古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十一章 苫草場争い 其の四十八

2014年05月18日 06時36分12秒 | 古文書の初歩

 

「苫草場争い・願奉口上」第十一頁、上の五~六行目

 

解読 其上山林六拾ケ所并植「杉」等小

    前より田并浦へ段々賣渡御座候へ者

 

読み 其の上山林六十ヶ所、並びに植え杉等小

    前より田並浦へ段々売り渡し御座候えば、

 

解説 「山林」の次は「六拾ケ所」・・・「拾」がとても難しい。 続いて「并」・・・現在の「並」と言う字と同じ使い方をしますが、異体字の範疇には入っていません。「並びに」。 「植杉等」・・・山林に植えた杉の木。「杉」の俗字は「木」偏に「久」と書きます。山林六十ヶ所と植えた杉の木などを。 「小前」・・・小百姓。水呑み百姓。 「田并浦」・・・田並浦。 「段々」・・・この字も読めません。徐々に。次々に。 「賣渡」・・・難解文字です。「賣」は「売」の旧字体。 最後は「御座候へ者」・・・御座そうらえば。 田並上村の山林や植えた杉の木など、生活に困った小百姓から、田並浦の人へ次々に売り渡したので。