雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

夢の花、咲く

2012-04-16 21:51:51 | 
梶 よう子
文藝春秋
発売日:2011-12

梶よう子著"夢の花、咲く"を読みました。
以前読んだ"一朝の夢"のシリーズ物です。
"夢の花、咲く"の方が後から出版されていますが
こちらの方が"一朝の夢"より前の話になります。

北町奉行所同心中根興三郎が主人公です。
興三郎は独身で親の代から働いている藤吉と
暮しています。
三男で学者になるつもりが兄の死で家を継ぐことに
なりました。
黒船が現れた時期の話です。
変化朝顔の栽培がさかんでした。
興三郎も朝顔の栽培に夢中です。

川に死体が上がります。
調べていくと朝顔の栽培をしている下総行徳の植木屋の
八十助とわかりました。
植木屋の成田屋留次郎と娘のお京は興三郎の知り合いです。
お京は興三郎の同僚の岡崎と結婚する予定です。

変った朝顔に夢中になるあまり闘花会といって朝顔で
賭けをして店を潰したり自殺したりする人が現れます。

江戸の町を大地震が襲います。
家を失くした人たちのためお救い小屋が作られます。

亡くなった兄の婚約者だった志保は材木商の杉戸屋と
結婚しています。
杉戸屋は町人のため材木を無料で提供します。
志保はお救い小屋に不足の物資を集めてきて差し入れ
しています。
あくどく儲けようとしている材木商の大原屋は杉戸屋を
陥れようと画策しています。
旗本の鴻池が後ろ盾になっています。

画家の河鍋周三郎や鯰組が強欲な商人にあくどさを
思い知らせるため活躍します。

杉戸屋は大原屋に追い詰められるばっかりです。
あと少しでおしまいなのにどう決着するのかとはらはら
しました。
最期は正義が勝ちます。

興三郎はこの本では活躍しています。
地震の話が出て来るのは生々しくて心が痛みます。