かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠37(アフリカ)

2017年06月16日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の外国詠 ④(2008年1月実施)
  【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P162~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター 渡部慧子 司会とまとめ 鹿取未放 
 

37 食用鳩くうと鳴きたり麦食うて肥えて籠より摑み出されて

     (まとめ)
 人間に食われる鳩を哀れには思っているだろうが、「いかんともしがたくたたずむ」ほどではないだろう。われわれは活け作りの魚も食べれば、馬も羊も猿も犬も食べるのである。作者にはタコを食べる歌もあれば嫌がって鳴くラクダに乗る歌もあった。この作者はいつもそのような命の循環を大肯定しているようだ。
 「て」の連続はこれまでの状況を活写して生き生きとしたリアリティを出しているし、くうと鳴く、食うてなど「くう」の音の重ねも工夫されている。(鹿取)


      (レポート)
 平和の象徴、伝書鳩、いろんな面のある鳩が、ここでは食用として売られている。作者は叙景歌として、心象詠として鳥をよくうたっているが、掲出歌はわかりやすい表現でとどこおったところがない。その上「麦食うて」「肥えて」「摑み出されて」と「て」が三度まで続き、ことが終わらないのだ。思うに束の間の鳩の命が詠われながら、生きとし生けるもののはてしない命の循環が暗示されているようだ。結句の淡い「て」には鳩をあわれに思いつつ、いかんともしがたくたたずむ作者の情が滲んでいる。(慧子)
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