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非国民モードと抵抗権

2016-01-06 20:16:55 | 太平洋情勢乱雑怪奇

サウジとイランが断交したことの帰結がどうなるのかが気がかりだし、北朝鮮というか朝鮮問題も気がかりだが、しかし、なんてか、日本のこの懐メロ内閣も十分に心配。

まぁその日本会議だの神道連だのの所属議員が統計値的に通常あり得る範囲を超えて多いのが現在の内閣なので、事の最初から心配しないとならんわけだけど気付いている人が非常に少ない。

で、新年だというので、

首相 伊勢神宮に参拝 サミットで成果出したい
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160105/k10010361531000.html

というニュースが出てくるんだけど、多くの人は、日本人だし、新年だから神社に行くのは個人としてOKでしょ、おめでたいことで、としか受け取らないでしょう。

しかし、この内閣の支持基盤から考えれば、そんな話ではすまない。

なんせこういう人たちですから。

安保法制を開けたら日本会議が見えた


Everyone says I love you! さんがお話を憲法とのからみでまとめてらしたのでリンクさせていただきます。

安倍首相と9閣僚が伊勢神宮参拝、これは政教分離原則違反で憲法違反。伊勢志摩サミットも要注意!
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/81bed3d6a174efe29ed4205a568ae6db#comment-list

 

去年伊勢志摩サミットが決まった時から、私はもうこの懐メロ、アナクロ内閣どこまで行くのか考えただけで恐ろしいとか思ってますです。

さてしかし、この状況は日本のアナクログループがカバーになってはいるけど、実際にはアメリカとの共同作業だと思うな。

目標は、緊急事態をかたって国民の権利を停止する、例のアメリカの愛国法みたいなのを日本にねじ込んで、日米関係のより完全な一体化を狙っているのではあるまいか。

そうなってからは、適当に爆発だのテロだの細菌だの毒薬だの病気だのという事件を頻発させれば、国民は長期的に権利をはく奪され国家の運営に口をはさめません状態になる、と。

■ 口をふさぐための道具

ではなぜこれら宗教めいたいものがカバーになるのかといえば、このカバーは、日本人ならXXXである、これを受け入れないのは日本人じゃないってなロジックの押し出しに非常に便利だから。

神道というのは日本人にとって実に曖昧なものだけど、歴史の様々な時期においては、個々人は実際には実にプライベートに各神社、あるいは聖域めいた場所とかかわってきた。むしろ地縁の中にこそあったもので、あまり普遍性(他地域への浸透)がないものの方が主体だったようにさえ思う。

が、それを、明治朝日本が、国家が深く関与した、天皇を頂点とする一つのスキームみたいに作り変えちゃった。これがまったく余計なお世話だったわけで、これによって少なからぬ個々人がその内面を踏みにじられた経緯もある。

が、しかし、思えばこれを戦後の日本は放置してきたんだなぁとまぁ思う。そのうちまた個々人とのプライベートな、つまり個人の内面との関係で必要不可欠な存在へと各神社が戻っていけばいいんじゃないか、だったんだけど、ここにきてあれよあれよという間にまたぞろ国家との関わりを持ちたくなった集団がいる。

とはいえ、神道が今更大多数の国民の内面の生活にまで関与できるようにすることは不可能でしょう。しかし、不可能だからといって無害でないのは、ごく少数が日本人ならXXX式の言辞を大声で叫び、それに抗するものを非国民だと排斥するような状況ができると、多くの日本人はだいたい黙る。これがまったく問題なんだけど、まぁそうなる。

つまり、多くの人間の考える自由を奪うためにこそ神道が使われるわけですね。

 

■ で、しかし、何をしたいの?

で、こうやって無理くりヒトラーよろしく全権委任体制を作っていった結果として、しかし、じゃあ何が起こるんでしょう?

戦争か、とか言いたいけど戦争じゃなくて、やっぱり国の仕組みを統制してしまうことじゃないですかね。

でね、それってどのぐらい続ける気なんでしょう?

10年経てば人は豚になるという確証があるんだろうか? アメリカの現状を見ていると、確かに愛国法のおかげで市民生活はゆがめられて、ますますシープル(羊みたいな人)になっているが、その一方で、あの人たちはもしこの状況がシビルなやり方で、つまり法手続きによって解決できないのなら銃を取るってな選択肢を残している人でもある。

(オバマは、愛国法をそのままにその上で銃を取り上げる、という恰好になっているわけね。オバマの嫌われ方が半端でないのは、日本のバカ識者が書くように弱気だからではなくて、裏切者だと思われているから、という考えも成り立つと思う)

そういう意味でアメリカには内戦の可能性さえある。

人々に権利はある、人々の権利を制限するような政府は倒していい、という抵抗権の争いという局面に行きつく可能性が若干ながらも高まってる、といっていいかもしれない。共和国を目指せ、ファウンディングファーザーズを思い出せ、ってやつね。

さて、その時日本はどうなるのか。日本はこの手の大規模な統制を自分で課したことはあるが、自分で振りほどいたことはない。抵抗権が是認されていない社会だから。

ってなことを考えると、またまた日本が奇妙な国になっていくオッズが高まっている気がしないでもない。


 

国家神道 (岩波新書)
村上 重良
岩波書店

 

神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈 (岩波新書 黄版 103)
安丸 良夫
岩波書店

 


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2 コメント

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『ナチスの授権法』 (ローレライ)
2016-01-07 00:01:05
『ナチスの授権法』は『マグナガルタ』の法空間を否定する『憲制否定』の行政暴走でアメリカが『愛国法』で始めた行政暴走のルーツですね。
後ろから操る (ブログ主)
2016-01-07 01:28:08
いやそうなんですが、とどのつまり、被統治民が王権を制限するというモデルが壊れる、壊す気らしいですよね。

実際EUが事実上誰だかわからない人たちの決定(形式的には委員会があるが)を各国民が覆せない体制になってますから、これが一つの到達点なんでしょうか。

すると、EU+US+日本をひとくくりにしてみんなでナチになって、後ろでどこかの誰かが決めたことを各国のガバナー(総督)にやらせる、みたいなモデルでしょうか。史上初のステルス帝国か!

イギリスの去就に注目ですね。

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