英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・關係詞の讀み方 (4) 『内気なジョニー』のWHO

2012-06-06 | 英文法ミニ解説

 

【5月30日(水)からのつづき】

          ※お詫びとお知らせ:  5月30日の原稿に次の訂正を加へました。

            ・One Boyの歌詞 You’ll need someone who …

            ・末尾に例文として掲げた A Man Without Love の歌詞の譯文

 

4  目的格の who の文構造

 

   『内気なジョニー』の who(目的格)を眺めてみませう。この曲は先週紹介した『ワン・ボーイ』の前年1962年(昭和37年)に流行しました。この歌手の名前 Joanie は、正確には [dӡóuni] と發音します。ちなみに Johnny は [dӡάni / dӡɔni(ɔ にアクセント符號)] です。

  YouTube などの檢索バーに打ち込むのは、joanie sommers johnny get angry です。

 

Johnny Get Angry  (Edwards - David)

 

Johnny, I said we were through

Just to see what you would do

You stood there and hung your head

Made me wish that I were dead

 

*Oh, Johnny, get angry, Johnny, get mad

Give me the biggest lecture I’ve ever had

I want a brave man, I want a cave man

Johnny, show me that you care, really care for me

 

Every time you dance with me

You let Freddy cut in constantly

When he does, you never speak

Must you always be so meek?

*refrain

 

Every girl wants someone who

she can always look up to

You know, I love you, of course

Let me know that you’re the boss

*refrain

 

  第 4 聯に次のやうな文がありました。

♪Every girl wants someone / who she can always look up to.

 

  下線部は先行詞 someone の説明です。「女の子はみんな someone (誰か)がほしい」と歌ひますが、someone だけではよくわかりません。who が續きますから、説明があるなと豫感されます。下線部を讀み進むと、 look up to のあとに blank/gap があります…つまり尊敬する對象になる人が述べられてゐません。who に言ひ換へた someone がその目的語となり、かつ文がつながると考へます。 someonesomeone でも「いつも見上げることができる someone 」といつた説明だと受けとめます。すると「女の子は誰でも、いつも尊敬できる人がほしいのよ」といつた意味が傳はつてきます。

  ここでは wholook up to の目的語として置かれてゐると見るので「目的格の關係代名詞」といふことになります。目的格であると、關係詞のあとに動詞や助動詞ではなく、多くの場合、主語(名詞や名詞句など)が續きます。目的格の關係詞が省略された時には<名詞(句)・名詞(句)>といふかたちになります。

  本來の目的格 whom は今日ではあまり使はれなくなり、 whothat で代用されたり、省略されたりします。 whom は文章の中で前置詞とともに使はれるのを見かけることがありますが、口語ではあまり使はれないやうです。40年位前に新聞で、whom は死に絶えつつある、といふ英文記事を讀んだことを思ひ出します。

 

  (※この歌では使役表現( let / make )や wish とともに使ふ假定法過去などを覚えることもできます)

 

【この項 6月13日(水)につづく】