稲田防衛大臣を切る気はない、と再度言っている安倍ちゃん。
安倍首相 稲田防衛相を罷免する考えは無い
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170724/k10011071771000.html
この問題は、いろいろと切れの悪いところもあるし、シビリアンコントロールの問題としても難しい話だなとは思う。シビリアンっつっても、国柱会に仕切らせるってどうなんだろうというところが笑えるところ。いや、笑えないわけだが。
で、実際問題なんでこんな風に、回りくどいやり方でやっているのかというと、要するに、
国民の生活が第一なんていう政治はですね、私は間違っていると思います by 稲田
稲田朋美 国民の生活が大事なんて政治は間違っている
とかいうのを問題視して討議する気力が日本社会にはないから、じゃないでしょうか。
私は、これって重大中の重大な発言だと思うけど、マスコミも書かないし、識者もここには突っ込まないですよね。
さらには、稲田氏周辺では、自民党が出してきた改憲案は手ぬるいと、なぜなら、
国民主権、基本的人権、平和主義、この3つはマッカーサーが日本に押し付けたもの、この3つをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ
by 第一次安倍内閣の法務大臣 長勢甚遠
「国民主権、基本的人権、平和主義…この3つをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ」 第一次安倍内閣の法務大臣 長勢甚遠
とかいうのもある。このあたりになると、まずどんなに安倍シンパでも、一般安倍シンパは不安になるレベルではないでしょうか。特殊安倍シンパは利益共同体ですから我慢するでしょうが。
また、言うだけではダメだ、今奪われている領土、取り戻しましょう、北方領土、竹島、尖閣、使っていきましょう、軍事利用しましょう、とか平気で言ってる議員さんがいるとかいうのも、やっぱり表には出せないんでしょうかね。
国民の権利没収改憲ムービー 自民党議員連盟 創生「日本」 憲法改正集会 【 自民の本音 】
これらは短く切り取ったバージョンなので、ネトウヨたちは、言葉尻を捉えて叩くなどマスコミに惑わされてはいけない、とか言ってるみたいなのだが(昨日2チャンネルで見た)、ということは、彼らにしても堂々ではないわけ?というのが非常に興味深い。おほほ。
もっと長いバージョンはこれ。通しで見ましょうと推薦する気になれないけど、いちおう貼っておく。
創生「日本」東京研修会 第3回 平成24年5月10日 憲政記念会館
これを見れば別に言葉尻でもなんでもないことがわかるというもの。また、これに類する発言はチャンネル桜なので始終やっている。その意味で隠されてはいない。
■ なぜ議題にしないのか
で、マスコミはなぜこれを議題にしないのか。
まぁ、八紘一宇、教育勅語ときてる中で、国民の命など関係ない、何より大事なのは国体だと日本の政権の主たるサポーターたちは確信している、というのを大っぴらにするのは、日本の国益に反し過ぎて困ってるからじゃないのだろうか。率直に言ってこれでしょう。あははは。
つまり、外向きにはキレイごとをいって、そのキレイごとの故に、先進諸国だのG7だのに入れてもらっているわけなので、現在それが破壊されていると自ら申告するのはどうなのそれ・・・なんじゃなかろうか。
しかも、これを遺憾とする人にとって状況が悪いのは、(1) 安倍ちゃんは金融資本にとって重要問題であるところの金融緩和をしてあげてるので、何をしようがディープステート系は基本的に潰しに来ない →世界の主流マスコミは書かない。
さらに、(2) やってることはといえば、要するに、町村さんがポンと署名しちゃった、「日米同盟変革と再編」あたりで決まってきた日米一体活用ってか運用ってかの、現状追認としての法的枠組みの確保でしょ。だから勝手に安保法案だろうがなんだろうが、どうでもとにかく通している安倍はこれらの日米一体論関係者にとっては重要 → 合同委員会的な意味でのマスコミは安倍を潰せない。
(これの完成でもある。
日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか/矢部宏治)
ということでしょう。
出してみたところで、外国勢からの後押しが期待できないところでは、しっかり批判的になれるかどうかマスコミは自信がないのではなかろうか? また、安倍政権を応援しないと不利益を被る可能性は残る。恐いし。
(外国勢のうちネオコン一派と、微妙な形でのイギリスの一部は、むしろ安倍政権を持ちあげてるので、メディア上それに負けちゃいそう、というのもありそう。言うまでもなくこれらの外国勢は、バカな日本を作ろうと頑張ってるわけですからね。)
■ トランプ登場
ところがここにトランプというニューフェースが来る。トランプは極東米軍の利益関係者じゃないから、(2)の線は基本的に合意の枠組みにはいない。合意は所詮は合意であって、条約でもない。何より国民的議論なしで通しているものなので、アメリカ国民が納得できる話かどうか疑わしい。
そして、(1) はトランプは是々非々でやってるとは思うが、ディープステートとは反目している部分もあるので、(1)の言う通りに行動する様式をトランプは取っていない。
そして大事なことは、トランプ政権はいろいろ破壊者的振舞いはしているものの、基本的にアメリカ国民を第一に考える姿勢は顕著で、そうであれば、アメリカ国民にとって長期的な価値観とあまりにも離れたものを密約で持ち越すというのは、トランプ政権の流儀でない可能性はある。
しばらく前、ティラーソン国務長官の国務省職員向けのスピーチを紹介したことがあったけど、あそこで言われていることで印象的だったことの一つは、50年後のことを考えながら中国とのやり取りをする、という発言。要するに、関係を長持ちさせられるよう構築するという意味だろうし、それはつまり第二次世界大戦後にダレスみたいな人たちがあちこちで半分騙しながら作っていった世界ではもう持たないという考えがあるのではなかろうか、と私は取った。
政策と価値観は違うので混同しないように by ティラーソン
そうであれば、日本についても同様ではあるまいか。
であれば、戦前のカルト的なトーンをスローガンにした宗教右派と手を結びたいとか、温存したいという考えはトランプ政権にはないのではなかろうか、と私は思う。
まぁ、米中共同で日本を管理するから日本の国柄は何でもいい、という考えに至らなければ、ですけどね。
ということで、現在の日本は、もしこのままではいけないと思うのなら日本の知識人、メディア、一般人が総力あげてなんとかせないかん状況なんだと思います。そういうわけで、マスコミもちょびらちょびらと頭をひねりながらせめて安倍政権を止めて自民党内から別のものを、あるいはそれができないならせめて問題児を放り出そうとしているんだろうと思う。
私は、上で上げた動画をしっかり7時のニュース他のテレビ各局が取り上げるべきだと思う。そして応援団と批判者を揃えて議論したらいいでしょう。だって、あの思想体系を許すのか否かというのは過去において、そして現在においても日本人に問われている問題でしょ。で、戦後を通じてもう否定したと思った人は確かに多いんだけど、こうやって一定数が国会議員となり首相を出す閥となった以上、隠すことはよくない。
そうでしょ。これに対する肯定、否定はともかく、これは国民が知らされるべき重要情報だと私は思ってます。
で、それができない日本のマスコミの情けなさ。
人権と民主主義と科学は親の仇、という思考系が嫌だったからこそ昭和の日本人は現在の憲法でいい、こっちの方が断然いいとなって、私たちはこの体制下で繁栄したんです。
だから、昭和前半時代の不自由を知っていた日本人の多くは、生い立ちよりもこっちの価値を取ったんだと思います。
現在のカルトグループは、その多くの国民のなんのかんのといって苦汁であった決断を無視しているという意味で、非常に悪質。
以下の動画が全発言です。自らの党を自己批判する中での発言です。この全発言を聞いてもなお6秒だけを切り貼りしますか?
https://www.youtube.com/watch?v=IHRQdwXknic