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宴の始末(17) 再度「穏健派」を作るイギリス

2016-10-25 14:11:22 | 欧州情勢複雑怪奇

西側メディアがあれだけ大騒ぎをして、人類史上まれに見る蛮行だとまで言っていた東アレッポについて、最近何も書かれてないんだけどどうなんでしょうね(笑)。

宴の始末(16) 東アレッポはほんとに詰んでる

の続き。

ロシアとシリアの主張は、東アレッポのジハード系はそこを出ろ、米またはNATOは影響力つかえ、というものだけど、それができないUS/NATOは、意味不明な大騒ぎをしたわけです。つまり、問題の核心は、US/NATOが東アレッポに籠ってるアルカイダ系レルを含む、または主体とするジハード系勢力と縁が切れない、とうことなんです。

とりあえず、それでは、ということでシリア軍、ロシアは軍は空爆を停止して、東アレッポからの出口をチェックポイントにして、出る人は出てくださいという体制はできてる。1週間ぐらいたった。

この一週間にも、ジハード系つかまぁ言いたきゃrebels(武装勢力)というニュートラルな名前を使ってもいいけど、出口付近で小規模な攻撃をしたりして、依然やる気だなって感じではあった。

今日のRTが言うには、結果として、出て来た人は女性と子ども48人だそうです。

つまり、一般住民は動けない。または動かない。

で、この一般住民の数は、前には20万ぐらいと言われていたけど、先月末からの西側メディアの発狂モードの中では、27万人に増えていた。一方、アメリカの上院議員のブラック氏は、8万ぐらいしかいないんじゃないかと私は思っている、といっていた。つまり、テロリスト側が大げさなことを言っている、と。でも、いずれにしても相当な人間が閉じ込められている。

48 women & children flee rebel-held Aleppo as Damascus, Moscow cease
airstrikes
Published time: 25 Oct, 2016 02:34
Edited time: 25 Oct, 2016 04:36
https://www.rt.com/news/363973-aleppo-humanitarian-pause-week/

 

■ いないのなら、作ればいいんだ!

一方、イギリスが、我々と共に戦ってくれるmoderate rebels(穏健な武装兵とでもいうのか)を作るプログラムを再度開始するそうだ。

Troops go back to help Syrian fighters after training fiasco: U-turn after previous programme ended up with forces being kidnapped or joining extremists
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3869104/Troops-help-Syrian-fighters-training-fiasco-U-turn-previous-program-ended-forces-kidnapped-joining-extremists.html#ixzz4O4UiNm5b

言うまでもなく、これは去年までのところでアメリカが大失敗でしたと認めたプログラムをもう一度やるということ。多額の資金を突っ込んだが、そもそもシリア人で英米プログラムに入ってくれる兵士が少なく、入った人たちは最終的にジハードになってました、というあの情けない話のことですね。

アメリカのみならずイギリスも、我々と共に戦ってくれる「穏健派」は70000万人はいるのだとキャメロンが議会で語っていたのを私も覚えている。当時からイギリスの一般人および知識のある人、または脳に味噌ではなく脳みその入っている人は、そんなものは幻想だと政府に批判的だった。

それを、再度やるそうです。トルコとヨルダンあたりで訓練をするそうな。

で、イギリス国民向けには、ISと戦う「穏健派」とか言ってるけど、そんなことを信じている人は昨年との比較で激減して、まぁ、アサド打倒をあきらめてないってことやろな、とみんな思ってる。だって、肝はそこでしょ?

スプートニクは当然そこらへんをストレートに書いている。

UK Plans to Train ‘Moderate Opposition’ Fighters in Syria Once More
https://sputniknews.com/military/201610251046686202-uk-moderate-opposition-syria-training/

 

■ 総じていえば

総じていえば、US/NATOグループは、ロシアとシリアを批判しながら、自分の手駒を温存することに成功している、と言えるかもしれない。

これは次の局面に備えているという意味なんでしょう。

つまり、ヒラリーが来たら、シリアの上空をわが物にして、シリア人なんかみんなぶっ殺して、ジハードの天国にしてやる、と、それはつまりアフガニスタン、イラク、リビアのようにするみたいな感じですかね。

で、それが成功したとして、一体全体何がうれしいの? 秩序破壊者としての面目躍如とか、人殺しこそ西側の本流を確認するとか?

多分、そもそものプランは、リビアの後、シリアを倒して、北部中東をUA/NATOの支配地域にして、イスラエルを保護し、その上で、次のターゲットはイランだ、ってことなんでしょうね。サウジが死にもの狂いなのはこの妄想に取りつかれているからとも言えるかもしれないし、イデオロギー系の右派は、これこそイスラエルのためになるのだとか思ってるのかもしれない。

が、しかし、仮にそれに成功したとして、それが一体何なの? そして、それは持続できるものなのか?

結局結構な確立で起こることといったら、リビアでやったのと同じように、シリアもお金のない国じゃないから打倒のついでにまたまた、再度、再再度、金を盗んで、アサド一族のどこかにあるお金を「没収」して、西側の奴隷の証ともいうべき中央銀行を設立して、とかいう話ぐらいじゃないですかね。これだけ唯一実体的、みたいな。

でもシリアは倒れなかったんですよ。そして、倒すためのコストは、1年前ロシアが介入した時から、計り知れないほど上がってしまったの。

つかそもそも、イランを倒すってのも大変だよ(笑)。

 

ということから考えるに、現状はまさしく現状保持を狙っているのが西側ってことなんじゃないっすかね。今後どうなるのか自分たちもよくわかってない、みたいな。

いずれにしても、ジハードとは手を切るべき、と誰も言えないのが西側世界ということが丸わかりになった。これが2016年の結論なのかもなぁ。

 


 

公共貨幣
山口 薫
東洋経済新報社

 

 

明治維新という名の洗脳
苫米地英人
コグニティブリサーチラボ株式会社

 


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1 コメント

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『朝鮮戦争化するシリア』 (ローレライ)
2016-10-25 19:42:46
イランへの圧力は『イランの人民中国化』を促し、当然『朝鮮戦争化するシリア』と言うことになる。

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