だりゅんのXXX

最近の(・∀・)イイ!!を気の赴くままに。

ウェブ人間論

2007-01-13 | 
ウェブ人間論読みました。

ウェブ進化論の著者の梅田望夫と芥川賞作家の平野啓一郎が「こちら側」の人間が「あちら側」と今後どのように向き合って行くのか、という対談です。

前提としてウェブ進化論を読んでいないと、議論がなかなか理解しにくい面もあるかと思いますが、「あちら側」にのめり込んでいる梅田望夫と、その有用性はかなり認識しつつも、一歩引いて見ている平野啓一郎との対比が面白いですね。

自分としては3章の「本、ipod、グーグル、そしてユーチューブ」の下りが一番興味深かったです。その中でも(紙という媒体としての)本という存在は今後も本としていつづけられるのか?という部分ですが、自分的には閲覧性の柔軟さではまだ紙を上回る媒体は出てきていないので、何らかの技術のブレイクスルーが見つかるまでは、無くならないとは思いますが、いずれ消え去る運命にあるような気がします。

自分の性格に因るところなのかもですが、やはり読みたいときにすぐ手に取れるかどうか、というのは情報の消費の速度が加速度的に上がっている現状を考えると、「あちら側」に全文があって、幾許かのお金を払えばすぐに手にはいるという状況が最終的な落としどこの様な気がします。

ネット書店で注文すれば数日で手元に届く様な、以前から考えればかなり幸せな状況にはありますが、それでも遅いと最近は感じるようになってしまっています。結局、本屋で手にとって、これと思った本をその場で購入して帰りの電車で一気読みしている時が、一番気合い入れて読んでいると感じる訳で。

とはいえ、本屋に行けるなんて平日はなかなか難しいので、友達と話していたり、本の中で引用されていたり、ウェブの書評を読んだりで興味が沸いた本(情報)に対して、週末まで待つことなしに如何にタイムラグ無くしてアクセスするかという命題に対する一つの解なんですよね。

と、ここまで書いたのを読み直してみましたが、ちと自分がおかしいだけなのかもですわ。うーむ。もっとゆっくり考えた方が良いのかも。


自分の考えはそれとして、少なくともウェブ進化論を楽しく読めた向きにはお勧めです。

この本の中で'75年生まれというのを一つの分岐点と取っているようですが(携帯が自分自身となりえるかというのも興味あるテーマです)、であるのなら、次の企画として金原ひとみや綿矢りさ辺りの世代との対談とかやって欲しいですね。非常に興味有ります。

とりあえず平野啓一郎の著作は全然読んでいないので、読んでみますか。

中島らも

2006-10-26 | 
最近、中島らもの読み返し&読んでなかったのを新規に読んでいるのですが、相変わらず面白いですね。

今夜すべてのバーでは、アル中患者中島らもの渾身の力作で、アル中になるとどうなるかが懇切丁寧に描写されています。というか、主人公はどうみても中島らもです。ありがとうございます。って感じですよ。

文中に興味深い下りがあります。

「教養」ない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。

だそうです。うーむ。やはり自分も酒を飲むしか。

まぁ普段酒を飲まない人には何を言っているのか分からない部分もあるかと思うのですが、この退廃的な雰囲気が中島らも好きにはたまらないですね。最後まで一気に読ませてくれます。お勧め。

ロイチョイ割り飲みたい

2006-10-24 | 
グインサーガ110巻 快楽の都を読みました。

星船に乗って以降では前巻と今巻が一番面白かったです。まあ本伝でやる話では無い、という気もしますが、結婚式でまるまる1冊描いてしまう作者なので、なんでもアリかな。

最近のグインは内容が薄いとかの批判も多いですが、自分的には面白かったので全然問題なしです。

スラインはやはりカメロン(どうでも良いけど、最近は自分の中のカメロンのビジュアルイメージはQueenのフレディ・マーキュリーになってしまいしたよ...orz)の差し金なのでしょうか。ドライドン博打の話とか、布石というよりだんだんあからさまなんだけど。この調子だとケイロニアにまでついて行ってトール辺りの部下に収まりそうな雰囲気だな。


あと、ロイチョイ割りはホッピーみたいな感じですかね。あの如何にも安物で、翌日に二日酔いで頭痛確定ってのが分かっていながら止められずに何杯も飲んでしまうって感じ。

相変わらず栗本薫は飲み物、食べ物を本当に旨そうに描きますねぇ。二日酔いになっても良いから飲んでみたいな。


しかし後書きで200巻超えたらとか言っているし、やるき満々だな。これはアグリッパとなってローダン越えしか無いな。小説書く以外は興味が無くなっているとか言っているので、これは通年の月刊グインサーガへの布石か?

それはそれで楽しみだけどね。

デイトレ

2006-09-27 | 
最近、所謂デイトレーダーについて評論している書籍は大分出回ってきました。このネット株の心理学もその一つ。ただ他の本と違うのは、大学の先生(慶応のビジネススクールの助教授だそうで)が書いている所でしょうか。

株の様な世界で大学の先生が本を書くときは、経済学的な見地から、という観点が多いと思うのですが、これは逆にデイトレードのメリットデメリットについて、デイトレード礼賛の立場で書かれています。

主には効率の良さ(複利)とリスクの少なさに注目していますね。こういう観点から大学の先生が本を書くようになる、というのも時代が変わったという事でしょうか。

まぁ、ライブドアショックも宵越しの株を持たないデイトレーダーには殆ど被害が無かったというのはちと言い過ぎだと思いますけどね。あれの本質はあの日の午後のマネックス証券によるライブドアとその関連会社の信用掛け目0のハメと、外資証券の日経先物の空売りの仕掛けがほぼ同時に行われたための市場の動揺(他の証券会社も追従して掛け目0にするのではという不安が先行し、投げ売りが重なった)があったために*午後から*日経平均が暴落した訳で、宵越しの株を持ってても持っていなくても、当日朝から買っていれば(午前はかなり日経平均が上がった)変わりないわけで。

なので、ヤバイと思ったら全部ポジションを整理する身の軽いトレーダー(主にデイトレーダー)は殆ど被害が無かった、というのが正しいと思われます。

つか、ポジションの整理が遅れた自分は...orz

まあ最近は如何にリスクをヘッジするかが今後のお祭り参加のポイントと考えています。リーマントレーダーをやっている前提にある限りは自分で納得できるヘッジの策が思いつかないんですよね。なので、当分はポジション縮小のままだな。


とはいえ、デイトレードに興味のある(或いは実践している)向きは一読しても面白いのではないでしょうか。



勝者の代償

2006-09-19 | 
季節も秋に移り変わり、夜が涼しくなって来ました。秋の夜長に読書でも、という向きも多いと思いますので、最近読んだ本のうち、面白かったもの、興味深かったものをちょっとずつ紹介していきたいと思います。

最近少し仕事が落ち着いてきて、行き帰りの電車で読書するだけの余裕ができているので、積ん読の消化が進んできたからというのもあります(ちょっと前までは睡眠時間にするのが精一杯だったけど。あー幸せ)

まず最初は勝者の代償

所謂オールドエコノミーに対して近年発達してきたニューエコノミー。これに対してアメリカはどのように対応し、変貌していったかについて書いています。ニューエコノミーがどういうものであるか、という部分については目新しさは無いのですが、オールドエコノミーの頃から人々の心がどのように変化して行ったかについての下りは、事例をひきながら丁寧に解説していて、なかなか興味深いです。よくアメリカの企業は能力主義で云々ということを聞きますが、そのようになるのは実は最近の出来事だとかね。

元々、日本の社会はアメリカを10年後から追いかけている、という言われ方をしますが、4章の「忠誠心の消滅」、5章の「雇用の終焉」、8章の「ものすごく縮んでいく家族」の辺りを読むと、まさにその通りで、10年前のアメリカを今まさになぞろうとしている感じです。この辺の人間の心の移り変わりは同じ轍を踏まざるをえないのでしょうか。難しい所です。


アメリカのクリントン政権下で労働長官を務めた著者のライシュ。日本の政治家もこれぐらい読み応えのある本が書ける人が出てくるといいんですけど。(それとは別に、麻生外相の漫画論を読んでみたい気がw)

ということで、この本は新聞や経済誌の書評で何度か取り上げられていて、ずっと読もうと思っていたのだけど、なかなか時間が無くて積ん読が長かったです。しかし書評で何度も挙がるだけのことはあり、今年下半期(ってまだ2ヶ月ちょっとしか経っていないけど)で読んだ本の中では一番面白かった(興味深かった)です。お勧め。

のだめカンタービレ

2006-07-17 | 
友達に面白いよ、と言われて漫画喫茶で何の気無しに読んでみた、のだめカンタービレ

いや、マジで面白いです。最新刊までノンストップで読んじゃいました。(「ふぉぉぉ」という擬音がやけにツボに入った)読み始めて最新刊までノンストップだったのはカイジ以来ですかね。読んだこと無い方には超お勧めです。

大学の頃はクラシックを結構聴いていたってのもあったのか、漫画読んでてその曲が頭の中に響いて来ましたよ。漫画読んでてこういう経験って少ないので、おおぅって感じでした。こういうのを読むと、ガキの頃に習っていたピアノを続けれていればなぁとか思っちゃいます(ツェルニーの30番で挫折..orz)

まあまたいつか余裕が出来たらちょこちょこやりますかな。

日はまた昇る?

2006-03-15 | 
ビル・エモットの日はまた昇るを読みました。英Economist誌の編集長の日本経済復活を説いた本で、内容に特に目新しいことは無いですが、現在日本が取り巻かれている経済状況を初心者でも読みやすく整理されています。経済と地政学を切り離して論じるのは難しいってことですかね。

ただタイトルの通りに、失われた10年を取り戻すのはそうは簡単では無さそうです。

日本ツウの著者の暖かい応援メッセージとして解釈すべきに思いました。

好きこそものの上手なれ

2006-01-31 | 
蝶を育てるアリ―わが昆虫フィールドノートを読みました。

第一部のそもそも昆虫はなぜ翅を持つようになったのかとか、食による棲み分けからもう興味深い話ばかりなのですが、多分この著者の真骨頂は第二部の実際に育ててみての観察結果ですね。

単なる解説本と違い、この著者は疑問に思ったら実際に試す、ということをひたすらやっていて、例えば昆虫の擬態(植物や別の毒を持った昆虫に姿を似せる)は実際に鳥を欺くことができるのか?とか興味が沸いたら実際に鳥と擬態する昆虫を一つの部屋に入れて、とかやっています。めちゃくちゃ面白いです。

多分この著者は自分の興味の赴くままに仕事としてやって、死ぬまで好きなことをやっているんでしょう。(´・ω・`)テラウラヤマシスって感じです。自分もかく在りたいものです。

今年(ってまだ1ヶ月しか経っていないですが)読んだ本の中では圧倒的に一番面白いです。通勤時にこれ読んでいて、降車駅を気づかずに乗り過ごしてしまったぐらい。

多分自分が今年読む本の中でもBest3には入りそうな感じ。お勧め。

少年老いやすく

2006-01-31 | 
国家の品格を読みました。アメリカ的資本主義に陥りつつある日本はこのままでは駄目になると主張していて、今回はいつもとはかなり趣を異にしているので、藤原正彦の軽快なユーモアを楽しみにエッセイなどを読んでいる向きには、アレレ?という感じかもしれません(自分もその一人)

読んでいて確かにその通りと思ったのは

・教育は国語と数学(算数)に主眼を置くべし
・若いときこそ名作を読め

って辺りでしょうか。特に後者については自分自身でもうすうす気がついてはいたのですが、日本の古典もきちんと読んだこと無いんですよね。平安文学、江戸文学は言うに及ばず、漱石、鴎外なども教科書で出てきた分ぐらいだし、三島由紀夫とか本屋で手に取った事もないんですね。

仕事の本とか或いは直近で興味のあるネタ(最近だと社会問題、経済)ばかり手にとって居るわけで。うーん。

難しい...

同じ穴の

2006-01-28 | 
会社帰りに、たまたまSF好きの同期と一緒になりました。
最近は仕事でテンパっていて本読むスピードよりアマゾンで本買うスピードの方が早いそうな。

部屋の中が本で占領されているとか、寝ているときに積ん読の本が顔の上に降ってくるとか。どこも同じやね。

最近の新刊ではイチオシのSFは無いそうで、彼は面白いSFを発掘するのが上手なだけに残念。