田の神様のつぶやき

歳とともに憂国の情深まり、日本の将来を政治経済の在り方から見つめていきたい。

将棋が趣味という憲法学者・木村草太教授の講演、憲法解釈を詰将棋のように楽しんでいるのですかー大事なのは13条でなく芦田修正案でー

2017-09-07 14:49:16 | 日記

昨日9月5日「憲法という希望」をテーマに、首都大学の木村草太教授の講演会が丹波市であり、田舎でも700人のホールがいっぱいになった。木村先生の講義内容は自衛隊と憲法9条、教育無償化と憲法、辺野古訴訟の憲法論であったが、90分のほとんどは憲法9条に費やされた。質問用紙が配られ、選ばれた質問に木村先生が答えられたが、私の質問は不採用(新聞「声欄」のように主催者の都合の良い質問が採用の感)、そこで改めてブログで質問したい。

私の質問は、「多くの憲法学者が違憲と見ている日米安保がもし(ありえないだろうが)廃止されれば、憲法9条は本来の姿を呼び戻したと見るのか、厳しい安全保障環境の中で憲法改正は必要となるのかお聞きしたい」とした。以下疑問点を書いてみる。

 まず、「国際法の原則」

武力不行使の原則だが、例外として国連憲章42条の集団安全保障(国連安保理決議で加盟国が共同で安全を保つ。)、それまでの間の時間的空白は憲章51条の自衛権(個別的・集団的)で自国を守らなければならない。ここで、木村先生、個別的自衛権と集団的自衛権は同列に書かれているが、縄文人と弥生人が異なるように全然別物と笑いを誘う。

― 個別的自衛権と集団的自衛権を区別するのは日本のみと言われているとしながら、日本(の憲法学者)は各国共通の国際法的解釈が出来ないのですか。

 日本国憲法は武力行使統制 

憲法9条1項は、「国際紛争解決のための武力行使・戦争の放棄」となっている。外交交渉で行き詰まったとして武力行使に訴えることは侵略に繋がるのでダメということ。  憲法9条2項は「(陸、海、空その他の)戦力不保持、交戦権の否定」となっている。

第一の論点「9条の禁止範囲は?」として、木村先生は「国際紛争解決のため」ではない(自衛のための)武力行使は禁止していない(芦田修正案=“前項の目的を達するため”)との説があるが、憲法に「武力行使を行う場合の責任者・手続きなど不明」でやはり武力行使はできないと言われる。

― 元々日本国憲法は敗戦国の戦争放棄(戦勝国アメリカの原案と敗戦国日本の反省から)がベースとなっており、憲法に武力行使規定がないのは当然で、そのことで自衛戦争も認められないとなるのですか。

 第二の論点「9条の例外を認める根拠はあるか?」

1説:例外規定は存在しない⇒個別的自衛権・自衛隊違憲説

2説:憲法13条が根拠となる⇒個別的自衛権・自衛隊合憲説

木村先生、13条は政府に国民の生命を保証する義務を課しており、国内防衛作用については「行政」の範囲に含まれる。ところが、他国防衛について、例外を許した条文はない、従って集団的自衛権が認められるはずはないでしょうと言われる。

― 自衛権の根拠を基本的人権の生命・自由・幸福の追求から引っ張ってこなければならないこと自体に憲法解釈の無理があるのではないですか。(根拠をさがしまわって、あった、あった、13条を使おう、と言うことになったのですか。)

 それ以上に、日本の基本法の解釈が2分するような日本国憲法に欠陥があるのではないですか。

 最後 安保法制と9条改憲

安倍首相は1項・2項を維持しつつ自衛隊を憲法に書き込む?

木村先生、自衛隊を設置してよいと書くだけでは意味をなさないのであって、自衛隊の任務をどう書くか決めなければなりません。

 甲案:個別的自衛権まで⇒可決で安保法制違憲

 乙案:集団的自衛権こみ⇒否決で安保法制に国民がNOの可能性大

集団的自衛権が国民投票で否定された場合、敗者(?聞き取りにくし)復活のようなことになり、どっちに向かっても政権与党としてはまずいことになりそうですと言われる。

私から見ると、憲法9条を改正する場合、木村先生の提案仮説なり結果予測は納得がいかない感じ。国民が集団的自衛権は認めないだろうと言われるが、国民には集団的自衛権と背中合わせの日米安保を廃棄せざるを得なくなるかもしれないことも問う必要があります。そこで、最後の質問・不採用だった質問です。

― ①多くの憲法学者が違憲と見ている日米安保がもし(ありえないだろうが)廃止されれば、憲法9条は本来の姿を呼び戻したと見るのか、厳しい安全保障環境の中で憲法改正が必要となるのかお聞きします。 

 ②なぜ安保法制を憲法違反として訴訟を起こさないのですか。砂川裁判の最高裁大法廷で集団的自衛権も認めたからではありませんか。

 (追)日本国憲法の改正に携わった宮沢俊義東大教授は、8月革命説をベースに憲法で変えることができないのは国民主権であり(このことが立憲主義そのものです。)、平和条項、基本的人権、改訂条項でさえ時の国民が決めることと言われています。宮沢さんのような現実を見据えて憲法を解釈していた憲法学者はいなくなった感じですね。憲法の条文をあさるだけの憲法解釈学者を皮肉って、詰将棋のように憲法解釈をしていると言ったのです。すみません。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 民進党代表選は路線論争だけ... | トップ | 希望の党の最大の功績は平和... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事