鞦韆院落
中国に思いをはせる映画コラム
 





5月24日から5月30日まで、北京・宋荘で第6回中国紀録片交流週が開催されました。
秋のBiFFと同じく、栗憲庭電影基金の主催で宋荘美術館と現象工作室を会場に上映されているものです。
BiFFと異なるのは、こちらがドキュメンタリーに特化した映画祭であるということと、賞があるということです。
また、海外作品が多数紹介されたり、審査員に外国人がいたりするという点で、国際的なイベントでもあります。
特に今回は全47作品の中に、日本映画8本とベルギー映画16本(多くは短編)が含まれており、外国作品の比率がとても高くなりました。

中国作品は23本しかないわけで、そうなると物足りない気もします。
ただ、作品が少ない割にスケジュールは詰まっているのです。
というのは、上映時間が長い作品がたくさんあるからです。
今回は3時間を超える作品が6本あり、そのうち2本は6時間を越えています。
以前から中国のドキュメンタリーが長くなってきたという話を書いてますが、ついにここまで来たかという感じです。
正直、こんなに長くてはどんな良い作品でも疲れてしまいます。
それに、映画祭では上映できたとしても、一般の劇場でかけるには無理があるし、そういう意味からも短い方がいいと思うのだけど、中国の作家はそんなことお構い無しなのでしょう。
個人的には、こんな長いのを何本か上映するよりも、2時間以内の作品をたくさん上映してくれた方が嬉しいです。
日本で上映するにも都合がいいし。

ともかくも、年に1度のドキュメンタリー映画の祭典が始まりました。



開会式が開かれた宋荘美術館の上映ホールは、昨年に増して大勢の人が来場し、入りきれなくて帰る人まででるほど。
回を追うごとに熱気が増しているようです。

今回は土本典昭監督の回顧展があったほか、日本の最近の作品も2本上映され、それにちなんだシンポジウムも企画されたため、日本から多くのゲストが訪れました。
またベルギーのHenri Storckという監督の特集もあり、その人の孫で自身も監督であるという人などがゲストに来ていました。
まさに“交流週”と呼ぶにふさわしいイベントです。

ただ、大勢集まった観客の中には不審な人もいます。
日本からのゲストを紹介している時、通路に腰かけている男たちが周囲に聞こえるような声で「なんでこんなに小日本が来てんだよ」とブーブー言ってました。
周囲からは白い眼で見られてましたが。

開会式の後はオープニング作品である『上訪』が上映されました。
趙亮監督の新作で、カンヌで上映されたばかりという作品です。
このときはカンヌと同じ120分バージョンを上映したのですが、もっと長い318分バージョンというのもあって、こちらも期間中に上映されました。
“上訪”とは直訴のための上京という意味で、地方の行政や司法のやり方に不満を持っている人たちが北京に来て、中央政府が設けている苦情センターのようなところに不服申し立てをするのです。
でも簡単には聞いてもらえないので、直訴者たちはスラムを形成し、長期滞在しながら繰り返し訴え続けています。
この映画は、97年ごろからそういった人たちを撮り続けたものです。
理不尽な政府の対応や、家族の名誉や生活のために懸命に訴える人々に、観客は涙を流したり、拍手をしたり、とても素直に感情移入しているようでした。
通常の中国メディアではまず流れない映画だけに、この映画祭の心意気を示したオープニング上映とも言えそうです。

さきほどブーブー言ってた男たちは、上映が始まって20分くらいで「つまんねえ」と言いながら帰って行きました。
妨害目的だったのでしょうか。
観客が多くなるとこういった変な輩も増えてくるようで、困ったものです。

上映の後は、昨年のBiFFで宿泊した龍徳軒でパーティーが開かれました。





やることが年々豪華になってます。
世の中不景気だと言うのに、どうやったらこんな資金を引っ張って来られるのだか。
まったく、大したものです。

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