28日、10時から館山市議会の傍聴に行った。
今まで連載してきた本件について、
第三者調査委員会の委員の早期委嘱を求める決議が行われると聞いたからだ。
提出者は副議長の本多成年議員で全会派の代表者が賛成者として名を連ねている。
議場では本多議員が、
「この問題は議会でも議論し、原因の解明と再発防止をご遺族が強く求められていることを受け、
第三者調査委員会の設置となった。
しかし(筆者注:関連条例成立から)9カ月たっても委員の委嘱が決まらず、未だ調査・審議もされず、進んでいないことは誠に遺憾だ。速やかな委員の委嘱を求めこの決議を提案した」と主旨説明された。
議場からは反対の意見はなく満場一致で採択された。
こうして議会で議決されたのは非常に喜ばしいことだが、念のため付言しておくと、進まなかった責はもっぱら市側にあると考えている。
いずれにしても、議会の皆さんのご尽力で決議された以上、ご遺族の意向を尊重しながら早期発足を心から願うものである。
なお、本会議では、市教委の委員一名の任期が切れるので再任したいという提案があった。
そこで石井敏宏議員が、
「議会の同意人事だが判断できる材料がない。なので、その方が会議で反対された議案とか修正を求めたりした議案はあったか」と質問。
この市教委側の回答には驚いた。
いわく、「(市教委の会議とは別に)委員協議会を開き、そこでいろいろ指摘されたり議論し、間違いのないものとして議案を提出している」というのだ。だから、反対も修正もないということだ。
その協議会は「館山市教育委員会行政組織規則」の第6条によるそうだ。
たしかに6条には「委員長は,調査又は研究を要するものがあると認めるときは,委員協議会を招集することができる」とある。
だがよく考えてみると、議題の議論をそこでやるなら定例会や臨時会は単なる追認機関であり、必要ないことになりはしないか。
おまけにその協議会は公開していないという。つまり、非公開の場で議論し、公開の場では形式だけということになる。
そうであれば、市教委の会議の公開と傍聴など、何の意味もなくなる。
だから6条は「調査及び研究」のためであり、通常の議題などではなく、よほど特殊な場合を想定していると考えるのがふつうだろう。
だが、そこでいつも議論しているから市教委の会議では反対も修正もないというわけだ。
であれば、その協議会の会議録を情報公開請求で入手しなければ内容は何もわからないということになる。
ところが協議会は「調査又は研究」なので会議録は作っていない、と言いかねない。
仮にこうなってくると、腹も立つがあきれ返ってものも言えぬの典型となる。
さて、本会議閉会後、議員さんの全員協議会があった。
こちらも傍聴させていただいた。
むろん事前の議長の許可を頂いてある。
なぜ傍聴したか。
市教委が、石井議員に対し謝罪・訂正を求めた文書を議長に出した一件をその場で説明すると耳にしたからだ。
この連載の前回と前々回でお話しした問題である。
ことは重大なのでご遺族ともどもお邪魔した。
そうしたところ、傍聴は5名くらいしか認めないという中で新聞記者さんも2名おられた。
で、市教委だが、次長が経緯を淡々と説明したのだが、当の石井議員が、
「3年前、他の件で反対討論したところ(市教委ではないところから)抗議され、直接、話し合った。だが市教委という所は、なぜ私に直接話さないのか」と問いただした。
これに対して次長は、「正しいものを出してもらいたいということで、議長に文書で依頼した」という。
まったく回答になっていないので、石井議員は再度、
「なぜ私に直接ではないのか。この期に及んでも何もない」と聞いても、まったく同じ答えを繰り返すだけだった。
石井議員も呆れてそれ以上は質問しなかったが、市教委の思考方法は何だかよくわからない。
そもそも本件は、市教委や学校という関係機関の問題もあって長引いているはずである。
そのあたりの自覚も反省もないのだろう。
なんともはや、言うべき言葉もない。