鞦韆院落
北京で過ごすインディペンデント映画な日常
 



デモが続いていますね。
中国の友人たちから、安全に気をつけてというメッセージがよく届きます。

ただ、ネットやメディアでは確かに大騒ぎしていますが、肌で感じる印象としてはやはり昨日と同じで、外はいたって普通です。
大使館付近や日本人が集まっているところ、日系スーパーなどはきっと緊張していると思いますが、それはターゲットにされているからであって、それ以外の場所ではまったく実感というのがありません。
これは、一般人の感覚と、デモに参加している人たちの間に温度差があることも表していると思います。
庶民の感覚とずれた、非常に違和感のあるデモが行われていて、気持ち悪いと思っている人がたくさんいます。

中央電視台では数日前から日系企業のCMを放送しなくなりました。
スポンサーに対して補償があるならいいですが、たぶん無いんでしょうね。
ニュース番組では、街頭インタビューと称して一般市民を装う人が「べつに日本の商品が優れているわけじゃないし、私は国産を買うわ」なんて話している様子を毎回流しています。
国をあげて日本製品不買運動をしろと、政府が指示しているわけです。
新聞も同じで、どの新聞も同じ内容の記事を並べているだけです。

微博では、デモの現場からも様々な情報が生々しく発信されています。
特にスーパー襲撃などが明らかになってからは、デモの動きに違和感を感じる人たちが実態に迫ろうとしている様子が感じられます。
例えば、デモ隊の先頭にたって日本車を壊すように皆を煽っている人は何者なのか、顔写真を撮って微博に晒し、個人を特定してやろうという人が出てきます。
ところが、明らかな犯罪行為をしている犯人なのに、その書き込みは即座に当局から削除されます。
まるで当局が犯人特定を恐れているかのように。

天安門事件があってから、中国では一般庶民が起こすデモなど許されません。
たとえ反日デモであっても、警察に申請をして認められるということはないんです。
今回のデモは自然発生的なものだと当局は言うかもしれません。
でも、集合場所やルートが事前に決められ、集合時刻がネットで告知されて、おそろいのTシャツを着た人たちがスピーカーを使って先導しています。
一切のデモが厳しく禁止され、大勢の人が集まるとすぐに武装警察をつかって蹴散らす中国で、どうして彼らはデモを組織することができるのでしょう。

私の知っている人が今日北京でデモ隊に遭遇したそうで、それを眺めていると沿道で警備している警官から「何を黙って見てるんだ、早くデモに加われ」と言われたそうです。
ある人は不可解な横断幕を持っている人にその真意を尋ねると、「持たされているだけだから」と答えたそうです。
別な場所のデモでは、軍服を着た老人たちが現れて、老兵が来たと周囲が大喜びしたそうですが、本人たちは「職場に呼び出された」と語っていたそうです。
大使館へ向かうデモ隊には、途中でペットボトルの水が配られます。
大使館へ着くと、それを投げるのです。

昨日の西安のデモは、夜に街が閉鎖されるほどの混乱を見せました。
その西安で、スピーカーを手にデモを煽っていた中心人物の顔写真が晒されたのですが、それが西安のある派出所所長にそっくりだということで、所長と顔を比べる写真が出回りました。
確かに、他人のそら似ならびっくりするほどそっくりです。
その書き込みは拡散され、そしてすぐに削除され、それが繰り返されています。

どこかの誰かが知り合いに向けて書きこんだ、「秩序は一晩で回復させる。私が求めているのはあなたたちの民主政治への絶望だ」という、煽動者がデモ参加者に伝えていると思しき書き込みも、ものすごい勢いで広まり、そして必死に削除されています。
扇動者には、秩序を回復させる力があるんですね。

ある人が撮った写真には、デモ参加者が着ている日本製品ボイコットを呼びかけるTシャツの下に、防弾チョッキが透けていました。
そして片方の耳にはイヤホンが付けられています。
耳にイアホンがあるデモ参加者は各地で写真に撮られています。

青島の日系企業の工場が焼かれましたが、この暴徒は自然発生で集まったんでしょうか。
扇動者もなく現場に着き、警察が見ていない中で火がつけられたのでしょうか。
青島の警察は「デモに加われ」とは言わないのでしょうか。

もちろん、自分の意志でデモに参加している人もたくさんいると思います。
でも、動員されている人との比率は不明です。
動員された人たちは、何の見返りもないのでしょうか。

昨日長沙で行われたデモは、株洲日報という新聞社が呼びかけたそうです。
中国で新聞社がどういう立ち位置かは、言うまでもありませんね。
平和堂が襲われ、われ先にとなだれ込んだ暴徒によって、スーパーが空になるほどの略奪が行われました。
iPhoneやロレックスを手に入れたと自慢している人たちの書き込みも、微博で広められています。
日本では当局が制御できなくなっていると報じられていますが、果たしてどうでしょう。
シャッターを壊して突入しようとする暴徒を、ものすごい数の武装警察がだまって見ていたのはなせでしょう。
激しい焼き討ちや略奪が各地で行われているのに、ケガ人がでたという情報はほとんどありません。
私が知る中でケガ人が出たというデモは、人々が市政府に突入しようとして催涙弾が飛んだという深センのデモだけです。

中国では赤い旗を立てたものすごい数の漁船が集められているそうです。
中国政府の意思はすでに明白です。
日本はそれにどう対抗するのでしょうか。

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