かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠35(アフリカ)

2017年06月14日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の外国詠 ④(2008年1月実施)
  【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P162~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター 渡部慧子 司会とまとめ 鹿取未放 
 
35 潰れたやうな時間の澱みスークには売らるる鶏(とり)の眠れるにほひ

         (まとめ)
 上句、感覚的だが雑多でとらえどころのないスークの本質がよく捉えられている。気の遠くなるような時間が同じ空気をたたえてそこには流れたのであろう。下句の「鶏の眠れるにほひ」は臭覚を伴う映像としてスークの雰囲気をよく伝えている。(鹿取)


      (レポート)
 その場スークを詠いおこすため「潰れたやうな時間の澱み」とまず言い切る。旧街区として保存の意味もあろうが、時代からとりのこされたようなスークを理屈抜きで感じさせるうまい比喩である。同時に結句「鶏の眠れるにほひ」と実によく照応しており、このフレーズが一首全体によく働いている。そして下の句「鶏の眠れるにほひ」とは、言えそうで言えない実に端的で上手い表現だ。スークは業務ごとにまとまって営業していていろいろな場所があるらしいが「鶏の眠れるにほひ」のする所とは、何か虚無に支配されているようだ。そんな一区画に踏み込んだのであろう。
  売られたる鶏は水見てゐたるかな二丁艪に漕ぐ蘇州運河に  馬場あき子
                                       (慧子)
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