雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

探偵★日暮旅人の贈り物

2013-04-25 20:46:41 | 

山田幸三郎著"探偵★日暮旅人の贈り物"を読みました。
作者はこの本を完結編にするつもりだったようでその
ような後書きがあります。でも続編が出ています。
この本では旅人の過去が明らかにされます。
預かっている灯衣(てい)の出生についても明らかに
なります。
雪路との関係も偶然に出会ったものではありません。
陽子と旅人との幼いころの関係もはっきりします。
前の巻で語られた様々な話の断片がこの巻ですっきり
収束しています。
物語としてはなるほどみごとだと思います。
でも内容があまりにも真っ暗で救いがありません。
市長、警察、暴力団が手を組んで世の中をまわして
いくなんて気分が悪くなります。
熊谷という心が壊れているような残虐な暴力団員の
行為もやりきれません。

彼らが捜し求めているのはジャーナリストの山田が
残した山田手帳です。
この手帳に書かれていることが表に出れば彼らは
大きな打撃を受けます。
旅人の両親の死や旅人が受けた誘拐、拷問、薬剤の
試験台にされ感覚を失うことになった理由がこの
手帳の行方です。

旅人はすべてを知りました。
でも彼は復讐しようとか世の中を良い方に変えよう
とかしようとはしていません。

話の終わりでもほとんど変わることがなかった
世の中ですが、変えようとする人達が現れ始めて
います。
これから変わっていって欲しいです。
こういう子供に残酷なことを平気でするという話は
見たくないです。
でも現実の社会で様々な残酷なことが幼児に対して
行われているのがニュースで流れています。
今日も流れていました。

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