いやもう、日本はINF条約違反の片棒をかついで、その上NATOに代表事務所を置くそうなので、正式にロシアを敵にまわすことになった模様。イランPress TVの記事には怒ったザハロワの会見の発言が出ていた。でも、日本の国民はほぼなんだかさっぱりわからない状態で、多分、もしこれでロシアが腹を立ててきても、日本政府は、ご指摘はあたらない、とかいうんだろうなぁとか思ってちょっと笑ってしまった。なんなのこの人たちってところですよ、ほんと。
でも、戦前も何がなんだかわからない、どうしてそんなに拡大しているのか誰も知らない戦争に入っていったんだものなぁとか思うと、変わらぬ日本、でございましょうか。皮肉にもならないけど。
さらには、いずもはやっぱり空母だった事件もあり、これを、空母を入手した、万歳とかいっている人たちがいるわけで、現代のちょうちん行列的な賑わいでしょうか。しかしこれに孫崎さんがまたまた異論をつきつけていた。
孫崎 享
@magosaki_ukeru
12月27日
離島防衛に空母。寝言は止めて欲しい。戦艦大和は爆撃でハチの巣のようになり沈没。空中戦で中国に勝利することはない。ミサイルの飛びかう時代空母が島の周辺に行ったら守れる時代でない、戦闘機の離陸する滑走路をミサイルで破壊すれば飛べない 無料1時間
https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/946166856129191936
率直にいって、米の外征の都合で日本にも空母を持たせたというだけの話で、日本の防衛とは何の関係もないと思うんだが、まぁそれはそれとして、今日もまた頭の痛くなるようなコメントが孫崎さんをおいかけていた。
日中の戦闘機の性能を考えたら、電子戦を含めて日本が中国に負けるとは考え辛いです。地上や艦船からの対空ミサイルも考え合わせるとなおさら。イラク戦争で米が最初に徹底的にミサイルでイラク軍とその施設を壊滅させたような戦法を中国が取らないと、中国は日本周辺で制空権は取れません。基地分散?
まず、中国は日本周辺の制空権を取る必要があるんだろうか? 部分的に台湾周辺、渤海湾とその延長などはその必要があるだろうが、でも、日本周辺に対してはどうなのだろう?
ないのではなかろうか、と私は思う。なぜなら、中国にとってまず重要なのは台湾周辺であって、日本列島まであがってくる意味はないから。
そして、どうしても日本を攻撃する必要があるのならミサイルの飽和攻撃で足りるから。なんせどこもかしこも島なんで、撃ち込む側は航空機でもいいけど、海上からならどこからでも行けるという状況ではあるわけですよ。そして、最近のミサイルは移動式だし、小型で高性能のものもいっぱいあるわよ。コルベットでできるなら漁船だってできるし、トラックの荷台に積んだコンテナからというのも想定されてる。
にもかかわらず何で制空権に拘るのか?
多分この人の頭の中の戦争は、太平洋戦争末期の本土空襲から進んでないからではなかろうか? つまり、ミサイルを使った戦争が加味されていない。
その一つの証拠は、戦闘機の性能を考えたら云々か。我が方の戦闘機が優秀だから、中国軍の侵入を許さないのだという感じでしょ。これはこれで一面では真実ですが、ミサイルが絡むと妥当でなくなる。
あと、「日中の戦闘機の性能を考えたら」というのは、どういうことなんでしょうかね。中国軍自前のも優れてるのがあるんでしょうが、J-20が何ものなのかよくわからないので、ともあれ双方の装備として、スホーイ35 vs F-35が最上位としてみましょう。これって、日本の圧勝なんだろうか(笑)。いやぁ、そういう話はあんまり聞かないっすよ。蔵権さんが時々ミリタリーオタの話をコメントしてくれてましたが、最近どうなんでしょうか。「日中の戦闘機の性能を考えたら」、日本が負けるわけはないと言えるような状況はあるのだろうか?
あと、数量の問題も見落とされている気がする。中国は台湾正面には最新のものを並べているというのは昔から知られているところ。一体上のコメントの「日本周辺」がどこを指しているのかわからないけど、日本の装備はそれほど多くの航空機をそろえているんだろうか?
数量じゃない、機能だ、機能的に負けるわけはないのだ、なんでしょうか?
なんとなくそれって、ドイツ軍のティガー、パンターetc.の方がソ連のT-34より性能が優秀だと言い続けて、ドイツ優秀説に安堵する人々のメンタリティーを思い出させる。
個々の突出して優れた戦車が数十台あるよりも、一定水準以上の戦車を量産できる方が強い、という戦場における簡単な事実をどうしても了解できない人々はいる。
性能オタの人というのは、何か戦闘が一対一でリング内で行われているかのような錯覚を持ってると思うな。戦争とは広大なロジスティックの網の中の一部で戦闘が行われるものであり、兵器とはその戦闘の連続の中でどう使えるかがまず問題だという視点がない。
もう一つ。太平洋戦争時における米軍の日本への空爆というのは、日本を今後ずっと支配する都合上、原住民(私らね)の反抗意思を砕くという意図もあったんじゃないかと思う。それを隠したいから、今でも、戦争を早くやめるためには仕方がなかったのだのへちまだのというプロパガンダを繰り返して繰り返し流している。
そんなに戦争を早期に終わらせたかったのなら、陸軍を投入して満洲の日本最強の、そして日本政府がどうしても言うことを聞かせられなかった関東軍を倒したらいいだけの話。しかし、アメリカは自分ではそれをやりたくない。陸軍を投入すると死傷者が激増するし、面倒だし、大変だから。そこでソ連にやらせた、と。しかし、いざそうなったら、酷い人よねソ連ってといきなり日本人に寄り添う怪しい米国でございました(笑)。
ということなので、対日占領政策に関係する非常に特別なオペレーションを普遍化しているメンタリティーってのは結構な問題かもしれないですね。最近もBSで、カーチス・ルメイの日本本土攻撃がどうしたこうしたやってたけど、そこでも、戦争を早く終わらせたかったのだのへちまだのというナレーションがついていた。ああ、やっぱりこの線はプロパガンダにとって大事なんだなと再確認した思いだわ。
で、太平洋。昨日も書いたけど、中国を太平洋に出てこらせないためにとかなんとかよく言っている人がいますが、中国にとって重要なのは太平洋というより、南シナ海方面でしょう。太平洋はまぁ各国の通商にとって重要。誰のとかいう話でもなく封鎖できる海域でもない。
太平洋より、やっぱり南シナ海、インド洋方面の方が交易にとってはずっと重要でしょうね。
この地図はオランダ東インド会社の交易図なんだけど、交易路の重要性という意味では今でも使えそうな地図だと思う。
ということで、考えれば考えるほど、いよいよもって、日本本土を手間暇かけて占領(コントロール)したい人々は、大陸に住まいのある人ではなく、遠くから来る人たちだって話になると思うなぁ。
で、ぶっちゃけ、中国と日本(または二人羽織的にかぶさってる西側勢)の間で一番問題なのは、前にも書いた通り、台湾だと思う。朝鮮じゃない、と私は依然として、というか一貫してそう考えている。