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南北朝鮮問題:68年目

2017-04-29 17:02:20 | アジア情勢複雑怪奇

北朝鮮がらみで、交通機関が止まったそうだ。ミサイルが襲撃した場合に鉄道を止めると何かいいことがあるんだろうか? むしろ走り抜けた方がよかったとかいう確率もありそうだが。意味のわからないことをする政府だ、ほんと。

そんなことが行われている中、今月は中国の高官が3人もプーチンに会っていた。その中の最後の一人、Li Zhanshu(栗戦書)さんという中国共産党中央弁公庁のチーフの人が、習近平のメッセージとしてプーチンにこんなことを言っていた。英語原文はいつものクレムリンサイト。訳は私の試訳。

今日、私たちの関係は、協力と相互利益によって特徴づけられる大国間の関係の例とされるのにふさわしいでしょう。私たちの関係は非常に堅実で成熟しており、戦略的協力と永続的な性質によって顕著なものとなっています。

また、習主席はこうもいいました。国際情勢の深刻な変化にかかわらず、私たちは、引き続き3つの定めを堅持し続けます。すなわち、状況にかかわりなく、戦略的パートナーシップと協力を深め、発展させる私たちの方針を変更しません。 共同開発と繁栄に基づく私たちの方針に変更はありません。平和と正義を守り、世界の協力を促進する私たちの共同の努力に変更はありません。

 

中露間の対話はどちらも文に拘る人たちだからなのだろうが、だいたいお行儀の良い会話をしているのだが、その中でもこれは結構、なにかとってもインパクトがあると私も一読した時から思っていた。ロシア草の根系で話題になっていたのでその周辺情報を勘案すると、これはまず第一にトランプ政権およびその周辺に対するものだろうと言えるみたいだ。

というのは、トランプたちは、チャイナを持ちあげて、俺たちは中露を離してロシアを孤立させることに成功してる、とかたびたびうそぶいているから。私も一回は見たけど、実際にはあっちこっちで政権の人たちがテレビを通して言ってるらしい。

だから、中露の協力関係に変更はないと言明したのだろう、ということ。中露間の関係は西側でいう閣僚レベルの頻繁な交流みたいなフェーズにあって、矛盾しないよう、あるいは誤解がないよう結構丁寧にやってるように見える。

で、栗氏の言明にある通り、大国間が協力と相互利益に基づいて動くっていうのは、安心できるよなぁと私も思う。ことに、アメリカと西側の今日が、嘘、捏造、騙し、だしぬけという作戦ばっかりなので、対比したくなる。横綱対チンドン屋みたいになっちょるとさえ思う。

で、交渉なんだからその途上で喧嘩したり、気分を害したりとかそんなことはもちろんあっていいわけですね。しかし、戦略的な方向性は調和である、ってことが多くの人に理解されていれば、両国民は安心できるというもの。

この両国は、戦略的という語を戦争用語として正しく使ってるなと私は思う。つまり、戦略レベル失敗は戦術では取り返せない、戦術レベルの失敗は戦闘では取り返せない、という時のそれ。

それに対して最近の西側各国の文脈では、ほんとは嫌いだけど必要があって戦略的に組んでる、みたいな感じで捉えているように思う。多分、視点というかパースペクティブが短くなっているんだと思うな。で、なぜそうなるのかというと、戦略レベルの決定は「西側対策本部」が決定しているから、各国には本気の戦略がないからではなかろうか?

 

■ 朝鮮半島で起こることへの布石

と、上の言葉は、しかしながら、私はもう一つの含みがあるんじゃないかと一読した時から思って、ここ数日ひっかかっているので、とりあえず書いてしまおう。

それは、米・中間で、朝鮮半島を巡って近くポジティブなことがある、ってことじゃないんですかね。で、そうすると、米は折からのバカさ加減から、や~い、中国はやはり米中の大国としての道を取ったのだ、露助シネ、みたなことをやりだすでしょう。

やったところで、既に中露間の交流は、上海条約機構を発展させていることを見ても、鉄道網の整備を見ても、長期的なパースペクティブでいってるからそう簡単に終わったりするもんじゃないでしょう。

しかし、現在のアメリカが欲しいのは、とにかくイメージと宣伝材料になる利益であり、そして、ロシアを孤立化させるというテーマの追及でしょう。後者を追及することで、ネオコングループが支援してくれる、と。イスラエル、サウジ、一部米は、シリアを崩してイランを崩すとかいう戯けたテーマを今も追ってますから。(アメリカ国民が納得するテーマではないのね)

ということで、それを勘案して、くだらないところで足元を救われないよう、十二分にメディアの乗り切り方を考えてる、と。そういうことじゃないのかな。それはそれ、これはこれで、私たちのユーラシア側へのコミットに変更なんかありませんよ、と習さんはあえて表明して、ロシア当局者じゃなくて、むしろパブリックに安心を与えた、みたいな感じではなかろうか。

 

■ 終戦できるのか

では何が起きるのか。なんでしょうね。朝鮮戦争を停戦から終戦へ、じゃないのかしら。

北朝鮮問題って、当事国は、北朝鮮・中国 vs US/UN だから、実際には米中問題と言ってもいい。

昨日書いたみたいに、この戦争は対中共の戦争の一環といえそうな側面はあるんだし。

そうは見えないと思う人がいれば、それはそのようにメディアが誘導しているからだと思う。特に日本とアメリカで。

で、中国および北朝鮮は、毎度やってる米韓軍事演習をやめろ、という交渉の条件をず~っと出しているが、米韓はそれを無視している。だから、これは交渉材料になる。

で、関係国にコンセンサスがあるのは、朝鮮半島の非核化、なわけだけど、これは北朝鮮だけでなく、南にいる在韓米軍の動向も含まれる。在韓米軍の核配備もやめないとならない。(とかいっても、この人たちを信用する人は世の中には誰もいないにせよ。)

といって、在韓米軍全面撤退とかいう話にまではいかないだろうけど、でも、ここから、米中が努力して、中国というよりアメリカの体面を保てるようなプランを考えるってことはできなくはないんじゃないか。難しいだろうけど。

多分、THAADは、これを妨害しようという利害関係者からの押し込みか。

3月にこんなことを書いたけど、この流れは生きているんだと思うし、実際には何度か試みられているんじゃないかとも思うんですよね。

戦後処理が遅れてるのは東アジア、もっといえば日本とその周辺ですから。台湾への言及も一応暴投してみた、みたいな感じで別に対中強硬と読む必要はないでしょう。

アジアシフトはできるのか

 

■ 地味に備えてる、日本

とかとか考えてくると、日本の外交が、安倍ちゃんがロシアに行き、岸田さんが国連で中国の王さんと意見を交わしたりしていることの意味もわかる。

つまり、日本の頭の上を超えて、米中が協力する話なわけだからですね。つい去年まで、中国を撃て~とか勇ましいことを言っていた日本のメディアはどう反応するつもりなのだろうってのは置いておいても、これが示唆することは、1952年以来続いて来た、朝鮮戦争対応のための日本ってのに変更があるということ。

そういえば、この本の一つの結論は、日本は現地派遣軍による軍政のままだというだけでなく、それがなぜそうなったかといえば、朝鮮戦争ファクターがとても大きいということでした。こういう本が出たのも、それはそれなりに理由があったのではなかろうかと今更だがそう思ってみたりもする。(日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか/矢部宏治

日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか
矢部 宏治
集英社インターナショナル

 

多分、右派の試みとしては、こうなった場合日本は捨てられたも同然だ→自主武装→核配備とかいう発想から様々なことが行われていたのでしょう。が、別に米は日本を出て行かないと私は思います。ここを拠点に南進論的な範囲を日本に面倒を見させたいから。

ただ、さすがに現在の地位協定などは改正を求める機運を作れるチャンスはあるのではなかろうかと思う。そうしないと日本が崩れそうだし。

 

■ 68年目

で、見方を変えると、もしこの流れが本当に起こるのなら、これって中華人民共和国68年目の勝利と言えなくもないようにも思う。1949年に国共内戦が決しても、その後もアメとその支援を受けた人たちがインドシナ側、朝鮮側、チベット側で活動していたという話はよく聞く。つか最近もアメ人たちが書いてる。それが終わったのは米中国樹立というか正常化というかなんというかという時だったが、その後も終わったわけではないし、今後も終わることはないでしょうが、いちおう多少のケリはつけないとならなくなったのはむしろ米だった、ってことかな、と。

 


 

 

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2 コメント

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『中国のバルバロッサはない』 (ローレライ)
2017-04-30 05:43:13
『西側』はロシア周辺国に『ナポレオンやヒトラーの後継者』を押し付けたがるけど『中国のバルバロッサはない』と言う事を習主席はロシアに確認している!
ユーラシア同盟 (ブログ主)
2017-04-30 14:43:04
ローレライさん、

なるほどそうも見えますね。
だけど、チャイナもバカじゃないんだから、西側に従ってロシアを潰したら次は自分だってわかってるわけで、そんな選択はないんじゃないですかね。

というより、西側が必至なのは、ロシア+中国+イランの三角形が緊密になってきてるからでしょう。マジで。

これが緊密になったらドイツは海洋側につきあってる意味が漸減するので、どうなるのかなぁって感じです。

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