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多分これも一極支配妄想のツケ:技術編

2017-11-09 13:18:05 | アジア情勢複雑怪奇

トランプのセールスに乗せられて今後も米の武器を買うらしいですが、その時トランプは、我々は最高の武器を作っていると言ってましたね。これがしかし、どうなのそれって・・・というところが実はアメの現状の辛いところなんだろうな、など思う。

 

「マスコミに載らない海外記事」さんが一昨日訳されていたイングダールの記事は、この人にしては随分とおとなしい記事だなと思ったが、ともあれ現在のアメリカの戦力に疑問を持っている記事。

アメリカ軍戦力投射:常に備えあり?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-1bf5.html
2017年11月 7日

2017年1月に、D. J. トランプ・アメリカ大統領が就任して以来、将軍連中の一隊とともに、ワシントンは、ほとんどあらゆる方向を、核や他の軍事力で脅し、北朝鮮を完全に壊滅すると威嚇し、シリア反政府集団への兵器出荷を増やし、AFRICOM軍事行動を強化し、海軍艦隊を、南シナ海からバルト海に至るまで、想像できる限りのあらゆる方向に派遣し、ロシア国境沿いの軍隊を強化し、イランを威嚇している。

という具合に世界中に喧嘩を売っているアメリカの軍は、しかしながら、相当に問題を抱えていると少なからぬ人々が指摘している。最近めっきり増えた気もする。

前から言っているように、16年も大して強い相手ではない軍を潰して、その後はテロリストと戯れ、結果として民間人殺しに現を抜かしていたら、どんな軍だって士気が下がる。そして、士気だけでなく、そこに人数を割くから、結果として必要な訓練に時間もお金もかけられない。まるまる一世代、高度な訓練を受けていないに等しいと危機感を表明していた人がいたのはもう数年前の話。

しかし多分、それだけではないことが恐らく、現在の米の軍を巡る危機感の本質なんだろうなとかも思えてきた。

懸念は、多分、3つぐらいにカテゴライズできる。1つは、兵、パイロット等への訓練の不足、2つ目は、金の遣い方の杜撰さ。3つ目は、多分、純粋に技術的な問題。

1つ目は、上で書いたようなモラルと密接にかかわってるから、状況を抜本的に変えて、テロとの戦いならぬ、テロと一緒の戦い、ってな状況を止めない限りどうもならんよね。

2つ目は、F35のみならず、米の兵器はやたらに高額だがその価値はあるのかよ、と言われて久しい。それでも、ソ連亡き後、誰もかかってこない状況だぜ~を前提として、NATOとか仮想極東NATO予備軍の金持ち国家群に、買わせて買わせて買わせまくるという商法が成り立った。

このへんの問題点はいろいろあるが、とりあえずそこは置いておいて、3つ目も怪しいところが苦境の原因なんじゃないかという気配がますます濃厚になる今日この頃ってところ。つか、1をネタに、ヤメロヤメロという人たちは、1だと気が楽にネタにしやすいからそう書いているだけで、本当は本質的にとても大変なことになってると考えているのでは?という気もする。

上のイングダールの文でも、最先端技術から遅れてるという話しが入ってる。しかし詳述はしていない。

これら全ての大言壮語の背後にあるのは、士気が史上最低で、大半が底無しなほど準備不十分で、納税者にとって負担が重く、他の潜在敵国の最先端技術から遥かに遅れた技術を使っているアメリカ軍だ。全てが国防目的と大違いのことに軍隊が酷く酷使され、濫用されているかつて唯一の超大国衰退の症状なだ。

もっと直接的に言ったのは、ポール・クレーグ・ロバーツの2週間ぐらい前の記事。

明日という日がこなくなるかも知れない

2017年10月28日
Paul Craig Roberts

例えば、アメリカ海軍は、ロシアの超音速対艦ジルコン・ミサイルで陳腐化させられた。

例えば、ロシアのサルマトICBMの速度と軌道の変化が、ワシントンの迎撃システムを無効にしてしまった。イギリスやフランスやドイツやテキサス州を破壊するには、一機のサルマトで十分だ。アメリカ合州国を破壊するのは、わずか一ダースで済む。

皆様はなぜこれをご存じないのだろう?

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-2afd.html

 

ここで一番大事なのは、多分、ロシア製の超音速のZirconミサイルの話。これはちょっと前から語られてきたが、だーっと西側メディアを駆け巡ったのは今年の春。

Russia’s hypersonic Zircon anti-ship missile reaches eight times speed of sound

http://tass.com/defense/941559

 

この意味は、単なる一つのミサイルの型式が優れているという話じゃなくて、非常な超音速だという点ですよね。そして、それが可能であるとするならば、それは多分、スクラムジェットエンジンのミサイルへの実用化の話。で、これは一つの技術的発展ではなく、多分、ブレークスルーに近いんじゃなかろうか・・・。まだミサイルだけではあるから完全なブレークスルーではないんだろうけど。

でも、それでも、もしそうであるならば、アメリカが売り込んできた既存のミサイル防衛システムなるものは、打撃確率の問題ではない方面から、すなわち速度の問題から、抜かれちゃうんじゃないですか?という疑問を呼び起こす。そもそもそれあたらないから、という話。

と書いていいんだと思うんだけど、日本語ではどなたもおっしゃってくれないから、本当かしらと自分でも思いながら一応メモしておきたい。間違ってたら補足する。

で、これはミサイル防衛網というもともと半信半疑なのに焚き付けちゃった話だけではなく、アメリカ軍の編成そのものの問題にもなるんじゃないっすかね。

 

アメリカ軍は防衛軍じゃなくて「遠征軍」だから、どうしても空母を多用した編成になる。しかし空母はミサイルに弱い。どうするのこれ、というのは今に始まったことではない悩み。

それを解決する方法として、ミサイル防衛網なるものが編み出されたみたいなのだが、その防衛網の根幹がもし崩れたのだとしたら、それってどうなのよという話ではなかろうか。

小銃や移動式の砲のいわゆる接近戦なら、テクノロジーの差異は戦術や士気、そして地理的条件で補うことは可能。

だがしかし、核戦略・ミサイル戦はそういう戦いではない。

ロシア軍が地中海、黒海、カスピ海で様々なミサイルの打ち方をしていたり、ICBMの発射訓練をしているのは、こんなことできますよ~を示唆しているんでしょう。シリアのISの設備は、地中海から改キロ級の潜水艦を使って叩かないでも叩けると思うんですが、やってましたね、派手に。

この精度に、もっと速いのを載せるとどうなるのか想像しとけよ、ってことでしょう。

 

まぁでも、思い返してみるに、ミサイル防衛網と同時に行われていたのがオフショアで現地に荷を下ろして、現地に担当させて本体のアメは後ろで調整、みたいな話だから、そもそもミサイル防衛網そのものが「盾」になるとは誰も信じてなかったとも言えるのかもしれない。

じゃあ今後どうするつもりなのよ、今まで何してたのよ、どうするのこれ、と私は思うのだった。

そして多分、様々な媒体で、現在の世界中に広がりまくってるアメリカ軍の動向についてもういい加減一回仕切り直せと心配している人たちの中には、単なるモラル的なものだけでなく(これはもちろん重大なのだが)、テクニカルな懸念をしている人もいるだろうと想像する。

で、私の理解は、だからこそ、囲い込んで売りまくってる、ってもの。

これはつまり、大企業がこぞってWindowsを導入した。ばんざーい、これが世界一だという理屈と一緒。

しかし、それは Windowsが未来永劫テクノロジー的に優位であることを保証しない。が、しかし、囲い込んだから商売にはなる。だから止められない。

 

なんでこうなったのかというと、自分しか強いものがいないと思いすぎたからでしょう。真面目に技術的正直さを追求するより、プロパガンダで「世界一」を売り込み、政治的に他から買わせない仕組みにした方が楽だったと。だから、これも一つの一極妄想のツケだと思う。

 

■ オマケ

一極支配妄想でもあり、そしてアメリカ軍の関東軍化の一幕のような気もする。

関東軍のソ連評は、ソ連の人間は絶望的にバカだから心配するな、というもの。この差別意識が曲者なんですよね。自己の目を曇らせる。

ソ人は概して頭脳粗雑、科学的思想発達せず。従って事物を精密に計画し、これを着実かつ組織的に遂行するの素性および能力十分ならず。また鈍重にして変通の才を欠くところ多し」(p46)

ロシア弱体化という願望

 


 

 
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11 コメント

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『忖度マスメディアのセールス協力の日米軍事オルガリヒ』 (ローレライ)
2017-11-09 16:55:32
『忖度マスメディアのセールス協力の日米軍事オルガリヒ』と言う訳で『ロフテッド軌道ミサイル無双』とか『実はポンコツオスプレイ』などの報道は珍しい事例である。
反知性こそ軍政の基礎みたいな (ブログ主)
2017-11-09 17:27:17
日本の場合、軍事政権下ですからね実体は。そりゃ親である軍を褒めるしかないんでしょうね。オスプレイは確かに例外的かも。でもまぁ実際本国で評判悪すぎるし。

いずれにしても、ジェットエンジンを開発しているロシアを技術力が低い国だと書いちゃう、みたいな、日本素晴らしい系の人たちのおバカな状況は改善したい。単に恥ずかしい。
米軍の優位はそれほどでもない (蔵権)
2017-11-09 19:52:23
日系メディアでは拾われてませんが、イスラエル軍のF-35がシリアのS200(SA-5)に至近弾を受けて損傷したらしいっす。
https://southfront.org/is-israel-hiding-that-its-f-35-warplane-was-hit-by-syrian-s-200-missile/

イスラエルは否定しているので(事実を認めればシリアの領空侵犯を認めることになる)不確定情報ながら、ユーゴではSA-3にF-117が撃墜されてますし、S400とロシア軍事顧問がシリア軍をバックアップしているのでF-35が撃墜されても全く不思議じゃないです。ユーゴの時はSA-3のレーダー周波数をステルス機に優位な周波数帯に変調し、おそらくはヒューメントやA-50で飛行経路を割り出してロシア→ユーゴ側に情報提供していると思われます。シリアに関しても迎撃が事実とすれば、S400の探知情報がシリアに渡っているのでしょう。イスラエル軍は同時期にバードストライクでF-35が損傷したと公式報道しており、米軍信仰ではない、軍オタサイトでは迎撃のカバーだと噂になってます。

米軍が落ちぶれた最大の原因は2つ。東西冷戦でコアの軍事費支出が大幅に削減されている(インフレを考慮)のに、冷戦時代の世界展開の規模を縮小していないこと、アフガンイラク戦争の天文学的な大規模支出が原因でしょう。で、トランプはそれを救おうとしている。

どうやって?単純に軍事費支出をリバランスすれば、ロッキード、ボーイング、ノースロップグラマン、レイセオン、GE、GM等の軍産大手の3つ4つは確実に潰れる訳で、トランプは絶対的にこれを避けたい。そこで大活躍するのが安倍ちゃんの訳ですね。で、アメリカのご機嫌取りをやった結末は、日本はアウト!日本国民もアウト!特に若者は豪速球の直撃デッドボール!でしょう。年金も医療保険も崩壊して、日本はリアルに餓死者が出る国になる。

全部安倍のせい。日本国民の身代わりになってアメリカに始末されるのが、安倍の役目なのに、安倍は自分可愛さに自分の役目を放棄しちゃったわけですね!
ただの商売屋 (ブログ主)
2017-11-09 20:17:52
蔵権さん、
基本的に私も同意見。イスラエルとアメリカは同根なので、強い強い強いとマスメディアが煽ってナンボといったところ。

米軍の実力という話では、東西冷戦時代より以前だって結局赤軍が怖かったし、崩れてないドイツ軍にあたってもないのにドイツ軍に勝った気になってる、これもみんなプロパガンダの賜物とか言われる始末で(事実ですが)、最近はちょっと気の毒に思えるぐらい。

要するに産業としての軍事をやってきた人であって、本気で国防をやったことはないんですよ。だから技術も適当になっちゃったってところ。
ご存知とは思いますが対抗言論 (一見居士)
2017-11-09 21:15:30
>ソ人は概して頭脳粗雑、科学的思想発達せず。従って事物を精密に計画し、これを着実かつ組織的に遂行するの素性および能力十分ならず。また鈍重にして変通の才を欠くところ多し

これに対する、ソ連(ロシア)側の日本軍評。

「日本軍の下士官兵は頑強で勇敢であり、青年将校は狂信的な頑強さで戦うが、高級将校は無能である」(ゲオルギー=コンスタンチーノヴィチ=ジューコフ:ノモンハン事件時のソ連軍司令官としての日本軍評、後に元帥、国防相)
ジューコフの評はあたってる (ブログ主)
2017-11-09 22:30:56
一見居士さん、

もちろん知ってますが、性質が違うでしょう。
ジューコフは実践で当たったことから来る彼の評、日本軍の対ソ観にはなんら基礎がありませんし、今日見ても当時の評として誤っています。
それを同じように考えるのは私は適切だとは考えません。
誘導が多すぎる、ほんと (ブログ主)
2017-11-09 22:34:35
蔵権さん、

いやほんと何の根拠もなく、言い放つ系のブログやら記事やらが多くて困惑してますよ、私は。
だからこれが誘導なんでしょうね。日本人は事態の文脈を読まず、文章内で論旨が通っていると信じる傾向が強い、とかいう前提で書いてる気がする。(これは実はナチのプロパガンダがそうなんですよ。ロジックの授業で習いましたよ、そういえば)

もうね、敵を作らないようにする生き方をしないとどうもならんと思うんですけどね。

合法的富の収奪、それは税金 (私は黙らない)
2017-11-10 04:47:00
2018年度、軍事費の対アメリカ国家予算比、16%。仮に、個人所得税にもこの比率が適用されると、所得税1万ドルの家庭は自動的に1600ドルの軍事費を供していることになる。その分、各家庭が一極支配妄想と軍事産業の経営者たちを富ませることに貢献しているわけだ。
2016年の実績なのだが、ロシアの軍事費が低いことに驚いた。アメリカの1割強。えっ?アメリカの軍事費、無駄に高くない?10-1=9割、どこ行った?土日返上で朝から晩まで働き稼いだカネ、どこいった?
集金機構 (ブログ主)
2017-11-10 09:02:09
私は黙らないさん、

アメリカの予算以外にも軍産という産業が金を出しまくり、各国が予算を付けてくるわけだから、信じられないほど巨大な軍という名の集金機構がアメリカの軍なるものでしょう。

で、基本的に純粋な軍事に使われているというより、参加者のポケットに入っている分が多いという話だと思う。
『中国の改良オスプレイ短尾隼』と『中国航空科技工の紹介』 (ローレライ)
2017-11-10 10:57:52
『中国の改良オスプレイ短尾隼』と『中国航空科技工の紹介』www.sohu.com/a/191966094_375214


www.avichina.com/Item/1821.aspx
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