かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠254(中国)

2016年10月17日 | 短歌一首鑑賞

   馬場あき子の旅の歌33(2010年11月実施)
    【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)195頁
     参加者: N・I、Y・I、佐々木実之、T・S、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター: 藤本満須子
     司会とまとめ:鹿取 未放


254 李白はも碧眼の説烏魯木斉(うるむち)の黄沙鳴く夜にきけば妖しも

     (レポート)
 歌は、李白は青い目をしていた、という説を烏魯木斉に来て黄沙が鳴いている夜に聞くと何とも妖しげな感じがすることよ。碧眼の李白がなまめかしく感じられるということなのか。李白は701年~762年の盛唐の詩人。(藤本)


      (意見)
★李白が異国出身だと考えた方が、その詩に表れた孤独や望郷の歌がより深く理解できる。(実之)
★唐代には、長安にも青い目の「女給」さんがたくさんいたそうだ。李白もキルギス出身という説
 もあり、金髪碧眼であった可能性もある。「黄沙鳴く夜にきけば」という設定が上手い。確かに
 そんな説を黄沙鳴く夜にきけばそぞろ妖しい気分にもなってこようというもの。しかし、碧眼は
 まだしも彼の詩を思うと金髪の李白というのはちょっと想像を絶する。(鹿取)


      (まとめ)
 李白は、讒言にあって朝廷を追放されたり、捕らえられて流されたりと官職においてはあまり恵まれない生涯を送っている。しかしスケールの大きい「天馬空を行くがごとき」詩を書いて詩仙と称された。有名な五言絶句「静夜思」の頭を低れて思う故郷は、キルギス出身説を採ればなるほど実之さんのより深い望郷や孤独というのも分かる気がする。(鹿取)

           静夜思
       床前看月光  床前(しょうぜん)月光を看(み)る
       疑是地上霜  疑うらくは是(こ)れ地上の霜かと
       挙頭望山月  頭(こうべ)を挙げては山月(さんげつ)を望み
       低頭思故郷  頭を低(た)れて故郷を思う

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