かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠65(スペイン)

2017年02月22日 | 短歌一首鑑賞

 馬場あき子の外国詠8(2008年5月実施)
      【西班牙 Ⅰモスクワ空港へ】『青い夜のことば』(1999年刊)P49
       参加者:N・I、M・S、H・S、T・S、藤本満須子、T・H、
           渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:H・S
       まとめ:鹿取未放

◆ものを書くことや鑑賞に不慣れな会員がレポーターをつとめています。不備が多々ありますが
 ご容赦ください。

65 明るき雲の上に出でたるイベリア機内ふいと爪切りを出して爪切る

          (レポート)
 上の句で旅客機が離陸し雲の上へと出るまでの瞬間を字余りにうたっている。優雅な表現である。その優雅さが時間の短さを際だたせている。と同時に機内にある作者にある無事な離陸からの安堵が滲む。4句の「ふいと」にゆったりとしている姿が読み取れる。あたかも雲の上にぽかっと浮かんでいるかのように思える機体に囲まれた機内には変わらぬ時が流れている。その機内の今を爪切りという指先による小さな行為で表現しているように思う。滑走する旅客機の速度と対比させているのであろうか。一瞬を字余りで詠っている象徴的な歌である。(H・S)


     (まとめ)
 イベリア機は、スペイン国営の航空会社の飛行機。安定飛行に入ってシートベルト着装のサインも解かれたのだろう。ほっとした機内で爪切りをするところが飄逸。明るい雲の上、イベリア機に旅情とこれからの旅への期待感も出ている。もっとも9・11後は刃物の機内持ち込みは禁止であるから今は叶わない光景であろうか。     (鹿取)

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