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オバマの自爆キャンペーン

2016-12-30 22:22:40 | 太平洋情勢乱雑怪奇

オバマがロシアにまた新たな制裁を課したというので、アメリカがまた騒がしい。ロシアが騒がしいのではなくてアメリカ人の半分ぐらいがもういい加減にせーよバカオバマとなっている感じ。

この制裁の意味は3つぐらい考えられるんだろうけど、トランプ政権発足の足かせを作ろうとしてできるだけのことをしているんだろうというのが大勢か。

いやしかし、オバマ政権の嘘、嘘、嘘作戦は一体どう捉えたらいいのか困惑させられるほど凄まじい。そもそも米民主党本部のリークは内部だという話がいくらでもあるのに、一切無視でロシア犯人説を貫いてきたのがオバマ政権。

で、オバマのこの行為を素で信じるアメリカ人というのは、主要メディアとオバマ政権の「ネトウヨ」みたいな人たちしか残らないのではあるまいか? 民主党支持者の半分はサンダース支持だったわけだから、前にも書いたけど基本的にオバマ政権を100%支持というのは25%ぐらいがマックスなところに来てこの始末だもの。

むしろ、この件での驚くべきことはアメリカ人のロシア期待度の高さかもしれない。オバマは狂ってるからもうしようがない、プーチンはバカじゃない、あと20日待てばトランプだ、といった書き込みをいろんなところで多数みたが、これはつまりロシア政府はバカじゃない、正常だと言っているも同然なわけですよ。

オバマ政権のやっていることは、みんなでアメリカ政府はインチキ野郎だと思い知りましょうキャンペーンみたいなものだと思う。

 

■ ひっかかったメディア!

で、翌日ロシアは何をしてくるだろうとみんな楽しみ?にしている中、ロシアの外務省が同人数のアメリカ人外交官を追放することを提案。

するとこんな記事が出ちゃう。「追放へ」、ってまだ決まってない。

ロシア、米外交官35人追放へ 米国による制裁への報復で
http://jp.reuters.com/article/russia-usa-sanctions-retaliation-idJPKBN14J0Z7
2016年 12月 30日 20:25 JST

[モスクワ 30日 ロイター] - ロシア当局は30日、米国による新たな対ロシア制裁措置への報復として、ロシア駐在の米外交官ら35人を国外退去処分とするなどの計画を明らかにした。ロシアの複数の通信社が報じた。報道によると、ロシアのラブロフ外相がこれら報復措置をプーチン大統領に提案したという。

 

私は、最初ラブロフが同数の米外交官を追放するというまったく面白みのない提案をしてきた時から、これはつまりプーチンが否定するという段取りか、と思ったんですけどね。

主君に良い判断をしてもらうためにあえて強硬なことを言う忠臣とかいるでしょ。ああいう感じを思った。

 

■ プーチンから大人のご挨拶

そこからいくらもたたないうちに、プーチンがクレムリンのサイトで声明を出し、ロシアは誰も追放しないと言う。メディアはつまりひっかかったわけだすね。

Putin: Russia will not expel anyone in response to US sanctions
https://www.rt.com/news/372256-putin-diplomats-expulsion-rejects/

クレムリンのサイトのプーチンのお手紙がまたふるっていて、オバマ政権のやり方は云々、誰の利益にもなっていない云々と多少非難した後、

私たちは誰も追放しません。私たちは外交官の家族や子どもたちが新年の休暇中いつも使っているレジャー施設を使えないようにしたりなどしません。それだけでなく、私は正式に信任状を与えられロシアにいる米国の外交官の子どもたちをクレムリンの新年・クリスマスの催しに招待します。

オバマ政権がこのようなやり方で終わることを残念に思います。しかし、それにもかかわらず私はオバマ大統領とそのご家族に新年のご挨拶を申しあげたいと思います。

そして、次期大統領のドナルド・トランプ氏とアメリカの皆さんにも季節のご挨拶を申しあげます。

皆様の幸福と繁栄をお祈りします。

http://en.kremlin.ru/events/president/news/53678

 

と、笑ってしまうほど適切なというか、ホリデーシーズンにふさわしい正しい大人のお手紙になっていた。

欧米人にとっては特に、この季節に馬鹿な茶番をやって他人をこき下ろしているオバマとそれを落ち着いて受け止め、季節にふさわしい祝意を述べられるプーチンとの比較は際立つでしょう。そういう季節ですから。

ゼロヘッジ他、そもそもヒラリー側に厳しかったサイトはどこも軒並み昨日から大騒ぎ。ある種のホリデーイベントみたいだ。

Putin Stunner: "We Will Not Expel Anyone; We Refuse To Sink To 'Kitchen' Diplomacy"
http://www.zerohedge.com/news/2016-12-30/putin-stunner-we-will-not-expel-anyone-we-refuse-sink-obamas-level

 

いやしかし、これってほんと、オバマ政権は自分たちがどれほどアホで、どれほど悪質で、どれほど嘘つきで、どれほど傲慢で、どれほど非道で、どれほど子供じみて、どれほど戯けていたかを思い出させるための特設の一幕になったなぁと、むしろ感心する。

オバマのやってることはすべて、結果においてアメリカを下げて、ロシアを持ちあげることになったと何度も書いたけど、最後までこれかよという感じ。

 

私はオバマという人がこうなのだとは思わないんですよ。オバマ政権は最初っからオバマが自由にできる政権ではなかった。で、戦略として、彼に押し付けられた「大統領補佐官」の言う通りにあえてやったんじゃないですかね。するとどうなるのかというと、バカな補佐官が考えたことはバカな結果しか生まないわけで、そのたびにプーチンに得点を許したって感じ。

で、オバマ政権の最大の成果はイランのディールで、これだけは死守したんだろうなと思う。

オバマは口では俺らは特別、俺らは唯一絶対とわめいて、勝手に何の証拠も示さず、まったく恣意的にあっちこっちでテロというかテロ支援というかの活動を続け、まさに不埒な一極支配者と行動することによって、実際には、多極化への道筋をつけた、とも言える。

だってほら、こんなにちゃんとした外国がいるんだもの、でしょう。ロシアは、勇気があってモチベーションの狂ってない軍と、頭が良くて我慢強くて、命を賭して使命を達成しようとする立派な外交官を擁する外務省のある国でした、と誰の目にも明らかになった。

多極化という点では実は逆にトランプの方は未知数なところもある。彼自身は正常な行動を求めているし、この人自体はそうヘンな人には見えないと前にも書いた通り。だからそれはそれで買えるんだが、しかし、強硬なイスラエル支持と軍の強い支持からもわかるように、一つ間違えば、一極支配願望が強い層に押される可能性を秘めている。オバマとの差はイラン対応。

 

ここから先どうなるのか、なかなか難しいけど、でもとにかく、主要メディアを通してアメリカというか西側参謀本部みたいなところが支配する世の中はオバマ政権と共に、あざとい姿を露わにしたことだけは間違いないでしょう。特に、主要メディアなるレイヤーがかなり問題だという点が露わになったことはオバマ後半の重要な成果だと思う。

 

1年半前に私はこんなことを書いていた。

アメリカ(+カナダ、イギリス)のやってることは、基本的に世界のどこであれ地域に強い国を出さない、出そうになったら叩くこと。で、その一番の潜在的脅威は、ドイツ+ロシアだっただろうし、今もそうだろう。だからいろいろ、おかしなことばっかりやってる。嘘とだましと人殺しを使って、騒乱を起こして、戦争ふっかけて、というやつ。中央アジアではまたまた性懲りもなくカラー革命運動をやってるが、これも対ロシアだというのは今日みーんな知ってる。

で、この方針の現実的なまずさは、嘘をつかないとならないことなんだと思う。Aさんが悪い、だから俺はBさんを助けます、と自分を善なる存在にしてこぶしを振り上げるスキームだから。しかし、実際にはAさんは悪くなくて、Bさんが嘘をいい、それを焚き付けて話を大きくしてたりする。

つまり、善悪が逆でも無問題と思って進む、現実を自己都合に合わせて書き換えながら進むモデルなのね。

嘘だらけ、ただの人殺しをやり続ける集団になっちゃうモデルなのね。

で、問題は、このモデルに将来はあるのか?ではなかろうか。

覇権にモラルは不要なのか

 

アメリカというのはユーラシアの国じゃないし、独立して国になってからはいろいろと近代の国家にとってのモデルとなるようなものも残しており、それはそれで評価できるが、実際にはその前も、その間もずっと一貫してオリガルヒによる下々支配みたいなところはあるわけですよ。だから、民主主義的な国であるというのも、民主制を求める民が闘争を続けている国であるという意味なら正しいけど、出来上がっているかというとそうでもない。そうであるように見せているだけ。誰によって? メディアですね。

その上、大陸内の地続きの民族群が織りなした隣近所の付き合いと争い、和解といったプロセスも経験していないから、ほんとのところ長持ちする統治の体制とか知らない。

知らないからこそ、歴史的な憎悪関係を乗り越えて、今あるそれを解決しようとする前向きなアプローチを取るのに最適な存在でもあるんだけど、それもできなかった。ルーズベルトあたりがやりたかったことは、善意で捉えればこういうことですね。大きくて力があって、余裕のある国が紛争解決に責任を持てば、各国間の戦争を激減させられる、ってこと。国連の基本設定はそんなところ。

結局欲が勝ちすぎて、人殺しを商売にして、嘘捏造によって各国を使い倒し、始終紛争を開発、育成してはその機会をゲットするという、おバカというより迷惑な国になりおおせているといっていい。

ということで、多分、これをちょっとづつ変えようという動きがある、ということなんじゃなかろうかと希望を込めてそう思う。

 

■ オマケ

そして、これが日本にとって今年一番の変化だったと思うし、来年は極東方面にもっとハイライトが来るのでは?

プーチン訪日:日本の合意形成スキームを表示するイベントだったかも

 


 

大学で学ぶ西洋史 近現代
小山 哲,山田 史郎,杉本 淑彦,上垣 豊
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教養のための西洋史入門
中井 義明,佐藤 専次,渋谷 聡,加藤 克夫,小澤 卓也
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4 コメント

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偽ニュースプロパガンダ作動中 (レジ売り)
2016-12-31 03:57:57
年末にまた酒のまずくなるニュースですねえ。
最初から最後まででっち上げの反ロシアキャンペーン。なーんの証拠もない、ロシアは何もしてないのに、アメリカの一人相撲。冗談なんでしょうか?
このニュースをおかしいと思わない人って何?「敵国」政府は嘘ばかりつくけどわれらの政府は正直だ、と本気で思ってるのかな?
『アメリカのキングメーカーはプーチン』 (ローレライ)
2016-12-31 05:42:49
オバマはせっせと『アメリカのキングメーカーはプーチン』とキャンペーン!むしろアメリカ国民からは『ヒラリー落として、ありがとうプーチン』の反応。
ヒラリー落とし (ブログ主)
2016-12-31 18:11:12
ローレライさん、

いやマジで、ヒラリーを落としてくれてありがとうと思っている人はいっぱいいるでしょう、アメリカに。いくらなんでも汚過ぎ。
あのまま行ったらアメリカは復活できなかったと思う。
good will (ブログ主)
2016-12-31 18:14:07
レジ売りさん、

「「敵国」政府は嘘ばかりつくけどわれらの政府は正直だ」と思っている人たちを、善意と真実情報で粉砕していったというのが、大きくみればロシアの対応だったと言えるんじゃないでしょうか。そしてそれが見どころだった、と。

今回のロシアは簡単なんだよ、ホントのこといえばそれが武器になるんだから、とアメリカ人がどこかで書いてましたけど、そうだったと思います。

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