三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

真空管(電池管)式携帯ラジオのご紹介

2015-07-29 21:43:39 | 日記
真空管式の携帯ラジオをご存知だろうか?携帯=ポータブルだから交流100ボルトの電源は使えない。つまり,電池で働く真空管を使ったラジオである。まあ,真空管をご存知なければ,電池で動かすと言ってもそれがどれ程の意味をなすのかもわからないであろう。これは真空管を知らない人を侮辱しているのではない。歴史とは,技術の進歩とはそういうものだということを言いたいだけである。
前置きが長くなった。この度シルバーという銘の真空管式携帯ラジオを預かった。まずはその外観をご覧いただきたい。

上部に取っ手がついている。大きさは縦約85mm,横約150mm,幅約50mmである。まさに現在のソリッドステート式ラジオに比較して遜色のない大きさではないか!
しかし,このラジオを働かせるには1.5ボルトの電池のほか,67.5ボルトという驚くべき高圧の電池が必要なのである。
下の写真をご覧いただきたい。裏蓋を外したところである。真空管が2本見える。

下と右の方に空間のあることがお分かりいただけるであろう。下の空間には67.5ボルトの,右の空間には1.5ボルトの電池を納めるのである。1.5ボルトの電池は問題ないが,67.5ボルトの電池をどうするか?である。今でも手に入らないことはないらしい。しかし,かなり値段がかなり高いらしい。
そこでみなさんいろいろ考えるのであるが,どうも簡単な方法が見つからない。1.5ボルトの乾電池なら,67.5÷1.5=45個も必要になる。すると,どうしてもサイズが問題になるというわけだ。
わたしは単五サイズの12ボルト乾電池を6個直列に接続することにした。12×6=72ボルトである。4.5ボルトほど高いが,問題ではない。
下の写真はこの12ボルト電池6個である。

先年息子に秋葉原から買ってきてもらったものだ。これをどう組み立てるかだが,今回ははんだ付けで実現することにした。

構想は上の写真を見ていただければ直ちにわかるであろう。6本まとめてセロハンテープで固定したところが下の写真である。

ところが,この程度の組み立てでは接触圧が不足して,合計電圧が端子に現れてこない。そこでビニルテープを引っ張り加減に縦に巻いてみた。すると安定して77ボルトが得られた。下の写真で,テスターの指示が77ボルトを示しているのがお分かりいただけるであろうか?(多分駄目だろう。)

77ボルト?72ボルトではなかったのか?――そう,電池のセルは厳密には1.2ボルトとか,1.5ボルトとか2ボルトとかの切れのいい数字ではない。また,77ボルトOK。
さっそくラジオに組み込んだ。

裏蓋を閉じてスイッチを入れると,ポツッという音がするものの音声は全く聞こえない。長いアンテナをつなぐと,わずかに2局ほどが蚊の鳴くような声で聞こえた。
わたしの棲んでいる田舎町ではラジオ放送の電界が弱く,そのため聞こえにくいのでしょう。ためしに,百万都市に持って行ったところ,ガンガン鳴るではないか。さらに音が割れていることもわかった。多分部品が老化しているためだろう。近いうちに部品をすべて取り換えて往時の綺麗な音を再現したいものだと思っている。■

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