Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

注目の大一番の結末

2007-02-22 19:41:03 | 将棋
今日は、もうこれしかないですね。

女流棋界きっての大一番である、『レディースオープントーナメント2006決勝三番勝負最終局』が行なわれ、先程勝敗が決しました。

矢内女流名人里見女流1級の対戦。

矢内女流名人が勝てば、8年ぶり2回目の戴冠。
対局のたびにセーラー服で登場し、第1局を制してマスコミが騒ぎ出し、一躍「時の人」となった14歳の里見女流1級が勝てば、もちろん初優勝。
当然ながら、公式戦も初優勝となります。

両対局者にとって、目に見えない重圧や、その他諸々が重くのしかかることは、想像に難くありません。
泣いても笑っても、この一局で雌雄が決するのですから、対局室にも重々しい空気が漂うのも致し方なし…でしょう。
両対局者の本来の持ち味が、そんな空気の中でも遺憾なく発揮できるかが、最大のポイントになるかもしれません。

小生も、昼休みや、業務の合間にほんの数分できる“チョコ休憩”の間、固唾を呑んで勝敗の行方を見守っていました。


結果は後程紹介しますが、最終局にふさわしい、素晴らしい内容だったと思います。


では、この対局を、『マラソン』に例えて、小生の切り口で、感想を述べてみたいと思います。


昼食休憩を『折り返し地点』とすれば、スタートからそこまでは、ペースメーカと共に、両者ピッタリ並走し、お互い「いつスパートをかけようか…」という駆け引きに終始していたと思います。
『20km地点』で、矢内女流名人が、「スペシャルドリンクを取り損なった」様な、僅かなハプニングが見られた程度ですが、お互い、勝負に賭ける情熱とか、スタミナは充分…といったところでしょうか…。

ペースメーカが去り、いよいよ本格的な駆け引き&勝負が始まっても、両者譲らずの並走が続きます。

そして迎えた、『勝負どころ』の『35km付近』…矢内女流名人が△5九角を放ったあたり。
シドニー・オリンピックでの高橋尚子選手の如き、サングラスをはずして、矢内女流名人が『スパートを開始』するも、里見1級も必死に食い下がって、背後に着いていっています。その差『僅か1m程』といったところでしょうか?

その『僅か数km過ぎ』…里見1級が▲7五角と打ち、矢内女流名人が△8三飛と受けたあたりでしょうか…里見1級が再び並走。最大の見せ場を作ります。

ですが、追いすがったのも束の間。

里見1級が(77手目)▲1五歩と端歩を突いたとたん、里見1級のスタミナが切れ掛かり、矢内女流名人の背中が、次第に遠のいた感じがしました…。

後は、矢内女流名人の背中が一方的に遠のく程の『独走』かと思いきや…ところがどっこいです。

矢内女流名人が102手目に△1六桂と決めにかかっても、終盤力のある里見1級の、最後のスタミナ&勝負根性を振り絞った必死の粘りが、最後まで『独走』(=寄せ)を許しません。

矢内女流名人から『約100mほどの遅れ』を保ち、そのまま『トラック勝負』となりましたが、最後は、里見1級がさすがに力尽きてのゴールテープ…

だったように感じました。


というわけで、結局、130手までで、矢内女流名人が勝ち、8年ぶりの戴冠となりました
最後の最後は、女流名人の貫禄を見せてくれました。
そして、この勝利により、混沌とするかもしれない女流棋界の勢力図も、暫くは『清水&中井矢内・千葉・石橋世代』の図式を守った…ともいえるかもしれません。

里見1級は、惜しくも準優勝。それでも立派です。
最大級の賛辞を贈りたいと思います
女流棋界がこれだけ世間に注目され、発展に期待が膨らんだのは、里見1級の登場なくして語れませんので。


そして、このシリーズではっきり判ったことがあります。それは…

「里見女流1級の実力は、本物である

ということです。

対局後の感想で、「楽しく指せた」けど「悔しい」と語ったのは、本音だと思います。
それを素直に、多くのマスコミの前で包み隠さず語れたところに、14歳とは思えない大物感が漂っていると感じたのは、小生だけでしょうか?


ところで、里見1級の挑戦は、これで終わった訳ではありません。

女流王将戦も、ベスト4に堂々エントリー。
しかも、斎田倉敷藤花と、このタイトルホルダーだった石橋女流四段を破っての、ベスト4…価値は大きいです
なんと、次の準決勝の対戦相手は、今日対局したばかりの矢内女流名人です
今日の「リベンジ」なれば、千葉女流王将との五番勝負の可能性も残されており、まだまだ楽しみは尽きません


マスコミから一斉に担ぎ上げられても、対局前夜に事故に巻き込まれて、対局時間に遅刻を余儀なくされても、あくまで「泰然自若」を貫き通す、その精神力…。

まだまだ「伸び盛り」の、もうすぐ15歳の里見女流1級の成長に、今後も目が離せません。


追記
なお、棋戦準優勝の規定により、今日付けで、里見1級は初段へ昇段したそうです。
とすると…もし優勝していたら、この度の4月に、二段昇段だったってことですか
ジャンル:
イベント
キーワード
ペースメーカ 女流王将戦 シドニー・オリンピック レディースオープントーナメント
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4 Comments

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LOT第三局 (振られ飛車)
2007-02-22 21:33:06
パソコンに常駐させながら時折見ておりました。
▲1五歩がおかしいと思っていました。いくらなんでも単騎突入ですから。終盤にねじ伏せるといったあたり渡辺竜王と共通点がありますね。
さはさりながら、矢内女流名人の今年の敗北は藤花戦(斎田)、LOT(里見)、女流名人戦(中井)の三局だけなんですから。強いことは強いですよ。
LOT最終局 (Dancho)
2007-02-22 22:23:22
振られ飛車さん、こんばんは。
今日は、間髪入れずにレスします。
(大ファンのお方に、毎度失礼してはいけませんので(笑)。)

やはり、▲1五歩ですか…。
あれで、後手陣の香車を働かせてしまった感がありましたものね。
里見さんは、終盤力に凄く自信がおありなんでしょうね。
終盤力に長ける棋士なら、102手目△1六桂を見て投了…となるのに、あの後28手も指したのですから…。
あの後の28手に、プライドみたいなものを感じましたが…いかがでしょうか?

LOTの中継ブログでも、両対局者の06年度の成績一覧が載っていましたね。
矢内さん、確かに今年度は3つしか負けていないんだから、一目置く存在ですよね。
「女流名人」の地位が、矢内さん自身をここまで鍛え上げたのでしょうか?
矢内さん自身が、「女流名人」の地位に当てはまるように努力精進した結果なのでしょうか?
どっちもかな?
併走 (spinoza05)
2007-02-24 19:48:08
トラックバックありがとうございました。
将棋の場合はぴったりと併走ということになると
どうしても先手から打開しにいくことになりますから
その分だけ後手がうまくやったといえるかもしれませんね。
コメントありがとうございます。 (Dancho)
2007-02-25 16:35:21
spinoza05さん、はじめまして。
nanaponさんのブログを辿って、TBさせて頂きました。
コメント、ありがとうございます。

昨日の『囲碁・将棋ジャーナル』で鈴木大介八段が、後手の矢内女流名人が、里見女流初段の力を発揮させないように指し回して、最後はリードを広げた感じとおっしゃっていました。
里見女流初段としても、膠着状態の局面を自ら打開したかった一手が、▲1五歩だったのかもしれませんね。
相手の力を利用して勝った…というと聞こえは悪いかもしれませんが、それだけ経験値という点で、矢内女流名人が勝っていたということでしょうね。

里見初段には、この経験を是非糧にして、成長につなげて欲しい…と願う次第です。

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