かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠30(アフリカ)

2017年06月09日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の外国詠 ④(2008年1月実施)
  【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P162~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター 渡部慧子 司会とまとめ 鹿取未放 

         
30 カサブランカに降(お)りて時間を巻き戻し九時間前の太陽に会ふ

     (まとめ)
 カサブランカは「白い家」の意。カサブランカと日本の時差は9時間、現地について実際腕時計を巻き戻して現地時間に合わせたのだろう。時差の不思議を歌っているのだが、白い家とさんさんと照る太陽がよく映りあっている。
 慧子さんの発言にあるのは、永田和宏歌集『華氏』の「時差」の一連でアメリカで師・高安国世の死を知ったの次のような歌を思い浮かべているのであろう。(鹿取)

    高安国世氏の死去は、七月三十日午前五時十二分。ひとり待つその時刻までの、ながい夜。
  朝と夜をわれら違えてあまつさえ死の前日に死は知らさるる
  君が死の朝明けて来ぬああわれは君が死へいま遡りいつ

   
     (レポート)
 カサブランカはモロッコの空の玄関、15世紀にポルトガル人がこの街を建設し、そう名付けた。その後20世紀初めフランス統治下にて近代都市に改造され、現在に至っている。
 そこへ馬場あき子一行は安着した。時差を詠っているのだが「九時間前の太陽に会ふ」とは同行した清見糺の「モロッコ私紀行」※を参照にするとよく理解できる。
 世に不可能をあげるなら、時間を巻き戻すことがひとつある。それを歌においてやすやすとやってのけ、快感のある一首だ。
  ※9月16日21時55分成田発⇒⇒⇒20時間飛行してジブラルタルを越え、モロッコ到着
         (日本時間 9月17日18時20分)
         (現地時間 9月17日10時20分)
                     (慧子)

     (当日発言)
★旅行とは逆順に歌をまとめている。最初にサハラをもってきたのはサハラの印象がよほど強かっ
 たのだろう。(藤本)
★時差ということで思い出したが永田和宏の歌に、師の死を知るという歌があり印象に残っている。
    (慧子) 
                   
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