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トランプ大統領就任。でもまぁSCO&南北回廊も元気よ

2017-01-22 17:08:42 | アジア情勢複雑怪奇

トランプが本当に大統領に就任した。

とはいえ、お金かけて反トランプ派を仕込んでいる動きが丸見えなので、いずれかの時に弾劾しようという傾向は今後も継続するのでしょう。

さらに、基本的には、トランプの外交方針というのは非常に危ういことをざらざら言っているし、わけても、中露結託にくさびをという傾向が顕著になっていくのだろうとは前から書いている通り。

今日、「メディアに載らない海外記事」さんが、エングダールの最新の記事を訳されていたけど、おおむねこの見取りに私も賛成。

トランプは、ヘンリー・A・キッシンジャー & Coのための裏口男?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/a-co-3e48.html

今やキッシンジャーは、次期大統領トランプと陰の外交政策顧問として特別な関係を持ち、キッシンジャー同盟者のティラーソンが国務長官、マティスが国防長官となり、キッシンジャーの強権で、欧米ワン・ワールド妄想の拮抗力となりうる可能性を破壊するため、中国とイランを標的にして、中国とロシアとイランの間に不信と不和を醸成することで、プーチンとロシアを利用しようという彼独自の「イギリスの勢力均衡」政治操作が姿を現し始めているのだ。

実際には、そもそもの始めから、ドナルド・トランプは、世界的地政学を、世界に対する支配的国家としてのアメリカの主導的役割へと引き戻すために、ヘンリー・A・キッシンジャーの「裏口男」となるべく企画されていたと考えずにいるには、世界的平和の政治家、キッシンジャーの最近の登場ぶりには、余りにも偶然の一致が多過ぎる。

■ 南北回廊・CPEC

だからこそイラン問題が非常に大きい。

そして、前から書いているけど、オバマがやった不可解な出来事がまさにイラン・ディール。

これを悪意中の悪意で考えるなら、イランを標的にするためのなんらかのトラップなんだろうと考えるべきなんでしょう。お金と脅しと、諜報機関による騒乱作りでどれだけのことができるのか、わかりませんが。


そこで、どうであれ悪だくみ(あるとしてですが)をブロックするものとして、南北回廊と中国・パキスタン回廊が大事なのだろう、ってのが私の考えだす。

後戻りできない「トランプ現象」とCPEC・南北回廊

 

■ 見えちゃってる戦略

で、私が思うのは、確かに上の記事のような逆キッシンジャーはリアルな懸念ではあるけど、でもさ、こんなに見えちゃってる作戦って機能するわけ?とも思うんですよ。

南北回廊にしても、中欧勢力とロシアの関係改善にしても、この、いわば逆キッシンジャー作戦の無効化を狙ってロシア、中国が動いているんだと思うんだけど、それもまた見えちゃってるわけですよね。

で、これらは大陸勢にとっては見えてまったくいい話。なんでかというとこれら大陸勢の動きの一つの大きな特徴は、そこに住む多くの人々に安定と利便性を与えましょう、というデカいメリットがある話だから。戦争するんじゃなくて線路引いて貿易しましょう、とか言ってるわけですからね。だから宣伝していい。

そして彼らの戦略は常に各地の現地勢力と結びついていること、これも特徴。

これは別に不思議じゃないですね。これら大陸勢はもともとでっかい帝国経験者なわけです。でっかい帝国というのは、前にも書いたけど、一人の独裁者が~などと外側世界の人がどれだけ書こうとも、実際には長い時間をかけた現地勢力との妥協で成り立ってる。よく見ると多様性温存型。だからこそ「帝国」とも言うけど。

これに対して、いわゆる the West は、終始一貫して「買弁政治家」登用が基本戦略なんだと思う。現地勢力を本当には信じてないから、現地勢力と結びついた政治家を嫌う。嫌って、その代りに、the West の要するに「マスター」だけを見る政治化、官僚等々を使って支配層を形成する。今日のウクライナがその好例。

この戦略はどこから来たのかと考えてみるに、要するに、the Westの方は、海から(あるいは遠くから)その地にアプローチすることが基本なので、現地民との本当の接触を嫌っている、ということなんじゃないかろうか。まぁ、できっこない、だって収奪が目標だから(笑)。で、現地民を説得するみたいな面倒なこともしたくない。

間接支配とも言えるけど、つまり、軍政でしょう。

この軍政型の間接支配がどこまで効くものかというのも今後のお楽しみですね。

 

■ SCOの最新

で、上海協力機構(SCO)の最新ニュースは、ロシアのラブロフ外相が、パキスタン、インドのSCO正式加盟は2017年6月を目標にしちょります、と20日に発表していた。

Russia expects India, Pakistan to complete process of joining SCO in June
January 20, 12:32 UTC+3
http://tass.com/politics/926252

 

この状況はパキスタンにとっては一安心、って感じだろうけど、インドにとってはかなり難しい状況。再々書いているけど、インドはソ連装備の国だったし、中立といいながらも外交方針的にソ連に反旗を翻すような立場ではなかった。しかし、過去25年間に徐々にアメリカ側に倒れていって、どうやら外交官も一世代まるごとネオコン的な世界観に侵食されている人が多くなっていた模様。

別の言い方をすればヒラリーに賭けちゃってたチームになっていた。だからこそ安倍ちゃん日本と原子力協定とか結んだりする。これは日本と結んだんじゃなくて、日本をカバーアップにして、西側にインドを持ってきたって話ですからね。

(日本だけがNPTをぶち壊す人になり、残りの欧米企業は国としては違反をせずに、日本のディールによってインドと核がフリーハンドになる、とういこと)

ところがヒラリーは来ない。

ってんで、おそらくインドは現在戦略練り直し中じゃなかろうか。なんか妙にロシアからいろんなもの買ってたりするように見えるし、モディさんは最近もまた、ロシアはいつに代らぬ友人だ、友人だと言ってたらしいが、これはつまり言わなければならない状況が来た、ってことだと思う。

 

■ 南北回廊の最新

南北回廊の方では、エストニアがこの回廊プロジェクトに入りたいかも、いいかも、でもまだ何とも言えないけど・・・とか言い出したとロシアメディアが伝えている。ここ

エストニアはバルト三国の一番上のところ。

(クリックで拡大)

南北回廊はエストニアにとって良いことだと思いますね。貿易市場が広がるだけでなく、位置の重要性を、ただにひたすら西側からロシアへの侵略ポイントとしてのみ使うなんて馬鹿げてるもの。

要するに、バルト海を向いて立って、ドイツとかイギリスを見ていても埒が明かないのなら、振り返って陸にある市場を見たらどうですか、って話ですね。

で、EUに入っても結局これらバルト3国は、経済的にうるおったとは到底言えないでしょう。部分的な指標をもってきて金持ちになった~みたいなことを言ってたりする記事ありますが、それはEUの補助金があったから、というカラクリを今日多くの人が知ってる。で、現実としては、実のところ人口が減ってる。危機的状況といっていい状況なんだが、西側世界における彼らの役割は、ロシアを憎む際にインタビューされるだけなので、それ以外では登場しない。そこらへんもなぁ、なんか酷い話なんですよ、ほんと。

つか、そもそも、バルト三国とかグルジア、モルドバをロシア(つまり大きな市場)から完全に切り離して食わせられるようにするというのは一体どうやったら成り立つんだろう? 交易無視で永遠にドイツかアメリカが補助金出すとかいうプラン以外に成り立つものはないでしょう。で、両方ともそこまでできるほどの経済的優位性があるわけでもなかった、という話じゃないですかね。

南北回廊:ハンザ同盟とバルバロッサ作戦の果てに

後戻りできない「トランプ現象」とCPEC・南北回廊

 

 


 

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6 コメント

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『ニクソン政権の残党』 (ローレライ)
2017-01-22 18:58:45
『キッシンジャーとかブキャナンとか』要するに『ニクソン政権の残党』の政権がトランプ政権と言えるけど『ニクソンは文革に助けられた』点は大きかった!上海機構は中国の『反ソ連文革外交の反省』の表れだと見える。
バックドアマン (Ha-Ko)
2017-01-22 19:27:43
 トランプ就任と就任演説以来のDEEPLY JAPANさんの解析を待ちかねていました。いつもながら気宇壮大なスケールの大きな解説をありがとうございます。ほんと、ここまでの解説って他のブログにはありませんね。敬服。でも、一寸先の未来も予測できないのが人間。思いもかけない複雑なダイナミックな動きが、キッシンジャーなんて人の目論見を実現させないことを祈ります。
 バルト三国ですが、「ずっとロシア、ソ連に搾取されて迫害されてソ連から解放されて、やっと自由で民主主義の国になれてよかったねー、これから豊かになれるねー」というイメージに私もつい最近まで染まっていましたが、ソ連崩壊のあと、北欧の一員だろうに、生活水準も福祉が向上したって話も聞かないし、変だなあーと思っていました。
 食料や物資の交換って、もともと、そんなに遠い地域同士でするのは無理があると思います。遠くからほしいものを取ってこようとすると、収奪、略奪、抑圧って話になってしまう。近い地域と仲良くして融通し合うにこしたことはない。それなのに、この日本という国は真逆のことをやっている。正気じゃない。
 
Unknown (明月)
2017-01-22 20:13:25
>the Westの戦略

これについては、日本国内が疲弊してく様子を悔しく観察しイライラしていましたが、the Westの一般的な戦略だったのですね。なるほど、と思いました。
どの分野も買弁同様の勢力下にあるようで、どうにもこうにもなりようがないのではないかと、悲観視しがちです。
国内を立て直す方策について考えを巡らせることがあり、いろいろと参考にしたいと思います。

the Westか大陸・帝国かと選択肢は2つに限定されやすいのでしょうか。厳しい目の選択ですね。
チャイナを甘くみてたのでは (ブログ主)
2017-01-22 20:30:04
ローレライさん、

そう、トランプ政権の後ろはニクソンとレーガン政権の人ばっかりですからね。

で、そっちはもうどうでも好きにやってくれって感じですが、中国は反ソで画策していた時代があるから、アメリカは味方に出来たみたいな気になっていたのに、違ったというところがあるのでしょう。

というか、何度も崩しに来てるんだと思いますが崩せなかった。その理由で最も大きいのは崩したら混乱しかないからそれが面倒くさくて(笑)じゃないのかと、わりとマジにそう思ってます。
Unknown (ブログ主)
2017-01-23 20:14:19
Ho-Koさん、

遅くなって失礼しました。

メディアの言うイメージで納得させられないようにしないと、何の応援をさせられているのかわからなくなる、ってことだと思います。バルト三国の例などはまさに好例。

日本は天皇陛下まで出してバルト三国、ポーランドは善人、ロシアは敵という論調、ムードを作ってた側ですから、なんてかこう、まぁそういう国です。
日本だけじゃない (ブログ主)
2017-01-23 20:15:42
明月さん、

日本の動きはたいていの場合、欧州側と連動させられていると考えてみているとだいたいあっているように思います。

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