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パク大統領の金正恩暗殺指令説と「戦後70年」の年

2017-06-27 11:11:13 | アジア情勢複雑怪奇

昨日、「逝きし世の面影」さんが引用されていた朝日新聞の、パク大統領のある種の転向物語は非常に興味深かった。

朝鮮戦争勃発「67周年」パク・クネ大統領の金正恩暗殺指令

http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/d4d582a6f0d9270c8bcfd319b9410bee

 

興味深いのは2つの点から。

一つは、なぜこのおばはんが南北対話的から南北対立的へと変えたのか、タイムラインを考えるといろいろ興味深い。

もう一つは、朝日がこれを書いた意図はなんだろろうということ。

朝日は英語版でも書いてるから、それをRTが拾って手短な記事にしていた。

Former S. Korean President Park plotted to kill North Korean leader Kim Jong-un – report
Published time: 26 Jun, 2017 10:00

https://www.rt.com/news/394082-south-korea-kim-assassination/

 

で、一つ目のタイムラインの話。「逝きし世の面影」から引用させていただくと、

だが、15年10月の米韓首脳会談で米国(オバマ政権)が北朝鮮対話に反対する。
このため、朴政権は南北対決路線に急旋回し『現代』の訪朝も立ち消えに。12月に南北の当局者会談が決裂した後、朴前大統領は正恩氏を指導者から退ける工作を進める政策の決裁書にサインした。

15年10月からどうもパクさんが強硬路線になったと観測されている、と。

で、この15年10月頃に何があったかというと、ロシアのプーチンが国連で大演説をかまして、あんたら自分たちが何をやってきたかわかってんのか、と言い、その3日後ロシア軍がシリアで空爆を開始したというデカいイベントがあった。

国連総会70: プーチンのスピーチ

その前9月には、日本では安保法制を大騒ぎで通した。

同じ9月の3日、中国は、対日戦勝記念の日を祝い、大きな軍事パレード付の祝典を行って、そこにはプーチンとパクさんも出席した。

さらにその半年前には、ロシアの対ナチス戦勝記念パレードに、中国軍、インド軍が参加して、ユーラシアの人々は結構気分を高揚させていた。

 

という並びを思い起こしてみると、15年10日のオバマの意思決定は決定であって、その前半年ぐらい、多分、方針転換に向かっていたのではあるまいか、など思ってみたりもする。15年5月9日(これがモスクワの対ナチ戦勝記念日)に至るあたりに転回点があったのかもなぁ、と。そういえば、モスクワのパレードに北朝鮮の金さんを呼ぼうか、という話があったが実現されなかった、という成り行きもあった。

15年の対ナチ、対日戦勝記念日というのは、戦後70周年を記念する行事として例年にはないインパクトがあった。それを日本のメディアは飛ばしに飛ばして、まったく関係ないものとして、「黙殺」してたよなぁと思い出す。

で、ドイツはこの年、外相がスターリングラードを訪問して、ボルゴグラード(スターリングラード)の市民の前でドイツを代表して謝罪した。また膨大な数のソ連軍捕虜がベルリンで殺されていたことも発表して、なんだったか記念の何かを作るのだったか何かをやっていた。

ドイツ、ロシア外相スターリングラード訪問

私は、ドイツがここに、この都市に、全ロシアに、今日ウクライナ、ベラルーシと呼ばれるソビエト連邦のあらゆる場所に、そして全欧州大陸にもたらした計り知れないほどの苦痛に対し、ドイツを代表して謝罪を届けるためにやってきました。

つまり、ドイツはウクライナ危機はそれはそれとして、いちおう70年前の問題には誠意は見せて今後に繋げようという恰好になってる。まぁロシアとの関係は相変わらず政治的には悪いままではあるけど。(政治的には悪いが是が非でもロシア・ドイツ間の直通パイプラインの拡大はそのまま通す、という関係をどう見るかによるけど)

あと、日本の学者さんたちが静かに言い含めている、ドイツはホロコーストという問題では謝罪したが、東方への侵略そのものを謝罪したことはないのだ、というのも思えば今般のシュタインマイヤー氏の行動で、その限りではない、ってことになりましたね。

で、このシュタインマイヤー氏の行動は、氏が人気を保ったまま、メルケル政権の外相から大統領になったことを見ても、ドイツ国民は拒否していない、といっていいんじゃないですかね。

 

と、そんなことを考えてみるに、要するに極東方面の戦後処理は終わってないし、そこまで行く気運でもなかったので、パクさんに南北対話路線とか取られても困る、と誰かが考えたので、情報機関を通じてパクを懐柔していっってわけわかめの方向に行った、って話なのではなかろうか。誰って、まぁ極東米軍に利益のある諸団体ですが。

それにもかかわらず、結局文さんという対話路線の派が出てくることとなった。それも、パクさんの任期を切り上げる形で。

ということは、極東のお片付け推進派と、現状維持派はバトルを繰り返しており、推進派は弱くはない、と考えるべきなんでしょう。

 

■ オマケ

ちょっと妄想してみるに、気になるのは、10月にはダマスカスにISの旗が立っているはずだった、という駐英ロシア大使の発言。

昨年夏、私たちは西側のパートナーたちに10月にはダマスカスがISに落ちるだろうと言われていた。

去年10月にはダマスカスにISの旗が翻っているはずだった?

昨年夏というのは、15年夏のこと。だから、ロシアが出張らなければ、15年10月ぐらいにはシリアのアサドはいなくなる、というタイムフレームで動いていたんだろうって話で、これはそうへんな想定でもない。

ISっていう団体じゃなくてISを使ってる米とその有志連合が、というのが主体ね。

で、そうだとしたら、ここらへんでシリアが片付いたら朝鮮だ、とか思っていた人たちがいたりして?など想像してみる。つまり、なんかきっかけつくって朝鮮で戦争にして、南北統一を目指す、ってな構想。(1994年の危機はクリントン政権下だったことを思い起こしたい)

現状維持派の目標は南優位の南北統一でしょ? つまり、原型はどこにあるのかというと、東ドイツにまったく発言権を与えず統一した西ドイツの例だと思う。分かれてるからには、双方に言い分はあるわけですよ。しかしそれを一切言わせず、経済優位の西が東を併合したようなものだったのがドイツ東西統一。極東でもそうしたいと思っている人たちがいるんだろうなぁと思っている。

ここらへんで書いた話。

朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」

 

■ オマケ2

2015年に書いたものだけど、要するにこういう話だと思う。

わかってないってことだと思うんだよ、日本国政府

民主党後期から安倍ちゃん政権によって、日本は試験に落第した、って話。これはおおかたの日本人には腹立たしいが、実は、アメ様こそすべての現状維持派にとっては望ましい。そうでないと、「あの戦争」の敗戦の仕方、あるいは突っ込み方について70年間国民を信じ込ませてきた辻褄の合わない神話が崩して、文字通りの国民の歴史を作らないとならなくなる。それが嫌な人たちがいるということでしょう。
 
前にも書いた通り、関東軍の処遇が考慮されていない終戦プランの話なんて到底信じられない。

1945年8月10日、午前2時、昭和天皇の「聖断」

で、今日これがまた結構重要になっているのは、北朝鮮問題って、要するに大陸北部において日本軍はソ連に負けた、それも大負けして秩序を失ったというところから話を始めないとフェアに読み解くことができないから。
 
関東軍はソ連軍に武装解除された。2015年にスプートニクが武装解除を受ける日本兵の写真をわざわざ出してきていたのは、戦争というと太平洋のことばっかり見てる日本にヒントを投げたんだと思うけどね。
 

 

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6 コメント

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フィリピンも心配 (蔵権)
2017-06-27 13:05:59
ミンダナオ島に米軍が入り込んでるが、ドゥテルテは「米に救援は要請してない」と言ってる。何かしらの密約があるのか知らんが、既成事実をどんどん積み上げられて、シリアみたいになっちゃはないか心配。
可能性はあるけど (ブログ主)
2017-06-27 13:18:44
蔵権さん、

そうなんですよ。私もここが心配。今のところ「リベラル」メディアは長期戦になったらどうしよう、どうしよう、大変だわ、と喜んでますが(この悪意!)、大崩れではないような感じがしてます。

あと、最近、国連が遅まきながらテロ対策専門のユニットを立ち上げて(総会で承認されるレベルもの)、その長にロシア人がついた、ってのはテロ拡散防止にとってはグッドニュースかと思います。
シュタインマイヤー (とど)
2017-06-27 14:22:13
ドイツの連邦大統領は、立場的には日本の天皇に似ていて、政治的な権限を持たないので(中立的な発言しかできない)、政治家が大統領に選ばれるときは、彼が政争に敗れたと見ることもできます(例:ヴォルフ)。シュタインマイヤーはおじいちゃんなので、引退前の最後の花道だったのかもしれないし、でも、もしかしたらメルケルが彼を政治的に葬り去ったということもあり得ると思います。
『北朝鮮も狙ったオバマ』 (ローレライ)
2017-06-27 15:05:17
『金正男暗殺』が『金正恩暗殺計画』と連動していた説だと『パククネ政権の暴走』とは『北朝鮮も狙ったオバマ』と言う事になる。
しかし行為は残る (ブログ主)
2017-06-27 15:13:14
とどさん、

メルケルはシュタインマイヤーが邪魔だったから政治的に葬ったというのは多く語られたしそれはそうだと思います。
が、ドイツとして彼は行為し、その行為は残るんです。
また、メルケルも、ソ連で起こったことはドイツの責任であるという言及はしているので、この件に関してはやれる人はSPDだというだけで、やって一区切りといのはまったく疑いないでしょう。(まだ東西ドイツ問題が残ってますが)
関東軍 (蔵権)
2017-06-27 21:59:10
オマケ2のリンク先を読んで考えたんだけど、
太平洋戦争の敗戦が決定的となった後、日本軍の徹底抗戦は、事態が好転する何かを期待していた?

チャーチルのアンシンカブル作戦が実行に移されていたら、欧州方面は再軍備したドイツ軍50個師団がソ連に侵攻する計画だったが、極東方面は破格の条件でアメリカと講話した後に、関東軍がソ連突入?

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