かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

渡辺松男の一首鑑賞 366

2016年12月28日 | 短歌一首鑑賞

  渡辺松男研究44(2016年12月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【半眼】P149
     参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子
     司会と記録:鹿取 未放

366 君に電話をしようかどうかためらうに夕日は落ちるとき加速せり

      (レポート)
 「君に電話をしようかどうか」とためらうのに、自分の内側に固執しないで、とびっきり大きな景と、とりあわせて面白さがある。その迷いの心理状態を「夕日は落ちるとき加速せり」と表現し、恋に落ちるという言いまわしを踏まえていよう。暗示が効いている。(慧子)

 
      (当日意見)
★このまんま、ためらっている内にすっかり暮れてしまった。恋に落ちるとは思わなかった。
  (M・S)
★君を恋人かなとは思いましたが、恋に落ちるとは思いませんでした。ためらっている時間は
 長かったんだけど、夕日はそれを追いつめるように加速した、とても巧みな歌だと思う。 
   (真帆)
★恋に落ちるという言いまわしを踏まえてこの下句が出来ているとは思えません。既に恋に落ちて
 いるから君に電話しようかためらっている訳で、恋していなければためらう必要もないし、そも
 そも電話しようとも思わないのでしょう。用事がある訳でもなそそうだし。ためらっているうち
 に夕日が加速するように沈んでいった、その淡い失望感というか哀しみ。結句が上手いですね。
   (鹿取)
★夕日はの「は」が上手いですね。(真帆)
★独特の文体ですね。最近の助詞の使い方もますます独特で、とても真似のできないユニークな文
 体ですね。(鹿取)
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