かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠1 (ロシア)

2016年10月18日 | 短歌一首鑑賞

   馬場あき子の外国詠1(2007年10月実施)
       【オーロラ号】『九花』(2003年刊)135頁
        参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、Y・S、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
        レポーター:K・I
       まとめ:鹿取未放


 ◆この一連は、なにげなく詠まれているようにみえて、歴史について、現代や現代の国の関係に
  ついて深く思いを凝らしている洞察力のある歌々である。2001年7月の「ロシアの帝都と
  黄金の環・吟行の旅九日間」には私も同行したため、一首鑑賞からはみ出して蛇足を加えてい
  る部分が多いが、懐かしさの故と思ってお許しいただきたい。

1 日本海海戦より生還せしはただ二艦そのオーロラ号白きネヴァ川

      (まとめ)
 1905年の日露戦争、日本海海戦に参戦したロシアの39艦のうち帰還できたのはたった二艦だったという。そのうちの一艦が「三笠」と対決して敗れたオーロラ号。全長126メートル、6000トンの巡洋艦である。
 作者は史実と目の前の実景だけを言っている。感情を表現することばはない。あるとすれば「ただ」という副詞と「白き」であろうか。「白き」は連体形だがここでは「ネヴァ川」に掛かるのではなく、詠嘆を表す連体中止法の態で使われている。「白き」の後に目に見えない休止が入っていると考えるとわかりやすい。「生還した二艦のうちの一艦であるオーロラ号が白く浮かんでいる、ここネヴァ川よ」という気分なのだろう。残念ながらこのオーロラ号はレプリカだそうだ。
日露戦争でバルチック艦隊を率いたロジェストウェンスキー中将の手紙がこの度ロシアで発見され、妻への手紙には「この艦隊は滅亡するだろう」というようなことが書かれているそうだ。(07年10月25日「朝日新聞」夕刊)『坂の上の雲』に描かれた傲慢な愚将像とはずいぶん違うらしい。(鹿取)


     (レポート)
 東郷元帥ひきいる日本海軍はロシアのバルチック艦隊に勝利して壊滅したロシア側でやっと残った艦がオーロラ号とのこと、今もネバァ川に残っているのでしょうか。(K・I)


     (発言)
★司馬遼太郎『坂の上の雲』にこのあたり詳しい。(崎尾)
★ロシアが負け、皇帝制が崩壊していく象徴としてオーロラ号がある。(藤本)



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