アレッポは事実上シリア軍、ロシア軍のリードで事が進んでいるし、人々も徐々に解放されていってはいる。が、そこにロシアが設置した病院への攻撃があり、ロシアから派遣された医師が2人死亡、1人が負傷した。
これに対して、いつものことですが国際社会なるインチキなメディア社会はほとんど沈黙。
それどころか、西側はまた「停戦」などというアイデアを持ちだす。もはや停戦じゃなくて、話を整理しようという段階でしかないのだが。
というところで、シリア情勢は大詰めだがしかし、西側の政治家たちがまったくのオバカを続けている状況。
で、こういう話も結局、ロシア、イラン、中国のメディアとイラクあたりを母国とする民間人が立ち上げていった細々とした、しかし現地情報をよく伝えるソースによって人々の知るところとなった。
この展開が嫌なのが、要するに西側なる団体さん。
そこで、いわゆる偽ニュースを止めるためのメディア規制みたいなアイデアがEUと米国で勃興している。お前が偽ニュースの発信源だろうが、と多くの人は思っているのだが、おかまいなしに進んでいる。メディアの真実こそ真実だという、ある種の強迫観念に陥っているらしいのが西側エリートですね。
■ 本当は何をしたいのか
で、これによって情報統制をして、好きなように人々をいじくる、ってのがまぁやりたいことの主体だとは思います。
そもそも西側なるものの覇権とは、歴史、社会学的知見のナラティブ(物語)を支配し、それに合わない人を排除していくことで成り立っていると言っても過言ではない。
その上で世界中に700カ所だか800か所、米軍、NATO軍が基地を置き、常に誰かを恐怖に陥れる。
つまり、なんかこう宗教団体による恐怖支配こそこの人たちの本性だわなぁ~って感じですね。宗教団体を脱退するとかいいだすと仲間から排除されたり、いろいろ困ることが起きるといいますね。あれと同じ支配構造。
しかし、当然のことながら限界ってものがあるわけです。
■ 2017年
で、彼らの狙いは、基本は上記のような構造の維持、保守を狙った思想チェック、言論統制なんだと思うんですが、しかし、わけてもこのエリートさんたちの中の中心に位置するであろうという人々にとって、そんなものは見たくないという一件があるのではなかろうか。
それは、ロシアの2つの革命。
来年2017年は、1917年に起こったいわゆるロシア革命、しかし実際には3年前にウクライナで起こったような外国勢力による政権奪取、国の破壊と奪取が基本であったそれが起こってからちょうど100年なんですね。
折しも、1週間前にロシアで行われた年次の大統領による教書演説みたいなスピーチの中で、プーチンはこの件に触れていた。
Putin calls for honest assessment of 1917 revolution in Russia
http://tass.com/politics/915903
その部分を訳してみるとこんな感じ。
私たちはいわゆる社会的大変革の結果が通常どうなるのかを知っています。不幸なことですが、私たちの国は前世紀においてそのような大変革に直面せざるを得ませんでした。2017年は2月革命、10月革命から100周年となります。
この機会に私たちはもう一度ロシアの革命の原因と本質を評価できるでしょう。
歴史家だけではなく、ロシア社会全体がこれらの出来事に対する正直で、深い評価を必要としています。
The Deluge: The Great War, America and the Remaking of the Global Order, 1916-1931 | |
Adam Tooze | |
Penguin Books |
詳解 独ソ戦全史―「史上最大の地上戦」の実像 戦略・戦術分析 (学研M文庫) | |
David M. Glantz,Jonathan M. House,守屋 純 | |
学習研究社 |
「昭和」という国家 (NHKブックス) | |
司馬 遼太郎 | |
日本放送出版協会 |
1917年ということで、もう5年近く前に見た番組を思い出しました。
今でもアルヒフに保存されています。
http://russia.tv/brand/show/brand_id/10230/
元革命家でドイツのロシア工作を請け負った、ハルブスの1917年に至る動向を追った番組です。当時僕が最もショックだったのは、7月一揆の際のデモ隊はドイツの金で雇われた連中で、行進する連中には数十ルーブリ、狙撃隊には百数十ルーブリが支払われたという件です。キエフのマイダンでもひとり数百ユーロの金が動いたという話を聞きましたし、今ではこんなものかなという感覚ですが、当時はウブだった小生としては歴史の見方を変える番組として記憶しています。
こちらこそいつも興味深いものをご紹介いただいてありがとうございます。
話としては2014年以前に知ってましたが、2014年のウクライナでの出来事を見て、100年前の話にいろいろリアルに考えが及んで、以来、ものすごく酷い話なのだと心に重くのしかかるようになりました。
このへんは私たちはまったくの偏向知識、政治的是正知識を教わっているわけで、これは絶対に改変されるべきと真剣に思ってます。
また面白いものを教えてください!
http://www.tvc.ru/channel/brand/id/41/show/episodes/episode_id/48260/
(このビデオの48分過ぎのところから)
ケレンスキーは単に無能の烙印を押された人物と斥けて良いのか、という疑問に対し彼の役割を再考するという内容です。番組の説は「ケレンスキーはアメリカの傀儡だった」というもので面白い展開でした。「彼は実に雄弁だった。その弁で地位を築き権力を得たが実際に行ったことはロシアをカオスに導くことのみだった。それも意図的にやったことで、ボリシェビキ、就中トロツキーへの権力禅譲が彼の使命だったのではないか。そのミッション成功の報酬として50年余りのその後の人生を西側で悠々と過ごせた。そもそも10月革命と称されるものは、ボリシェビキによる権力奪取ではなく、地べたに転がっていたものを拾い上げた程度のものではなかったか。」
ロシアは△△○○周年記念というのが異常に好きな国なので、今年は各放送局でかなり力の入った番組が出てくるのを楽しみにしています。その中で、ブログ主様の仰る「ネオコン/トロツキスト勢」への解釈は見物です。
ありがとうございます!
見ました。といっても理解できないわけですが(泣)。
でも、映像と音声の中の人物名、地名でなんとなく推移はわかるような気がします。
そうそう、混乱させるだけの人を無能と片づけるのは間違いですよね。つまり、混乱によって現存秩序が壊れる、これが大事な展開。その上であれよあれよと別の人を据え付ける、ってな流れ。
今のトランプvsカラー革命もだからバカにしたものじゃないと思ってます。
日本の明治維新も60年代の混乱があるからこそ、よく考えるとおかしい展開が可能になった、という感じですし。
また教えてくださいませ。ありがとうございました。