャーマン・スプルースとココボロを使ったものだということで期待も自然と膨らみます。彼の工房は金沢から新幹線でひと駅の新高岡にあります。話には聞いていましたが工房は1人でやっているとは思えないほどの大きな建物でした。高岡市創業者支援センターの支援でその場所を借りているとのことです。中に入ると大型の工作機械と一緒に漆職人の弟さんから置く場所がないということで預かっている大きな木造彫刻などが置いてあります。その中に作業ブースを別個にたてていました。この容積だと空調代もばかにならないので作業場をたてたそうです。作業ブースの中には整然と並んだ工作器具、木材、スプレーブースがあります。

さっそく前の晩に完成したばかりのという ジャーマン・スプルース&ココボロのギターを弾かせていただきました。これはもうどっしりもりもりと抱えきれないくらいの低音とツヤツヤでピカピカの中域、全体にコーーーーンという深淵で透明なリバーブ感が感じられるサウンドを持った素晴らしいギターでした。そしてあいかわらず反応が速い。どっしり重量感と反応の速さはダブルレイヤーのサイドがもたらす彼のギターの特徴のひとつなのかもしれません。工房を説明してもらい、ギターをさんざん弾かせていただいてから近くの回転寿司屋で昼飯(回転寿司でも高岡(富山)の寿司はネタが新鮮でうまい!そして安い!!因みにそれでも新幹線が通るようになって魚が高くなったと地元の方がぼやいていました。)、その後、コメダ珈琲でお茶をしながらギター談義、ギター業界談義から始まり将来や私生活に至るまで様々な会話の花を咲かせました。彼は一人のルシアー(製作家)として自分の個性を世界中に表現したい、確立させてたいという野心と、そこで得たノウハウを注入し複数の制作者による高品質なギターを量産して価格で販売するろいう野心を同時に持ち合わせていました。それもあり、とやま起業未来塾という自治体が主催する勉強会に通い、支援センターにビジネスプランを持ち込み理解と支援を得て現在の工房を設立して量産を視野に入れて大きな工作機械を用意するなどしているそうです。いわゆる”職人”というカテゴリーに収まらないルシアーです。

実に凛としたたたずまいの新作。いい音でした。
周波数データを元にした音作りや起業家としての振る舞いなどは従来の伝統的な製作家・職人の価値観とは考えを異にします。僕も周波数の話を聞いた時は”今時はそんなか、浪漫がないなあ”と思いました。トップ板をタッピング(叩く)してそれを耳で聞いて感性と経験値と熟練の磨かれた技術で作っていく、そんな作業工程と職人的な仕事は、崇高で求道者的なイメージがあり惹かれます。 荻野くんの話を聞いているとホリエモンの”修行なんかしなくても寿司学校に行けばすぐに寿司は握れる”とか”お金なんか無ければ貯めるとか借りるとかじゃなくて出資者を集めれば良いんだ”という考え方を思い出します。好き嫌いが出る考え方です。ただ、方法やスタイルがどうであれ、彼のギターは音が良かった。重要なのはそこです。彼の考え方は従来のギター製作家の枠に当てはまらないと思うのですが、彼の作品も僕が今まで弾いてきた楽器の枠を超えていくような可能性を感じました。もちろん、未来のことはわかりませんけれど。なにしろ彼は今まで19本しか作っていないですから(2016年10月6日現在)。


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日本人製作家(ルシアー)のポテンシャルにしびれる(前編)

2016-10-21 17:29:34 | ギター
先日、2人のアコースティックギターの製作家(ルシアー)がスタジオに尋ねてきてくれました。荻野裕嗣さんと藤井圭介さん。30代の彼らは杉田健二さんという共通の師匠のもとで学び、独立して同じ富山県に工房を構え素晴らしいギターを制作しています。彼らが作るギターは一般に想像されるマーチンやギブソンといった工場製の大量生産されているものとは違う一品物。それだけに値段は決して安くないけれどデザイン、サウンド、マテリアル、どこをとっても彼らの趣向や楽器、音楽への思いが詰まった個性的なものです。海外では荻野さんや藤井さんも修行したErvin SomogyさんやJames Taylorが使っていることで有名なJames Olsonさん、美しいブラジリアンローズウッドのギターを制作するJeff Traugottさん、Pat Methenyが使用していることで知られるカナダのLinda Manzerさんなどがとても高い評価と人気を得ています。彼ら彼女らは数多くのバックオーダーを抱えて新規の入手は非常に困難、価格もとても高価です。二人もそんな世界の人気ルシアーと同じ土俵で勝負するべく、アメリカ・サンタバーバラ州で開催されたTHE SANTA BARBARA ACOUSTIC INSTRUMENT CELEBRATIONというギターショーに出品して来たそうです。今年のサンタバーバラでのショーには彼ら以外に数名の日本人ルシアーが参加しています。世界で勝負してやろうという日本人が増えているのは頼もしいですね。その帰りにわざわざ時間を割いて新宿・曙橋のStudio FAVREに立ち寄ってくれました。

荻野さんとはTOKYOハンドクラフトギターフェス2016(@東京・錦糸町・すみだ産業会館)で出会いました。会場の入口近くのブースで”オレを見ろ!”オーラをビンビンに出しているギター、それが初めて見るOGINO GUITARでした。


横には吉田丈二さんのJoji Yoshida Guitarsと越前良平さんのEchizen Guitarsというともにカナダの名匠Sergei de Jongeさんのもとで学んだ二人の実力派が並んでいましたが、引けを取らない存在感がありました。ギターはSmall Jumboと言われるシェイプでジャーマン・スプルース&マートルウッド(トップ材&サイド・バック材)、シトカ・スプルース&パデューク、イングルマン・スプルース&マッカーサー・エボニーの三種類が展示してありました。



最初にすでに買い手がついているというジャーマン&マートルウッドを弾いてみます。 TOKYOハンドクラフトギターフェスの会場は普通の展示場なので会場中は常にわんわんと騒がしく、音色を聞いたりするのにはまったく適さないのですが、そんな中でもオレの心を鷲掴みにするような素晴らしい音を響かせました。ズシッとした量感豊かな低音、ショワーッと宇宙まで届きそうな広がりのあるプレーン弦、ギュインギュインとドライブ感を生み出す中域などスケール∞で凄い可能性を感じさせるギターでした。反応がとても早くずっしりとした重厚感を持ちながら光のようなスピード感を併せ持ったまるでフェラーリとブルトーザーを合わせたような印象です。初めて見る迫力フィギュアードのマートルウッドは米国より帰国する際になんと師匠のSomogyさんから譲り受けたオレゴン産のそれとのこと。曰く「Somogyさんはオーダーをたくさん抱えているんですが、その殆どがハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)のため、どうやら自分が生涯で使い切れない木材がたくさんある事に気がついた」ので分けてくれたとのこと。確かにギター製作家は木材フェチ(失礼!)が少なくなさそうだから素敵な木目、素敵な香り、可能性のあるNEWウッドなどに出会ったら思わず買ってしまうことは、想像に難くありません。一方で巨匠にオーダーするクライアントはある程度の出費を覚悟した方たちなので、鉄弦ギターの頂点木材「ハカランダ」を選ぶ方が殆どと聞いたことがあります。バックオーダーを抱えた人気ルシアーたちはなかなか自分の興味だけで材を選んで作品を作る時間は無いのかもしれないですね。

さておき荻野さんのマートルウッド・ギターはゴワンゴワンと騒音・轟音鳴り響く会場でチョロリと弾いても感性に訴えかけてくるギターでした。”うー、これはなかなか素晴らしいですねぇ、こんな環境で言うのも失礼な話かもしれないけれど”と言うと”会場の隅に試奏スペースがあるのでそこで弾きませんか?”とのお言葉。荻野さんは注目のルシアーで訪ねてくる人も多かったのですが、その時はワザワザ試奏ブースまで案内してくれて試奏につき合ってくれました(そんな気さくさも彼の魅力です)。そこでどんなギターを作りたいの?とか、どんな作業場なの?とかこいう音がしていると思うけど作っている本人はどう感じる?とか様々な会話をしました。彼はトップを叩いた時の音の周波数をiPhoneのアナライザーアプリで管理していてそれを参考に音作りをしているところに特徴があるのですが、そんなこともその時に教えてくれました。物凄く真摯でオープンなんだけれど同時に”Somogyさんのところにいた時のデータもすべてとってあるので自分が在籍していた時代のSomogy Soundは再現できます”とか”販売価格についても日本人製作家が海外の製作家の半額くらいで取り扱われているいる現状に不満と不安を覚えていて、同じくらいの価格設定で頑張りたい”などしっかりとした自負・自信・プランも持ち合わせていてとても頼もしい製作家だなと思いました。結局その後、3本すべてのギターを弾かせていただき、忙しい中たくさんの話をしました。翌日はどうしても静かな場所で音を確かめたくなって仕事の合間をぬって、出品後に彼がギターを納品していった楽器店に行き試奏しました。お店の方が言うようにまだまだな点もあるのでしょうが、彼がこれからどんなギターを作っていくのか興味を覚えずにはいられませんでした。(後編に続く)
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Jason Kostal guitars

2016-07-11 03:09:15 | ギター
先日、今一番勢いのあるルシアーと言われているJason Kostal を弾くことが出来ました。まだ値段が決まっていませんでしたが250万くらいだそうです(その後235万で売りに出ています)。2016年製の新古品です。新古品=新しい中古、ようは中古です。中古で250マンえん!!あれあれ新品価格ってどんなだったっけと彼のサイトを見るとベースプライスは13,500ドルとなっています。今ならロンドンショックで135マンえん。でも今回の個体はオプションが乗っかっています。トップのヨーロピアンスプルースは+250ドル。サイドバックのブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)は+6,500ドル(!!)。カッタウエイ加工で+600ドル。これだけで7,350ドルのオーバーチャージです。でもそれだと210マンくらいにしかならない。今はオーダーを取っていない、手に入れることが難しい幻のギター、夢のギターなので若干のプレミアムがのているのですね。まるでフェラーリみたいです。まあ、いいじゃないですか、それだけ良ければ、価格に見合う価値があれば良いんです。よく”クルマが買えちゃう値段”とか言うけれども250マンじゃプリウスの一番安い奴しか買えないですからね。アコギは250マンで夢と幻が買えちゃうんです。しかもあまり値下がりしません。安い安い(大汗)。さあ、弾いてみましょう!

まず最初に感じるのは大きさです。サイズ的にはマーチンのドレッドノートをひと回り小さくした、いわゆる彼の師匠であるマエストロ・Eirvin Somogy氏が考案したサイズ”Modified D"なので大きいことはないはずなんですけれど、大ぶりな塊を抱いている印象がします。ヘッドが大きめだから?ヒールが下駄の歯のように(失礼!)ガッチリしているからか? そして次に感じるのは重量。ずっしりと重いです。これはサイドがダブルレイヤーになっていることが原因なのですが、ハカランダという比重の大きい材であることも重量の増加に影響しているでしょう。立って弾くのは避けたい楽器です。ゆっくり全体を眺めると随所に作者Jason Kostalさんのこだわりとセンスが感じられます。Stained Glass Rosetteと呼ばれるカラーリングが実に美しいロゼッタ(サウンドホール周りの装飾)、ヘッドの立体的な加工とそれに繋がるブリッジのデザイン。通常エンドピースが付く部分にもその両サイドにうっすらとStained Glass Rosetteと同じ加工をした材でストライプを入れてあります。グッドセンス!!ブレイシングはトップはラティス、バックはラダーとのこと。楽器自体がかなりがっしりしているように感じられるので気が付かないのですが、トップは結構薄くしてあるそうです。

弾いてみるとまず6弦のサウンドが素晴らしい。ドスンとした重厚な低音ですが、低域にいるだけでなく全体を包み込むような倍音が出ていてこれはなんとも美しいサウンドです。6弦が全体を柔らかくまとめてくれています。こういうサウンドにはなかなか出会えないです。よく聞くと5弦も同じトーンです。そして3,4弦はエネルギーを感じるパワフルなサウンド。弾いていると倍音の厚みに時間を忘れてしまいます。1,2弦は落ち着いていてそれでいて沈み込まない絶妙なサウンド・メイキングが施されています。各弦の厚みがすごくて重厚で、いわゆる高級なサウンドです。似ているものがあるとすれば、Somogyさんの弟子(兄弟子にあたります)Mario Beauregardさんのギターとは抱えた印象が似ていると思いました。ただ、トップの厚みやブレイシングなどが違うのでしょうね、鳴り方は違います。その情報量が多くて重厚なサウンドは軽快なプレイには若干トウーマッチな印象もありました。これはきっと”そういう曲やプレイスタルには僕のOMモデルをオーダーしてください!”ということなんでしょうね。雄大なバラードと軽快なラグタイムをKostal Toneで表現しようと思ったら迷わず2本発注です。占めて500マン。それでもポルシェだったら一番廉価なボクスターしか買えない値段ですから、安い安い。。。。でも大丈夫、現在オーダーは受け付けていないのです(何が大丈夫なんだか)。弾いているそばからどんどん鳴りが良くなってきて各弦のバランスも整ってくる感じ。胸が高鳴り興奮し、汗ばみますね(笑)。立ち上がりの速さや豊かな音量、弾いた直後にトップを押さえるとサウンドが相当変化することからやはりトップはそれなりに薄く作ってあるようですが、サイドやネックががっしり作ってあるせいか繊細すぎたり頼りなかったりすることはありませんでした。

ここ数年、個人製作家(ルシアー)が作る素晴らしいアコースティック・ギターがいくつも生まれていると思うのですが、値段は概ね1万ドル以上になってしまっていておいそれとは買えないものになってしまいました。Martinなどの大きなメーカーのものもきちんとした音がするものは個人製作家の作品より高価だったりするし、楽器と工芸品の境目はどこにあるのかと考えてしまいます。ただKostalさんのように彼の美学と研究とが積み重ねられ表現されている楽器は芸術品であり、最新のモダンな楽器であり、それだけの価値が有るのだと思います。体験できたことは非常にラッキーでした。お店の方に感謝します。


なんとも美しいロゼッタ。Stained Glass Rosetteというそうですがガラスではなく木材に着色されているようです。


迫力満点のネックヒール。


立体的な加工が施されたヘッド。


ヘッドに合わせて同じラインでデザイン、加工されたブリッジ。材質はハカランダ


分かりにくいと思いますがおしゃれなラインが2本入っています。殆ど見ない箇所だからこそのこだわりですね。


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MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT ORIGINAL SOUNDTRACK MUSIC : NARUYOSHI KIKUCHI

2016-07-04 01:18:44 | 日々
もう、制作したのは昨年の9月だったので少し前の話になってしまうのですが今月いよいよ”MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT ORIGINAL SOUNDTRACK MUSIC : NARUYOSHI KIKUCHI”という作品が菊地成孔さんのTABOOレーベルから発売されました。アナログ盤も限定生産、劇場限定で発売されるようでとても楽しみにしています。”機動戦士ガンダム”はもう自分などが語るよりも多くの皆さんがご存知な著名な作品なのであります。今回制作に携わるにあたり最新作を読んでみたのですがマジンガーZあたりで止まっている自分にはまったく説明できないくらいの世界的規模かつもしかしたらもう子供では楽しめないくらい、ちょっと前なら”劇画”と言われそうな大人気(おとなげ)な作品です。宇宙戦艦ヤマトにはなんとなく雰囲気が似ていると感じるのですが。

さて、今回はJAZZ SIDEとPOPS SIDEに曲が振られています。THUNDERBOLTに登場する二人の主人公、イオ・フレミングとダリル・ローレンツがそれぞれ”JAZZ好き、POPS好き”で彼らは好きな音楽を聞きながら戦います。原作には曲名付きで彼らが聴いている楽曲が記載されているのです。それもこれも誰もが知っていそうな有名曲です。これを意識しつつ菊地成孔さんが曲を描きおろし演奏・録音し完成させたのが今回の作品です。ですので全編このアニメーションのために書き下ろされた新曲です。しかし、これは原曲にビシっとタイトルが書いてあるわけでそこから離れすぎても読者のイメージが離れてしまうし、近づき過ぎるとリスペクトし過ぎで問題だしと相当な難産だったと思われます。実際、そのあたりのすり合わせをするために作業が中断しかけたことがありました。幸いにして2時間くらい宙に浮いた感じで収まりましたけれどね。

この作品は菊地成孔さんに依頼したというだけでスタッフのセンスと勇気が凄いと僕は思っているのですが、実際にはまず参加メンバーが凄い。まずJAZZ SIDEの大西順子さん。ご一緒するのは初めてだったのでめっちゃ緊張しました。自分的には以前リーダー作を聴いた時に”わ~すげー、このヒトは一筋縄ではいかないなー”と思った大西順子さんです。そしてフリーJAZZというジャンルでご活躍のドラマー服部正嗣さん、菊地さん作品やLiveに参加している永見さん、日本一忙しいスタジオ・ミュージシャンでなんと第一期DCPRGに在籍もしていたと今回はじめて知ったトランペットの西村浩二さんにフリージャズの重鎮・梅津和時さんですから。ではじゃあ、ここで新しい菊地成孔さんの作法が用いられているかといえば実はそのエッセンスはそう多くないです。なぜならやはり原作があるから。あくまでそのイメージを残しつつの菊地さんのFREE JAZZなのです。

そしてここの作品にはボーカリストが数多く参加しています。JAZZではギラ・ジルカさんと矢幅歩さん。Popでは中澤信栄さん、坂本愛江さん、ICI。ギラさんはとてもしなやかにJAZZをお歌いになります。そしてブルジーなのに明るい。リズム感が良いんだなあと思います。数年前に先輩プロデューサーさんにCDを頂いていたり、LIVEなどでの活躍は存じ上げていたのですが今回はじめてお会いしてその歌声に魅了されました。矢幅さんはもうまず見た目がスタイリッシュ。そして今のR&Bやソウルなどのエッセンスが入ったJAZZを歌うことが出来ます。ちょっとソウル色が強くて今回の企画の”どジャズ・シンガー”としては新しすぎるかなと思ってピックアップするのを若干躊躇していたのですが、菊地さんに紹介後、菊地さんの次にプロデュース作品にも参加していただくことにもなりました。そう、大西順子さんの復帰作「Tea Times」ですね。話題です。中澤さんはまさに”King of Soul"。彼の歌唱のスケールの大きさ、大きなグルーブは一体どこから来るのだろう。父親が関脇!というのはブラックミュージックとは全く関係ないし。レコーディングをお願いした時期はちょうど彼がコーラスで参加したDREAMS COME TRUE LIVEのリハーサルと重なっていて、ハードなリハーサルが終わった後にスタジオにやって来てコーラスまでみっちり歌ってくれました。そしてカントリーシンガーの坂本さん。僕がギターのメンテナンスでお世話になっているStream Guitarsの早川さんがバンジョーを弾いているBluegrass Band ”The Blueside of Lonesome"の出演するLive Houseにメンテナンスに出す楽器を持って行った時にたまたま紹介していただきました。その時はLiveは見られなかったのですが、後に歌を聞いたら素晴らしく、いつか仕事がしたいなと思っていたら、割合と早くチャンスが訪れたのです。彼女の歌はカントリー・ソング風ではなく本物のカントリー・ソング。日本人なのに本物のカントリーソングが歌えるんです。何故だろう?そして菊地さんのプロジェクトではおなじみのICI。ICIがロボットという設定はすっかり忘れていました。僕にとってのICIはJAZZ DOMMUNISTERSでのフィーチャリングが印象的なのですが、今回は極めて明快なポップソングを歌っています。彼女、市川愛さんは普段はSolo singerとして活動していて今回はICIと市川愛さんの間位な感じでしょうか。でも、6,000人近い観客を集めたパシフィコ横浜国立大ホールでのGUNDAM EXPOのステージではやってくれました!キャラ炸裂のICIの世界を演ってくれました。

そしてこの作品にはスタジオではお会いできなかったけれど自宅スタジオでスペイシーな作品を菊地さんと作ってきてくれた坪口昌恭さん、POPサイドのバックトラックをあっというまに仕上げてくれた米田直之さん、スケベな、いや素敵なギターを弾いてくれた伊平友樹さんが参加して作品に色付けをしてくれています。

この作品に関わったミュージシャンたちは皆さん一筋縄ではいかない一口噛んだくらいでは味がわからないミュージシャンではありますが、その実、噛めば噛むほど旨味がぐいぐいと湧き出てくるとても”美味しい”方々です。そして好きじゃない人は一度立ち寄っただけで素通りしてしまうだろうけれど、好きになってしまったら一度ならず100回は通ってしまう素敵なレストランのようなミュージシャンたちなのです。NYのフュージョン料理から、南部のソウルフード、テキサスのステーキハウスまで味は様々ですがそれぞれに個性が素晴らしい通いたい場所です。菊地成孔さんと機動戦士ガンダムという機会を得て、少しでも多くの人の耳にみんなの音楽が届くと良いな思います。また、このちょっと変わった(?)チャンスを活かして、活動の幅が少しでも広がれば良いなと思います。この機会を活かすも素通りするもご本人達(発信者&受信者)の問題で、僕に何かできるというわけではないのですが、どうでしょう、ファミレスやコンビニで消毒されたものばかり食ってないでたまには裏道のモンゴル料理屋にでも行ってみようよ、てな感じでしょうか。あれ?分けわからないか。
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Altman Guitar 2015

2016-01-10 15:09:38 | ギター
昨年はマーチン・タイプのギターを手掛ける日本ではまだあまり知られていない個人製作家さんのギターが数多く日本に入ってきました。Bob Thompson、ken Hooper、Michael.J.Franks、Preston Thompsonなど、北米では主にBluegrassプレイヤーを中心にとても人気のある製作家さんたちのようです。先日神保町のアコースティック・ギター・ショップBlue-Gに伺った時に弾かせていただいたAltmanさんが作った2本のドレッドノートもそんなマーチン・タイプのギターでした。Altman A-D1というモデルはMartin D-18、Altman A-D2はMartin D-28で、勿論多くの製作家と同じく30年代のMARTINの再現を狙っています。これが素晴らしかった!!木材はトップがアディロンダックスプルース、サイド&バックはA-D1がマホガニー,A-D2は緑色が入った実に美しいブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)が使われていました。ネックは虎目が出てきそうないかにもハイクオリティなホンジュラス・マホガニー。塗装はオイルバーニッシュフィニッシュという仕上げがされているようで,マットでものすごく薄い感じです。ヘッドも締まった感じデザインで良い雰囲気です。見た目に迫力というか凄みがあります。ハードボイルド、硬派です。サウンドの印象も硬派。と言っても読んで字の如くの”硬い”サウンドではありません。ゴツン・ガツンとした太い音がたっぷりのサステインとともに出てきます。情報量がみっちり詰まっている感じで音の重量感が凄いです。それでいて決して反応が鈍いということもありません。痺れましたー。お店の方の話を聞いて納得したのですが多くのヴィンテージ系の製作家さん達が”薄くて軽いギター”(37年までのマーチンは薄く軽く作られていました) を目指しているのとは逆で少し厚いトップを持っているそうです。持った感じもMerrillなどと比べるとズシッとした感じです。これはAltmanさんがマンドリンを製作しているのと無関係ではないのかもしれません。アーチトップの弦楽器は表板が薄くはないですから。最近のトップが激薄なものが結構あって、それはもの凄く鳴るのですが、僕の演奏レベルでという話ではありますが、コントロールしにくい感じがあります。音の密度よりも倍音の豊かさや反応の速さが際立ちますね。それに比べてトップ(表板)がある程度の厚みを持っているというこのギターはムッチリした艶っぽい塊が飛び出してくる感じです。初めての体験で興奮しました。Carl.Robert.Altmanさんは1945年生まれというから御年70歳!いままで知らなかったのが不思議です。弾いていると興奮して汗がジトっと出てきました。店主曰く

Merrill、ピンチです、、、、

お店はMerrillの日本代理店なのです(Altmanの代理店も始めたそうです)。お値段を伺うとMerrillより少し安い。これはピンチかな、いや、乗り換えちゃおうかな、オレ、と思いました。ということで比較にちょうどお店に在庫してあった最新のMerrillのC-18(ニカワ接着モデル)を弾かせていただきました。ああ、これはこれでやはり素晴らしい、、、、。この言い方が正しいのかどうか分かりませんがそれはやはり”正調”ゴールデン・エラ(30年代)Martinの音がしたのです。これでは乗り換えられない(苦笑)。どのみち素晴らしい色彩のブラジリアン・ロースウッドモデルは嫁ぎ先がほぼ決まっていたし(その方はMerrillとトレードのようでした)、マホガニーも素晴らしいけど、やはりロースウッド系のモデルが欲しい、、、ということで踏みとどまりました。Martin系のギターに興味のある方は是非一度お試しいただくことを強くお薦めします。


ブラジリアン・ローズウッドのモデルA-D2


迫力のあるヘッド。ペグはレリック仕様のウェーバリィー。


美しいブラジリアン・ローズウッド


緑色が入ったグレードの高い材を使用。



マホガニーのA-D1




コアより美しいのでは?というマホガニーがセレクトされている。


実は40年のマーチンD-18とも比べてみました。


ライバル?Merrellとの3ショット。どれもいい顔してます。
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Peggy White”PREMIER”(2015)

2015-12-01 01:54:02 | ギター
Peggy Whiteさんのギターを弾きました。Peggy Whiteさんはカナダの女性ビルダー。2011年にギター製作家になることを決心しカナダの名匠Sergei de Jongeさんのギター・ビルディング・コースで学びその後これもカナダの女性名匠Linda Manzerさんに師事したそうです(ご本人のホームページより)。Sergei de Jongeさんといえば当方の敬愛する製作家家の一人であり、主宰するギター・ビルディング・コースからは数多くの製作家が育っています。彼が1997年に作ったモデルを所有していますが、シトカスプルース・トップ、インディアンローズウッド・サイド&バックという標準的な仕様ながらその素晴らしいサウンドは自分を魅了し生涯手放さないギターに決めています。Linda Manzerさんと言えば何はともあれPat Methenyさんのギターを作っていることで有名ですね。また、カナダのハードボイルド・シンガーソングライター Bruce Cockburnさんも彼女のギターを愛用しています。Manzer Guitarもいくつか弾いたことがありますが、これもまた素晴らしいギターでした。女性が作っているというと繊細で優しく美しい音をイメージしますが、Manzer Guitarはそれ以上に骨太な印象をあたえるスケールの大きなギターでした。そして二人ともJean Larriveeさんの下でギター製作をスタートしています。Larriveeさんの下ではWilliam"Grit" Laskinさん(彼は1997年にカナダのクラフトマンに与えられる最高の賞"Saidy Bronfmann Award for Excellence"を楽器製作家として初めて受賞しているそうです)も学んでいて、Peggyさんもそんなカナダのギター製作家の大きな流れの中にいる一人と言えるでしょう。

Peggy White Guitarから最初に受ける印象はやはりManzer Guitarからの影響でしょう。よく見ないと(失礼ながら)コピーモデルと勘違いしてしまうほどです。それは材の選択から、ヘッドの雰囲気、ボディやブリッジの形状などギター本体は勿論、WEBサイトのデザインやカタログ上での作っている楽器の種類にまで至ります。ただ、今回弾いた”PREMIER”というモデルをよく見れば、その丸みを帯びた膨よかなボディはPeggy White Guitar独特のもであり、ボディの右肩からカッタウエイの左肩への流れるような連続性のあるラインやロゴにはPeggy Whiteさんの美意識が表現されています。トップには美しいジャーマン・スプルース、サイド&バックにはここ10年ほどでハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)の代替材、いわゆる”ニュー・ハカランダ”として登場し、あっという間に希少材になりつつあるマダガスカル・ローズウッドが使われています。また、"PREMIUM"を名乗るだけあってロゼッタやトリムにはグリーンやブルーがしっかり出たとても美しいアバロンでインレイが施されています。エボニーのヘッドプレート、ブラッククロームメッキされたGOTOH510ペグ(GOTOHさんの登録商標でコスモブラックというらしいですね)が全体を引き締めています。

さて、サウンドはというとこれはある種予想を裏切られました。当然のようにManzer Soundを予想していたわけですが、そうではありませんでした。暖かく丸みを帯びた優しいトーンで”ほっこり”という言葉がぴったりなサウンドでした。抱えた感触から弾き心地までとにかくほっこりと暖かい感じです。とても丸く柔らかいものを抱えているようなサウンドです。真綿のようなサウンドと言っていかもしれません。と言ってもふかふかで芯がないとかいうことはなく、かなり太い芯はあって反応ももっさりしているわけではないのですがとにかくほっこり暖かいのです。いままでこういうサウンドのギターは弾いたことが無いですね。ジャーマン・スプルース+マダガスカル・ローズウッドという材の個性よりも"Peggy White Sound"とも言うべき製作家の音が前に出るギターだと感じました。彼女はギタービルダーになる前からシンガーソングライター(2003年に”Fair Is Fair”、2009年に”Falling”と2枚のアルバムをリリースしています)として活動していますから、自分の欲しい音、理想の音というのがはっきりあるのでしょうね。それは”楽器”を作るという意味においてとても大切なことだと個人的には思います。今後の 彼女の作品も楽しみです。

*Peggy White Guitarは2015年11月30日現在、日本での代理店である神保町のBlue-Gさんで試奏できるようです。動画もアップされています。








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音響ハウス第1スタジオ

2015-09-25 11:30:10 | 日々
昨日は久し振りの古巣・音響ハウス。久し振りに来ると思い出すこと多々あり。9000jのメーターも年季はいってきているなぁ、、、。

このスタジオのDynaudioのラージ・スピーカー、実は発注色はブラックだった。当時のチーフエンジニアはソフトバッフルの色と合わせたかったらしい。俺はスタジオを暗くしたくなかったし、当時は珍しいナチュラル仕上げも素敵だと思ったので間違えて来て良かったと思った。でもたぶん間違えたんじゃなくて確信犯だったんじゃないかな。当時、Dynaudioは後発で売りだしたばかり。広告になっていたロンドン・エアースタジオのラージもナチュラル仕上げだったから、これをイメージカラーにして売りたかったに違いないのだ。日本で初めて入るDynaudioがありきたりの「黒」ではあまりよろしくなかったであろう。

世界初導入の目玉SSL9000Jコンソール。当時、これには超目玉機能としてディスクトラックというハードディスクレコーダーをオプションでつけられた。1995年としては画期的だが懐疑的で発注はしなかった8GBのHDR、、、、だった筈なのだがSSL社主催の9000J発表会に参加したら最後に「この世界で初めてリリースされ音響ハウスに導入される9000Jはディスクトラック付きでございます!」と宣言された。驚いたー。その前に隣り合わせた同業者との会話で「買わなかったよ」と言ったばかりだったからなおさら。当事者も騙された、これぞ本当のサプライズ。でもこれにはどうしても目玉商品を導入させたいSSLの思惑があったのであろう。実効支配的フライング。その後のやりとりの詳細は教えてもらえなかったが、猛抗議→謝罪→売り込み→諸条件のすり合わせ→導入となる。そしてほぼ使われないまま返却されていった、、、、。

この時のデザイナーさんは個性的な方で色々相談に乗っていただいた。無知なオレは彼をかなり呆れさせてしまったが、、、。ギザギザの鉄製階段は彼のアイデア。素晴らしいデザインだと思ったけれど、お披露目前日の最終チェックで施工会社社長の”怪我するおそれがある、けしからん”の一言でゴムキャップが被せられた。確かにその通りではあったが、ノコギリ型のシャープでモダンなデザインは台無しになった。写真を見ればカバーがしてあるところと無いところの見栄えの差は歴然。しかし、まあ、仕方がない。レンガ風の壁はイギリスなど海外のスタジオから採用。そこに黒板ではなく御影石のボードを埋め込んだのもデザイナー。レンガと御影石。同じ”石”を組み合わせてテクスチャーの違いで変化をつけている。写真は無いけれどエレベーターのつら面の壁にはバーズアイメイプルの化粧板が貼られて、ギター好きのオレは密かに興奮した。

飲み屋での殴り合いもあったな~。語りだしたら止まらない1994年~1995年の思い出。











音響ハウス1st
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RCA のヴィンテージ・アナログレコードプレーヤー

2014-12-24 03:10:52 | 日々
本日は笹路正徳のオーディオ関係の仕事で親交のある評論家・田中伊佐資さんのご自宅にお邪魔しました。スペースシャワーTVの収録です。オーディオルームは撮影の都合上立ち会うことができなかったのですが、階下で漏れ聴こえた「Come Together」の音が素晴らしくてシビレました。再生機はなんでも戦後すぐに作られたRCAのアナログプレイヤーだったとか。氏曰く「これを聴くとオーディオの進歩ってなんなんだろうなって思っちゃう」とのこと。それくらい凄い音をしていました。是非またお邪魔してゆっくり聴かせていただきたいです。写真は伊佐資さんのblogに掲載されていたオリジナル。伊佐資さんのご自宅にあるものはアームは最近のものに交換されているそうです。そしてペットのフィリピン・リクガメは超癒し系。ゆったりと草をハムハム食べている姿を見ていると古代を感じました。素敵な一日でした。


鉄製の筐体の内部。巨大トルクのモーターがベアリングで回転を落としてダイレクトでつながっている。


恐竜的フィリピン・リクガメ。アグレッシブで収録中にバタっとひっくり返った。しかし自分では起き上がれないのだ。可愛い。
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アマゾンローズウッド(Merrill OM-28 2014)

2014-11-17 22:41:51 | ギター
先日某楽器店よりアマゾンローズのMerrill OM-28が入荷したという連絡を頂いたので早速お店にお邪魔しました。”ニューハカランダ”なんて呼ばれて、それぞれに素敵な音色を持っていると思うのですが”惜しいけれど代替材なんだよね”的な扱いをされてしまう材の一つです。仲間にはホンジュラス産やマダガスカル産のローズウッド、ココボロなどがありますが、アマゾン→ブラジルということで”こりゃブラジリアン・ローズウッドじゃない?とりあえず”的な見方もされちゃう材です。かくいう僕もこれを最初に見つけた時は”これが一番ハカランダに近いんでしょ?”と決めつけました。見つけたって言っても弾いたわけじゃなくて雑誌で見つけたわけですが。イメージでね(笑)。

それでこれはもういつもの話、繰り返しになるわけですがハカランダにはハカランダの音が、ホンジュラスにはホンジュラスの、ココボロにはココボロ、マダガスカルにはマダガスカルの音があるし、製作者や製作時期、材のクオリティなどからくる変化(当たり外れと言ってしまってもいい)もあるわけでどれがどうと決めつけることは出来ないと思うのです。弾いてなんぼなんです。伴奏楽器なのかソロ楽器なのかとかの用途、音楽性でも違うしね。ブルーグラスとマイケル・ヘッジスじゃあ、求められる音も違うでしょう(あれ、彼の愛用楽器はMartin D-28だったから同じなのかな、、、)。

さておきアマゾンローズウド・サイドバックのMerrill MO-28 2014ですがこれが実に美しいサウンドでした。先日弾いたハカランダは”キンッ”とした金属的な鳴りが含まれますが、アマゾンローズのこちらはふくよかで綺羅びやか。ハカランダが”カキーン”ならこっちは”ドーンキラッ”って感じです。その時に弾いたMartinのアマゾンローズのしっとりした美しさともまた違った美しさのサウンドでしたね。ちょっとウッディな甘さがありました。あれができたてホヤホヤでアメリカから送られてきたばかりというから驚きです。半年後が恐ろしい。今、Merrillさんは調子がいいんじゃないでしょうか?オーダーしてみたいな、そんな気にさせる禁断のギターでした。


ロゴ無しの小さめヴィンテージヘッドが地味お洒落


あまりにも柾目でまるでインディアンローズのようなルックス。そういえばインディアン・ローズウッドっていうのも実は個性的な材ですね。好みです。




トップグレードのアディロンダック・スプルースとヘリンボーン・トリム&セルバインディング、アマゾンローズウッドの木目が生み出すシンプルな美しさが清々しい。
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