馬場あき子の旅の歌1(2007年10月実施)
【オーロラ号】『九花』(2003年刊)139頁
参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、Y・S、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:K・I
まとめ:鹿取未放
9 ロマノフ王朝の宝石はざくざくの乱反射青い光赤い光深く野性的
(まとめ)
下句の破格の詠い方が魅力である。3句めも「大判小判がざっくざくざっくざく」などと使い古された感のある擬態語だが本来のイメージ力をもって迫ってくる。それほどふんだんに宝石類が使われ、見飽きるほど展示されてもいたのだった。宝石類は、エルミタージュ美術館でもエカテリーナ宮殿でも見たが、この場面はモスクワ、クレムリンの武器庫のものであろう。
「ロマノフ王朝」は、1613年、ミハイル・フョードロヴィッチ・ロマノフがツァーリとなった時から1917年ニコライ二世がロシア革命で廃位されるまで300年余り18代続いた王朝。
ワイルドな詠い口が、ロマノフ王朝自体のもっていた野生をそのまま掴んでいるようだ。それゆえに苦しめられた民衆のことはここでは考えなくていいのであろう。(鹿取)
(レポート)
博物館などでみた旧王朝の遺品でしょうか素晴らしかったでしょう。(K・I)