かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠179(中国)

2017年08月09日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の旅の歌23(2009年11月)【紺】『葡萄唐草』(1985年刊)
    参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:T・H
    司会とまとめ:鹿取 未放


179 上海の青葉どきなる夕暮を静けき紺ぞ人民服は

      (レポート)
 今、上海は初夏の青葉時である。風も爽やかだしとてもよい季節だ。そして多くの人々が散歩や買い物に出ている。しかしその人出の割には、街に喧噪がない、静かである。83年は開放路線もまだ途についたばかりで、一般化されていない。それで本来なら、もっと喧噪状態であるはずの中国、上海の街角状況を、人民の自由な自己主張が制限されている共産社会の恐ろしさを、人民服の紺に準えて、静かだとの感慨をお持ちになった。
 戦前、上海は諸外国に牛耳られ租界なる地域を余儀なくされていた。そのような中から復活した新中国なら、もっと自己主張をして賑やかであってもよいのではないか、との先生のお気持ちが込められているのではないだろうか。(もっとも、2009年現在の上海は、少々行き過ぎの感があるが。)(T・H)


     (当日意見)
★写生の歌。それほど思い入れはない。(藤本)
★思想統一に逆らえない人々の静けさ。(T・K) 
★私には思想の歌とは読めませんが。夕暮れ時に静かに紺の人民服で散策する人達、青葉どきの青
 と静かな色のハーモニーがあるようだ。(鹿取)
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