古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その九十一被可

2012年11月19日 07時56分44秒 | 古文書の初歩

 

 

乍恐奉願口上第二十ページ、上の画像の五行目

 

解読 被為成下、此段偏奉願上候。以上

読み 成し下せられ、此の段偏に願い上げ奉り候。以上

 

解説 「被為成下」・・・「被」は受け身の助動詞で「・・・らる」の活用形で、必ず下から返って「・・・られ」と読みます。 「為」は使役の助動詞で「・・・す」「・・・さす」の活用形で、これも下から返って「・・・せ」、「・・・させ」と読みます。「被為成下」で「成し下せられ」と言う慣用句として覚えて下さい。助動詞とは「成し下す」と言う動詞を助ける(又は、おぎなう)言葉です。 次の「此段」も読むのは困難ですが、出る回数が多いので、自ずと頭に入って行く用語です。 「偏」・・・『ひとえに』と読み、「いちずに」「ひたすらに」と言う意味。 「奉願上候」・・・「奉」も読むのは困難ですが、慣用句として覚えましょう。「上」の下の「レ」は「候」。『願い上げ奉り候。』 最後の「乙」のような字は「以上」の崩し字です。

昨日の第九十番四行目に出た言葉で、「厚御憐愍ヲ以」は『厚きごれんびんを以て』と読み、「深いお情けで」と言う意味です。「憐憫」とも書きます。