かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠56(アフリカ)

2017年07月23日 | 短歌一首鑑賞

 馬場あき子の外国詠 ⑦(2008年4月実施)
   【阿弗利加 3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P171
   参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:T・S *レポートの表記は、句読点・誤字脱字を含めママ。
   司会とまとめ:鹿取 未放
 

56 夕日濃きフナ広場にはじやらじやらと人群れて芸なしの蛇もうごめく

      (まとめ)
 「夕日濃き」に夕方の華やぎがある。そういう時刻になってますます広場は活気を帯び、「じやらじやらと」人が群れ出すのだろう。濁音を使った擬態語は、自分も含めその場を楽しもうと意気込む無責任な群衆の比喩になっている。「芸なしの蛇」は手厳しいようだが同情の心もこめられているようだ。(鹿取)


     (レポート)
 フナ広場はモロッコというマラケシュにあるジャマ・エル・フナ広場のことである。ジャマ・エル・フナとは死者の広場という意味で、昔は罪人の処刑場だった。広場と言っても街の一角が商業地で、多くの店が集まっています。ここには多くの人が集まるので、見世物や街頭芸人がいろいろな出し物を演じて、客からお金をもらいます。蛇遣いも有名です。コブラを笛を吹いて踊らせる芸はよく知られています。「じやらじやらと人群れて」硬貨の音にも聞こえ一層の賑やかさの表現。笛を吹いてもなかなか思い通りにいかないこの蛇。「芸なしの蛇」。愛嬌者だろうか、意地っ張りなのだろうか、実に楽しい。しかし見逃さない視線に感服である。          (T・S)
 

       (当日意見)
★じやらじやら、の擬態語が蛇(じゃ)の音に通じる。(可奈)
★じやらじやら、を使ったことでよい歌にしあがった。(崎尾)
★蛇も、の「も」がよい。(藤本)
★「芸なし」には人間も入っている。(慧子)
★人群れて、に自分が入っているのか、納得ができない。全て上から見下ろしているという感じ。
(T・H)
★当然、自分も入っている。群れている人の一員であることを承知し自己批判もありつつ、旅行者
 としてその雰囲気を楽しんでもいる。(鹿取)

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